【ペットのお悩み相談室】歯周病の対策を教えてください。

しつけ・お悩み 2023.12.29

歯周病の対策を教えてください。

犬も歯周病になると聞きました。歯周病の対策、予防方法について教えてください。うちの犬はまだ2歳ですが、口臭がきつくて、もしかして歯周病ではないかと心配しています。(マルチーズ 2歳)

ドッグトレーナーの回答

きちんとした診断はかかりつけ医にて行うこととなりますので、はっきりとしたことはいいかねます。 近日中に動物病院に連れていき、診察を受けましょう。口腔内の診察や検査にて、現在歯周病にり患しているか否か、診断を受けることが可能です。

そして、歯周病の対策についてですが、これについては毎日のお口のケア、歯磨きしかありません。

歯周病とは、口のなかに溜まった細菌によって引き起こされる炎症です。食べた物の一部が歯のすき間に残り、歯垢となります。

ワンちゃんの口内において、歯垢は約3日で歯石に代わりますが、この歯石こそが、歯周病の原因となる歯周病菌の温床です。 そして、この歯周病菌が産生する有害物質によって、歯周病が引き起こされます。歯周病は突然発症するものではなく、段階を踏んでゆっくり進行する病気です。また、それと同時に毎日のデンタルケアできちんと汚れや細菌を除去することで、確実に予防することができます。

ワンちゃんのデンタルケア方法として、以下の4つがメインの方法です。

最初から歯ブラシは嫌がる子も多いため、お口周りを触られることに慣れていない子の場合は、まずは歯磨きジェルやガーゼから始めて、徐々に歯ブラシに慣れさせてあげる方法がおすすめです。

歯ブラシ

ワンちゃんのデンタルケア方法として最も基本的な方法は歯ブラシです。ワンちゃん用の小さな歯ブラシがペット用品店にはいくつも置いてありますので、愛犬の歯やお口の大きさに合わせたサイズの歯ブラシを準備しましょう。人間の幼児用の歯ブラシを使用しても大丈夫です。

歯ブラシを手に持ったら、まずはお口をめくり、歯の外側から優しく磨いていきましょう。歯の表面のブラッシングに慣れたら、次は奥歯を磨きます。軽くお口を開けさせて歯ブラシを少しずつ奥にずらしていきましょう。いきなり奥に入れたり、ガシガシと強く磨くとワンちゃんのお口の中を傷つけてしまう可能性があります。一度歯ブラシに恐怖を覚えてしまうと、次回以降歯ブラシを見ただけで逃げ回ることになってしまいます。

磨き方としては、歯ブラシを少し斜めにして、歯の根元と歯茎の間、いわゆる”歯周ポケット”にブラシが当たるように磨いてあげるのがポイントです。きちんと磨かせてくれたら大げさなくらいほめてあげましょう。そうしてご褒美のおやつをあげてあげて下さい。

ガーゼやコットン

もともとお口を触られることに慣れていないワンちゃんは、歯ブラシを怖がる子も多いです。

その場合は、デンタルジェルを数滴落としたガーゼやコットンで、歯を優しく拭いてあげましょう。まず、ガーゼはしっかりと指に巻き付けます。口の中で落としたり、それを誤飲してしまったは大変です。

その後、ワンちゃんが驚かないように横側から口の中へ指を滑らせるように入れます。乾いたガーゼを使用すると摩擦が生じて、ワンちゃんが嫌がる原因になるため、必ず湿らせてから使用しましょう。

歯磨きガム

オーラルケアが目的のガムは多く発売されています。

おやつ代わりに毎食後与えてあげることで、歯に付着した汚れや歯垢を落とすことが可能です。 ガムを選ぶポイントとしては、まずは誤飲しない大きさのものを選ぶことが重要です。愛犬のお口や歯の大きさを考慮の上、両手で持って口に入れた際に喉を傷つけるない長さのガムを選びましょう。

また、硬すぎるガムも、逆にワンちゃんの歯を傷つけ、犬歯や臼歯が割れたりか欠けてしまう可能性もあります。硬さにもバリエーションがありますので、愛犬の歯の大きさを考慮の上、適切なガムを選んであげましょう。

歯磨きの目的は、歯の表面に蓄積する歯垢を取り除くことですから、素材が繊維状で、噛むたびに歯の表面がこすれるものが効果的です。

歯磨きジェル

歯磨きジェルには、先述したようにガーゼやコットンに落として使うものもあれば、指に乗せて直接歯を磨けるものや、ジェルをなめさせるだけで歯垢予防になる商品もあります。まだ歯ブラシに慣れていないワンちゃんへの使用には、舐めさせるだけのジェルがおすすめです。

歯磨きの頻度についてですが、毎日の実施が理想的です。

ワンちゃんの歯垢が歯石になるスピードは3日といわれていることから、試算上は3日に1回を目標に実施することで、歯垢は十分に予防できます。しかし、毎日前歯から奥歯まですべての歯を磨くことは、なかなか大変です。ワンちゃん自ら歯磨きタイムを察し、お口を開けてくれるわけではありません。

そのため、できるだけ毎日実施することで、毎日の習慣として覚えさせましょう。長時間になると我慢できなくなる子も多いため、今日は前歯だけ、今日は右側だけなど、毎日区画を分けて少しずつ歯磨きをしてあげると良いですね。

歯磨きが大好き、というワンちゃんはまれだと思いますので、無理のない範囲で、ワンちゃんが受け入れてくれる方法できちんとデンタルケアをしてあげることが重要です。歯磨きは、口臭がひどくなるだけでなく、歯周病など犬の健康に大きく関わってきます。

愛犬がずっと長生きで健康でいられるように、飼い主さまには毎日定期的に歯磨きを根気よく行いましょう。

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