【ペットのお悩み相談室】老犬が吠えるようになってきました

しつけ・お悩み 2023.09.29

老犬が吠えるようになってきました

ミニチュアダックスフンド、10歳になります。とても大切な家族です。

もともと警戒心は強く吠えやすい子でしたが、最近更に吠えるようになってきました。本当にちょっとした物音に反応して吠えることはもちろん、眠い時などは明らかに機嫌が悪くなり、何かを言いたそうに吠えています。

夕方はきまって機嫌が悪く、抱っこしてないと吠え続けています。旦那とは「認知症じゃないか」と話しているのですが、さすがに10歳で認知症はないかなと‥これってよくあることなのでしょうか。(ミニチュアダックスフンド 10歳)

ドッグトレーナーの回答

若いときは全然吠えなかったのに、年齢を重ねるにつれて無駄吠えが増えるということは、多くのワンちゃんで見られます。

その主な原因としては警戒心の増大です。

人間同様に、ワンちゃんも年を重ねるにつれて、聴力や嗅覚が鈍くなります。今までは感じ取れていたものを感じることができなくなり、その結果、恐怖や不安を感じやすくなり、警戒心が強まるのです。

例えば、触られると嫌がって吠えることがあります。これもシニアになり感覚が鈍くなることが原因です。昔から慣れ親しんでいる飼い主さまの優しい手も、すぐには分からず”急に頭や体の上に何かが触れた””怖い!”そんな思いから警戒して吠えています。

これについては、子犬の警戒吠えへの対応と同じです。怖くない、安心していいよということを飼い主さまがその都度伝えてあげましょう。ワンちゃんが落ち着くまで優しく声を掛けつづけましょう。また、触れる前には必ず声を掛けるようにしてください。

そのほか、飼い主さまを呼ぶために吠えることもあります。目も耳も悪くなり、飼い主さまがどこにいるのかわからず、不安な気持ちから、「自分のもとに来てほしい」と吠えて呼んでいるのです。

これについては、愛犬が安心できるように、同じ部屋で過ごす時間を増やしてあげることです。ご自宅にいられるときは、極力同じ部屋で過ごすようにしましょう。もちろん夜、眠るときも一緒です。お留守番をお願いする際も、飼い主さまの匂いが付いたお洋服や毛布などを与えて安心させてあげてください。

また、歩いてのお散歩は難しくとも、バギーに乗せて陽の光を浴びたり、身体をマッサージをしてあげたりと、生活のなかで適度な刺激を与えてあげてください。これによって充足感を得て、ゆっくり眠ってくれるようになります。

あまりに一日中吠えているという場合は、病気で体に痛みを感じていたり、認知症の可能性もあります。動物病院で診断してもらいましょう。

人間の介護同様、ワンちゃんの介護も大変つらく根気がいりますが、この年齢まで元気でいてくれた愛犬の勲章として受け入れ、寄り添っていけるといいですね。それがペットを家族として迎え入れた人間の責任です。


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