犬アレルギーでも飼える犬種5選!レベル別の症状や飼うためのポイントを解説

ペットと暮らす 2025.8.1

犬アレルギーでも飼える犬種5選!レベル別の症状や飼うためのポイントを解説

「犬アレルギーだけどワンちゃんは飼えるの?」
「犬アレルギーの症状とは?」
「ワンちゃんを飼いながらアレルギーを抑える方法は?」

犬アレルギーについて、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。犬アレルギーの症状は辛いものですが、犬種選びや暮らし方の工夫によって、症状を抑えながらワンちゃんと暮らせる可能性があります。

この記事では、犬アレルギーの基礎知識から、アレルギーを持つ方でも比較的お迎えしやすいとされる犬種について解説します。また、愛犬と生活するための具体的なポイントについても触れていきます。

この記事を読めば、あなたに合ったワンちゃんを見つけるヒントを得られるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

目次

  1. そもそも犬アレルギーとは?
  2. 犬アレルギーでも飼える犬種はいる
  3. 犬アレルギーでも飼いやすい犬種5選
  4. 犬アレルギーでもワンちゃんを飼うためのポイント
  5. 犬アレルギーでも飼える犬種に関するよくある質問
  6. 犬アレルギーでも飼える犬種を探して暮らしを豊かにしよう

そもそも犬アレルギーとは?

 そもそも犬アレルギーとは?

犬アレルギーとは、ワンちゃんの体から出る特定の物質に対して、体の免疫システムが過剰に反応する疾患です。アレルゲンは主にワンちゃんの唾液やフケ、抜け毛、皮脂などに含まれています。

ワンちゃんと直接触れ合ったり、同じ空間で過ごしたりするだけでアレルギー反応が引き起こされることも珍しくありません。アレルゲンは小さく軽いため、空気中に舞い上がりやすく、室内のさまざまな場所に付着します。

犬アレルギーによる主な症状

レベル 主な症状
軽度 くしゃみ、鼻水、咳
中程度 湿疹、蕁麻疹、目のかゆみ、腫れ、充血
重度 めまい、下痢、嘔吐、呼吸困難、喘息の発作など

犬アレルギーの症状は人によってさまざまで、その日の体調によっても変化します。症状は、軽度なものから命に関わる重篤なものまで、いくつかのレベルに分けられます。

軽度の場合、くしゃみや鼻水、鼻づまり、咳といった風邪に似た症状が表れます。

中程度の症状では、皮膚に赤みやブツブツとした湿疹、かゆみを伴う蕁麻疹が出ることがあります。また、目のかゆみや充血、まぶたの腫れなども代表的な症状です。

重度の症状になると、めまいや下痢、嘔吐といった消化器系の症状が現れることがあります。あるいは、呼吸が苦しくなる、喘息の発作が起きるなど、深刻な状態に陥る可能性もあります。

犬アレルギーの主な原因

犬アレルギーを引き起こす主なアレルゲンは、「リポカリン」と「アルブミン」という2種類のタンパク質です。

リポカリンは、特にワンちゃんの皮脂や唾液、フケ、毛などに多く含まれるアレルゲンです。毛が抜けたり、フケが落ちたりすることで室内に飛散します。

一方、アルブミンは血液中に存在し、ワンちゃんだけでなく、人間や猫を含む多くの動物の体内にあるタンパク質です。このため、犬アレルギーの人がほかの動物に対してもアレルギー反応を示す可能性があります。

犬アレルギーを確かめる方法

自分が犬アレルギーかどうかを正確に知るには、皮膚科やアレルギー科などの医療機関で検査を受けることが確実な方法です。

病院では、問診で症状や生活環境などをヒアリングした上で、血液検査や皮膚テストといった専門的な検査を提案してくれます。専門的な知識を持つ医師に相談することで、より具体的な対策を立てられます。

犬アレルギーでも飼える犬種はいる

 犬アレルギーでも飼える犬種はいる

結論から言うと、アレルギー反応が全く出ない犬種というものは存在しません。しかし、以下の3つのような特徴を持つ犬種は、比較的アレルギー症状が出にくい傾向にあります。

  1. シングルコートで抜け毛が少ない
  2. 皮脂の分泌が比較的少ない
  3. 定期的なお手入れがしやすい

こういった特徴をもつワンちゃんであれば、犬アレルギーの人でも日々の対策をおこなうことで、安心してお迎えできる場合があります。ここからは、それぞれの特徴について解説します。

特徴1. シングルコートで抜け毛が少ない

シングルコートの犬種は抜け毛が少ないため、犬アレルギーの反応が出にくい傾向があります。

ワンちゃんの被毛には、主に2つのタイプがあります。寒さから身を守るためのアンダーコートと、体を保護するオーバーコートの両方を持つ「ダブルコート」、そしてオーバーコートのみを持つ「シングルコート」です。

