【ペットのお悩み相談室】散歩中、いつも途中で歩かなくなります

しつけ・お悩み 2023.08.31

散歩中、いつも途中で歩かなくなります

2歳のトイプードルのことなのですが、いつもお散歩途中で歩かなくなります。散歩に出かける際はノリノリなのですが、調子よく歩いていたのに急に立ち止まり頑として動かなくなります。何が原因なのでしょうか。(トイプードル2歳)

ドッグトレーナーの回答

ワンちゃんがお散歩途中で歩かなくなるのには、大きく分けて以下のような理由が考えられます。

1. 恐怖心

以前その道を通った時に、苦手なワンちゃんに吠えられたり、バイクが大きな音を鳴らしながら通り過ぎたりということはありませんか?飼い主さんが覚えていないようなそんな出来事も、ワンちゃんはしっかり覚えていることが多くあります。その時の出来事、本能的に怖いと感じた瞬間のことを思い出し、立ち止まっている可能性があります。

この場合の対処法としては、無理をせずにお散歩コースを変える方法もあります。怖い思い出がある場所をわざわざ頑張って通る必要もないのです。

そうはいっても、この道を通らないとすごく遠回りになる、なんていう事情もあるかもしれません。そんな時はおやつを用いて苦手意識を薄めるトレーニングを行いましょう。

ワンちゃんが何かを発見したり思い出して、恐怖心から立ち止まってしまったならば、まずはワンちゃんの鼻先におやつをもっていってください。そうして気をそらしながらその苦手な場所を通り過ぎましょう。そしてすぐに褒めておやつを与えてあげてください。これを繰り返すことで苦手意識が徐々に和らいでいきます。

2. 自己主張

毎日お散歩に行く場合、なんとなく愛犬の好みのコースがわかってきたのではないでしょうか。特にマーキングを覚えてしまっている場合は、この道じゃなくて向こうの道に好きな電柱があるんだ!なんて、自己主張をしている可能性があります。

こういう時に飼い主さんが仕方ないなぁとワンちゃんに従ってしまうと、次回以降も自分の要求が通ることを覚えてしまいます。その道は行かないよ、と指示する飼い主さんに唸ったり吠えたり、反抗的な態度をとるかもしれません。

このような場合は、ワンちゃんの主張を受け入れずに、断固として一貫した態度をとることが必要です。疲れている日などは、ワンちゃんの好きなようにさせようか、なんて思ってしまいがちなのですが、それをしてしまうと、この前はよいって言ったのに、なんで今回はダメなの?と、より一層自己主張が強くなります。

こういう時は、リードを無理に引っ張ったりせずに、目線を合わせて話しかけたり、少しその場で休憩をさせたら、気持ちが切り替わってすっと歩き出すことも多いものです。

飼い主さんが指示した方向に一緒に歩き出せたときは、たくさんほめておやつをあげるようにしてください。主張を受け入れないでいると、徐々に主張する機会が減っていきます。

3. 甘え

まだ全然距離を歩いておらず、疲れていないけれど、抱っこしてほしいというケースです。甘えたら飼い主さまが「仕方ないわね」と抱き上げてくれるのを承知で実施している確信犯です。

この場合は、絶対に抱っこをしてはいけません。 一度抱っこをしてしまうと、すぐに「甘えれば抱っこしてもらえる」と学習しどんどん歩かない子になってしまいます。

仮に抱っこする場合であっても、「数メートルでもいいので自らの足で歩かせてたごほうび」にするようにしてください。

お散歩は運動量の確保という面が大きいと思われがちですが、外の世界に慣れる社会化や外に出ることで気分転換をしたり、飼い主さまとのコミュニケーションという面も非常に大きいのです。健康維持のためにも、愛犬の心もしっかり満たしてあげるようにしましょう。

4. 疲れ

シニアになったり、持病があったりすると、以前歩けていた距離でもすぐに疲れてしまうことがあります。 おおよそ8歳以上になると徐々に筋力が低下し、持久力も落ちてきます。無理に長時間を歩かせる必要はないので、足腰や心臓に負担をかけない程度で、愛犬が座り込んだら、どこかでしばらく休憩をしたり、自宅へ帰るなどお散歩を切り上げましょう。

5. ケガや体の痛み

そのほか、子犬の場合もケガや体の痛みから歩きたがらないことがあります。足を引きずっていたり、動きがいつもと違うなどはありませんか?また、腰や足などを触った際に「キャン」と痛そうに鳴く場合は、強い痛みがあると考えられます。すぐに動物病院を受診しましょう。

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