キャバリアがなりやすい病気 症状と予防法、治療費目安をチェック

病気・健康 2023.10.24

目次

  1. キャバリアの健康と寿命
  2. なりやすい病気1. 短頭種気道症候群
  3. なりやすい病気2. 僧帽弁閉鎖不全症
  4. なりやすい病気3. 乾性角結膜炎
  5. 治療方法と治療費目安

1. キャバリアの健康と寿命

キャバリアの平均寿命は9歳~14歳と言われており、他の小型犬に比べると比較的寿命が短い犬種です。鼻先が短いため、短頭種気道症候群にかかりやすいほか、僧帽弁閉鎖不全症などを代表する心疾患にかかりやすい傾向があるので注意が必要です。

このように、犬種の骨格や遺伝的な要素によっても、特になりやすい傾向がある病気はいくつか存在します。こちらの記事では、キャバリアがなりやすいといわれている病気についてや症状、予防方法などについてご紹介します。

2. なりやすい病気①「短頭種気道症候群」

鼻の穴が狭く気管が細い、ブルドッグ、ペキニーズ、パグ、キャバリアなどの短頭種に多く見られます。咳をしたり、ゼーゼーガーガーと呼吸が苦しそうな様子や、鼻づまり、よく吐く、下痢をしやすいといった、呼吸器と消化器症状がみられる病気です。

短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)の症状

口を閉じて呼吸をするときにズーズー、ブーブーといった音や、逆に口を開けて呼吸をするときにガーガーといった異常な呼吸音がします。また、眠っているときにいびきをかいたり、呼吸が苦しそう、運動を始めてもすぐに息があがる、運動後失神するなどの症状がみられます。

短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)の予防方法

短頭種は人為的に鼻が短くなるように作られました。短頭種気道症候群は、その生まれつきの構造や異常により引き起こされています。

このように生まれ持った特徴から引き起こされる疾患のため、何よりリスク要因の除去が大切です。肥満や興奮、高温は呼吸器への負担が増えます。

常日頃から適正な体重を保つためカロリーオーバーにならない食事管理に注意を払い、安静をとりつつ、涼しい環境での管理を心がけましょう。

3. なりやすい病気②「僧帽弁閉鎖不全症」

心臓の左心房と左心室を仕切っている弁に異常が生じ、弁の閉鎖が上手くできなくなる病気です。

弁がきちんと閉まらないため、心室から心房へ血液が逆流するようになります。血液の逆流量が増えると全身に血液をうまく送りだすことが出来ず、少しずつ心臓に血液が滞るため心拡大が進行し、最終的に肺に水が溜まります。

僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)の症状

初期の症状はほとんどなく、少し疲れやすくなったり、咳が出やすくなります。

進行していくと、咳が頻繁になり、散歩中にすぐ疲れてしまう、舌の色が紫色になる、寝てる時間が増えた等の症状がみられるようになります。更に進行すると、肺水腫や失神などを起こすようになります。

僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)の予防方法

僧帽弁閉鎖不全症を予防することはできません。しかし、好発犬種で5歳以上であれば1年に1回は定期健診をお勧めします。また動物病院で心雑音が指摘されているようであれば、心臓の精密検査を受診するようにしてください。

4. なりやすい病気③「乾性角結膜炎」

乾性角結膜炎とは、涙の量や質が低下して起こる慢性的な眼疾患です。人ではドライアイといわれていますが、ワンちゃんでも同様によくみられる病気です。

乾性角結膜炎の症状

軽度な場合、症状はほとんどありません。ねばついた黄緑色の目ヤニがベッタリと絡み、目が開かない、目をまぶしそうに閉じる、角膜に黒くモヤがかかったように見える、白目が赤い、などが良くみられる症状です。

症状が進行すると目の違和感が増し、角膜の色素沈着で視力が低下したり失明することがあります。

乾性角結膜炎の予防方法

決定的な予防法はありませんが、部屋を加湿して目の乾燥を防ぎ、まぶたを温め、やさしくマッサージすることで涙の油分の分泌を促し、涙の蒸散を防ぐことが可能です。

5. 治療方法と治療費目安

短頭種気道症候群 内科療法:通院1回あたり3,000円~6,000円程度。重症になると酸素吸入の処置等(1回あたり3,000〜5,000円程度)が必要になるため、一生涯にかかる治療費は安価とは言えないでしょう。

外科療法:外科手術を行う場合、外鼻孔拡張術で2万円〜5万円、軟口蓋切除術 4万円〜8万円程度が目安で、これらは同時に行うことが多いので、術前検査、入院、手術、術後検診などをあわせて20万円~30万円という相場のようです。
僧帽弁閉鎖不全症 内科療法:無治療で経過観察の場合には、3ヶ月に1回の検査代に1万円~2万円ほどかかります。投薬治療を開始した場合には、1-2ヶ月に1回の検査代で1万円~2万円、1ヶ月分の内服代は1万円-2万円程度となります。

外科療法:循環器専門病院での外科手術を実施する場合には、術前検査、手術、入院、術後検査などをあわせて250万円ほどかかる場合があります。
乾性角結膜炎 内科療法:週に1回の通院だとして1回あたり2,000円~5,000円程度。1か月1-2万円程度は掛かります。

外科療法:外科手術については症例が少なく費用の相場がわかりかねますが、50万円~80万円程度はかかるとお考え下さい。


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