シングルコートの犬種は、ダブルコートの犬種に見られる春と秋の「換毛期」がありません。毛が生え変わるサイクルが緩やかで、抜け毛の量が圧倒的に少ないため、アレルゲンとなる毛やフケの飛散を抑えられます。

特徴2. 皮脂の分泌が比較的少ない

ワンちゃんの体臭の原因の1つである皮脂も、アレルゲンとなり得ます。体臭が少ない犬種は皮脂の量も少ない傾向にあるため、犬アレルギーの人がお迎えする際の選択肢の1つとなります。

特徴3. 定期的なお手入れがしやすい

アレルゲンを減らすためには、定期的なシャンプーやブラッシングなどのお手入れが重要です。そのため、お手入れのしやすさも大切な要素になります。

ブラッシングは、抜け毛やフケを物理的に取り除き、アレルゲンが室内に舞うのを防ぐ効果があります。また、シャンプーは体についた皮脂やフケ、唾液などのアレルゲンを直接洗い流せる最も効果的な方法の1つです。

犬アレルギーでも飼いやすい犬種5選

 犬アレルギーでも飼いやすい犬種5選

ここからは、アレルギーが出にくいとされる犬種を5種類紹介します。

  • トイプードル
  • マルチーズ
  • ビションフリーゼ
  • オーストラリアンラブラドゥードル
  • アフガンハウンド

それぞれの犬種の被毛の特徴やお手入れの方法についても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。

トイプードル

被毛 シングルコート
抜け毛の多さ 少ない
体臭 少ない
お手入れのしやすさ 毎日のブラッシング・定期的なトリミングが必要

トイプードルの一覧はこちら

トイプードルは、シングルコートで毛が抜け落ちることが少ないため、アレルゲンの飛散を抑えられます。また、皮脂の分泌が少なく、体臭も少ない傾向にあります。

ただし、カールした毛は絡まりやすいため、毎日のブラッシングが欠かせません。毛が伸び続ける性質から、定期的なトリミングも必要です。

マルチーズ

被毛 シングルコート
抜け毛の多さ 少ない
体臭 少ない
お手入れのしやすさ 毎日のブラッシング・定期的なトリミングが必要

マルチーズの一覧はこちら

マルチーズはストレートの被毛を持つシングルコートの犬種です。抜け毛は少なく、アレルゲンが室内に広がる心配も比較的少ない特徴があります。また、体臭が少ない犬種としても知られています。

マルチーズは、長い被毛は絡まりやすいため、清潔さを保つには毎日の丁寧なブラッシングが不可欠です。定期的にトリミングにも連れていきましょう。

ビションフリーゼ

被毛 ダブルコート
抜け毛の多さ 少ない
体臭 少ない
お手入れのしやすさ 毎日のブラッシング・定期的なトリミングが必要

ビションフリーゼの一覧はこちら

ふわふわとした見た目が特徴のビションフリーゼは、ダブルコートの犬種です。しかし、毛が抜けにくい毛質を持っており、体臭も少ないため犬アレルギーの方でも飼える可能性があります。

ビションフリーゼは、被毛を維持するために毎日のブラッシングで毛のもつれを防ぐことが大切です。定期的にトリミングにも連れていく必要もあります。

オーストラリアンラブラドゥードル

被毛 基本はシングルコート(個体差あり)
抜け毛の多さ 少ない
体臭 少ない
お手入れのしやすさ 毎日のブラッシング・定期的なトリミングが必要

オーストラリアンラブラドゥードルは、元々アレルギーを持つ人の介助犬として活躍できるように生まれた犬種です。被毛は個体差がありますが、基本的にはアレルゲンとなりにくいシングルコートです。

その成り立ちから抜け毛やフケ、体臭が少ないことが大きな特徴といえます。お手入れとしては、毛が絡まるのを防ぐため、毎日のブラッシングと定期的なトリミングでケアしてあげましょう。

アフガンハウンド

被毛 シングルコート
抜け毛の多さ 少ない
体臭 普通
お手入れのしやすさ 毎日のブラッシング・定期的なトリミングが必要

アフガンハウンドは、長い被毛が特徴のシングルコートの犬種です。見た目とは対照的に、抜け毛は少ない傾向にあります。体臭はほかの犬種に比べると普通レベルとされていますが、アレルギーの原因となる抜け毛が少ない点は大きなメリットです。

