【ペットのお悩み相談室】子犬がトイレシーツを食べます

しつけ・お悩み 2023.08.31

子犬がトイレシーツを食べます

3か月の子犬です。まだトイレが完ぺきではなくトレーニング中なのですが、トイレシーツを引っ張り出して食べてしまうときがあります。やめさせる方法はありますか?(トイプードル3カ月)

ドッグトレーナーの回答

トイレシーツの素材は、吸水性ポリマーでできています。 それ自体は体に害があるものではありませんが、水分を吸うため、消化管内にとどまり腸閉塞を引き起こす可能性があります。

トイレシーツを引っ張り出して、飲み込んでしまう場合は、メッシュ素材や金属のトイレトレーにすることで、簡単にはトイレシートを引っ張り出すことができないため、この行動自体は防止することが可能です。

しかしながら、それ自体はあくまで対症療法でしかなく、子犬がペットシーツを食べてしまう根底の原因と向き合わなければなりません。

子犬の「トイレシーツを食べる」という行動には、主に以下のような背景があるといわれています。

1. 退屈

いわゆる暇つぶし行為です。トイレシートをびりびりに破っていたずらをすることで、退屈しのぎをして、運動不足の解消やストレス発散をしていると考えられています。その際に、少量も口に含んで食べてしまうことがあります。

2. 不安やストレス

飼い主さんの帰宅が遅かったり、留守番の時間が長くて寂しさを感じているときに、その不安感や心細さを紛らわせるために、トイレシートを引っ張り出して、びりびりにしていることが考えられます。

3. 気を引きたい

初めてトイレシーツをびりびりにしたとき、飼い主さまに怒られたり声をかけられた経験を、飼い主さんがかまってくれた!と学習しているパターンです。あえてイタズラをしています。その根底には寂しさやコミュニケーション不足があることも多いです。

4. 常同障害

自分の意思に反してある考えが頭に浮かんで離れず(強迫観念)、その強迫観念で生まれた不安を振り払おうと何度も同じ行動を繰り返してしまうこと(強迫行為)をいいます。ワンちゃんの場合は、自分の尻尾を追いかける、ぐるぐる同じ場所を歩き回る、ケージの金網をかじり続ける、トイレシートを食べてしまう、などの行動が多いと報告されています。

飼い主さんが不在の間に、トイレシートを噛み、そのうち少量を飲み込んでしまう、という行動は、ほとんどのケースが①-③に当たります。 一方で、飲み込んでいる量が大量であったり、いくら対策をしても執拗にトイレシーツにこだわっている場合は、④の常同障害の可能性があります。

①-③については、スキンシップをとる時間を増やす、お散歩の時間を増やす、ケージ内でもある程度運動ができるようにサイズをあげる、など、ワンちゃんとの接し方を見直したり、ワンちゃんの住環境や飼い主様ご自身の生活スタイルを少し変える必要があるかもしれません。1日30分でもよいので、ワンちゃんとスキンシップをとる時間を作ってあげてください。

どうも④に当てはまりそう、という場合は、素人がどうにかしようとしても治るものではなく、専門医に見てもらう必要があります。抗うつ剤などの薬剤による治療と並行して生活環境の改善を行います。


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