【ペットのお悩み相談室】猫に脱毛が見られます

しつけ・お悩み 2024.3.5

猫に脱毛が見られます

猫の脱毛について教えてください。現在8か月のマンチカンの女の子なのですが、頭に一部脱毛している箇所があります。相変わらず元気ですし、本人は気にしている様子はありません。ストレスでしょうか。 (マンチカン 8か月)

獣医師の回答

ネコちゃんに脱毛が見られるときに考えられる、一般的な病気としては以下が挙げられます。

1. アトピー性皮膚炎

ダニや花粉などのアレルゲンに対する過剰な免疫反応によって起こる皮膚炎です。生まれつきアレルギーを起こしやすい体質で、アレルゲンに対して免疫が過剰に反応してしまい、皮膚に炎症が起こってしまいます。比較的若い年齢(6ヶ月〜3歳)で発症しやすい病気ですが、全年齢で確認されます。

2. 好酸球性肉芽腫群(こうさんきゅうせいにくがしゅぐん)

好酸性肉芽腫症候群とは、皮膚や口の中の粘膜、唇に皮膚症状や潰瘍が発症するものです。まずは症状が出た箇所が赤く膨れて盛り上がったり、脱毛が見られたりします。

3. マラセチア皮膚炎

マラセチアという、皮脂をエサにしている菌が、異常に増殖してしまうために皮膚炎や外耳炎を起こしてしまう病気です。かゆみが強いのが特徴で、しきりに掻きむしってしまうために、感染部位は赤くただれ、脱毛してしまうことが多いです。

4. 皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)

皮膚が糸状菌(カビの一種)に感染して脱毛や皮膚炎を起こす病気です。主な症状は脱毛で、感染後1〜4週目に一部の毛が抜けて円形に脱毛し、徐々に脱毛範囲が拡大していきます。

5. 耳ヒゼンダニ症

ミミヒゼンダニが外耳道に寄生することによって発症する病気です。症状の多くは耳の痛み、耳や頭部の痒がることから外傷や脱毛、耳血腫(耳を振ることによる)などです。

これらの病気は様子を見ることによって完治するということはありません。一時的に良くなったように見えることもあるのですが、免疫力が低下するとまた症状が現れるほか、痛みが増したり、どんどん炎症や脱毛部位が広がることもあります。

早期発見を心がけ、原因に適した治療を受けさせるようにしてください。

ちなみにストレスから脱毛することもありますが、これについては過剰グルーミングが原因のことが多いので、舐めることができない頭に発生している脱毛となると、ストレス以外の原因であるとみてよさそうです。

本人があまり気にしていないと、ついつい少し様子見ようかなと考えてしまいがちですが、できるだけ早く病院へ行き、原因をハッキリさせてあげてくださいね。

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