お手入れとしては、毎日の丁寧なブラッシングと定期的なトリミングによって長い被毛を維持する必要があります。

犬アレルギーでもワンちゃんを飼うためのポイント

 犬アレルギーでもワンちゃんを飼うためのポイント

アレルギー症状が出にくい犬種を選ぶだけでなく、日々の暮らしの中で以下4つのポイントを取り入れてみましょう。

  1. お迎え前にワンちゃんと触れ合ってみる
  2. 飼育スペースを工夫する
  3. 定期的に愛犬のシャンプーをする
  4. 部屋を清潔に保つ

上記のポイントを実践することで、アレルギー症状を下げられる可能性があります。ここからは、それぞれのポイントについて解説します。

ポイント1. お迎え前にワンちゃんと触れ合ってみる

お迎えを決める前に、実際にワンちゃんと触れ合う機会を持ってみましょう。

愛犬をお迎えすると、10年以上もの長い時間を共に過ごすことになります。実際に触れ合うことで、自分の体がどのように反応するのか、どの程度の症状が出るのかを事前に把握できます。

知り合いの家にワンちゃんがいる場合は、許可を得て一緒に遊ばせてもらうとよいでしょう。難しい場合はドッグカフェを利用したり、しつけ教室の見学に参加したりする方法もあります。

ポイント2. 飼育スペースを工夫する

アレルゲンとの接触を物理的に減らすため、飼育スペースを工夫することも有効です。アレルギーを持つ人が長時間過ごすスペースには、愛犬を入れないように徹底しましょう。

特に寝室は愛犬が過ごすスペースと分けることが大切です。これにより、睡眠中にアレルゲンを吸い込む量を大幅に減らし、症状の悪化を防止できます。

ポイント3. 定期的に愛犬のシャンプーをする

愛犬の体を定期的にシャンプーすると、被毛や皮膚に付着したアレルゲンを直接洗い流せます。月に1〜2回を目安に、ワンちゃん用の低刺激シャンプーを使って体を清潔に保ってあげましょう。

シャンプーの頻度は犬種や皮膚の状態によって異なるため、獣医師やトリマーに相談すると安心です。

ポイント4. 部屋を清潔に保つ

床や家具に付着したアレルゲンを除去するため、こまめな掃除は欠かせません。

カーペットや畳などの抜け毛やフケがたまりやすい場所は、できるだけ毎日掃除機をかけましょう。空気中に浮遊するアレルゲンを除去するために、空気清浄機があると役立ちます。

また、カーペットや布製のソファ、カーテンなどはアレルゲンが付着しやすい箇所です。こまめに洗濯できる素材のものを選んだり、革製や合皮製のものにしたりするなどの工夫もおすすめです。

犬アレルギーでも飼える犬種に関するよくある質問

 犬アレルギーでも飼える犬種に関するよくある質問

ここまで犬アレルギーの対策や、比較的お迎えしやすい犬種について解説してきました。しかし、中には「本当に自分でも飼えるだろうか」といった不安や疑問が残っている方もいるかもしれません。

最後に、犬アレルギーに関するよくある質問にお答えします。ここで疑問や不安を解消し、安心して新しい家族を迎えるための準備を整えましょう。

犬アレルギーが出やすい犬種は?

抜け毛が多いダブルコートの犬種はアレルゲンが飛散しやすいため、アレルギー症状が出やすいとされています。例えば、柴犬、ゴールデンレトリーバー、ポメラニアン、ウェルシュコーギーペンブロークなどです。

犬アレルギーでも飼えば慣れる?

残念ながら、犬アレルギーの完治は難しく、ワンちゃんと一緒に暮らすことでアレルギーに慣れたり、自然に完治したりすることは期待できません。むしろ、継続的にアレルゲンに接触することで、症状が悪化してしまう可能性も否定できません。

しかし、犬種選びや適切な対策をおこなうことで、症状をコントロールして快適に暮らすことは可能です。医師とも相談しながら対策を講じましょう。

お迎え後にアレルギーが発症したら?

繰り返しになりますが、犬アレルギーは慣れることも完治することも難しいものです。

もしワンちゃんをお迎えした後に、アレルギーが発症してしまった場合は、飼うためのポイントでご紹介したように、こまめに部屋を掃除したり、空気清浄器を活用したりして環境を整えることが大切です。あわせて、飼育スペースの工夫や定期的なシャンプーも行いましょう。

また、愛犬と遊んだりなでたりした後に、こまめに手洗いやうがいをするなど日ごろの接し方も心がけることが大切です。

犬アレルギーでも飼える犬種を探して暮らしを豊かにしよう

 犬アレルギーでも飼える犬種を探して暮らしを豊かにしよう

犬アレルギーがあるからといって、ワンちゃんと暮らすのを諦める必要はありません。アレルギーの原因を正しく理解して体質に合った犬種を選び、日々の生活で適切に対策することがポイントです。アレルギーのリスクを管理すれば、豊かなペットライフを送れるでしょう。

この記事で紹介した情報を参考に、ぜひあなたと家族にぴったりのパートナーを見つけてください。

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