【ペットのお悩み相談室】成犬の歯が抜けました、大丈夫でしょうか。

しつけ・お悩み 2024.1.17

成犬の歯が抜けました、大丈夫でしょうか

先日掃除をしていて、犬の歯が落ちているのを見つけました。まさかと思い口の中を確認したところ、右側の奥歯が明らかに抜けたのか本数が少ない箇所がありました。

歯石が溜まっているのは分かっており、わざと硬いおやつをあげていたせいかもしれません。成犬の歯が抜けることはよくあるのでしょうか?このまま放っておいても大丈夫ですか? (スムースコートチワワ 6歳)

ドッグトレーナーの回答

乳歯から永久歯への生え変わりに伴う”抜け落ち”ではなく、成犬になってから歯が抜ける場合は、以下のような病気が疑われます。

1. 歯周病

歯を支える歯茎や骨が破壊されることで、歯がぐらぐらになってしまったり、歯肉が炎症を起こして出血する病気です。症状が進行すると、歯を支えている土台骨が溶けポロポロと抜け落ちてしまいます。

2. 口腔内腫瘍

口腔内に腫瘍ができると、歯の周りの組織が壊されて、歯がぐらぐらしたり、自然と抜け落ちることがあります。

3. 外傷

衝突や落下などの事故や、硬いものを噛んだことによって、歯が折れて抜けることがあります。歯が小さい超小型犬については引っ張りっこなどの遊びの最中にも抜けることがあるので注意が必要です。歯茎が弱っているシニア犬も、硬いおやつで抜けてしまうことがあります。

4. 吸収病巣

歯を壊す働きを持つ細胞が、永久歯を溶かしてしまう原因不明の病気です。ネコちゃんのほうが多いのですが、ワンちゃんについても時折発症します。

このように、成犬の歯が抜けることはありうることであって、上記のような原因によって引き起こされるといわれています。しかし全てにおいていえることは、いづれの原因によるにせよ、歯の生え変わり期以外で歯が抜けるというのは良いことではありません。

もし成犬の歯が抜けてしまった場合、まずはお口の中を確認してみてください。口内に腫れや出血が見られるほか、歯肉にしこりやできものがあるなど、何か異常がないか確認してみましょう。

そのうえで、できるだけ早急に、かかりつけ医に抜けた箇所と口腔内の環境、その他の歯の状態を診てもらってください。歯周病や腫瘍などの疾患が原因の抜け落ちならば、大元の疾患を治療する必要があります。獣医の指示に従い、治療を開始しましょう。

人間と同じように何歳になっても、美味しくご飯を食べられるように、飼い主さまができる限り愛犬の歯の状態をチェックして、歯の抜け落ちを防ぐようにしてください。

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