ミニチュア・ピンシャーがなりやすい病気 症状と予防法、治療費目安をチェック

病気・健康 2023.10.24

目次

  1. ミニチュア・ピンシャーの健康と寿命
  2. なりやすい病気1.膝蓋骨脱臼
  3. なりやすい病気2. 膿皮症
  4. なりやすい病気3. レッグ・ペルテス病
  5. 治療方法と治療費目安

1. ミニチュア・ピンシャーの健康と寿命

ミニチュア・ピンシャーの平均寿命は12歳~15歳と言われており、小型犬として平均的な部類に入るといえます。

特に体が弱いということはありませんが、皮膚病にかかりやすい犬種です。命にかかわることが少ない皮膚疾患ですが、重症化すると長引くことから、早期発見、早期治療を心がけましょう。

このように、犬種の骨格や遺伝的な要素によっても、特になりやすい傾向がある病気はいくつか存在します。こちらの記事では、ミニチュア・ピンシャーがなりやすいといわれている病気についてや症状、予防方法などについてご紹介します。

2. なりやすい病気①「膝蓋骨脱臼」

膝のお皿が本来あるべきところから横方向にずれてしまうことで、後ろ足の膝関節に力が入らなくなり、歩き方に異常が出る病気です。

すべての犬種で脱臼が起こる可能性がありますが、中でもトイプードルやチワワ、ヨークシャテリアなどの小型犬は特に脱臼しやすい傾向があります。また、女の子の方が発症しやすく、発症率は男の子の約1.5倍だと言われています。

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)の症状

初期の場合は痛みが発生しないこともあるため、脱臼に気付けないことが多々あります。

症状が進行するに伴い、足を浮かせる頻度が増えたり、時間が長くなったりします。また、立っているときに膝をガクガク震えさせたり、遊んでいる最中に急にキャンキャン鳴いて痛がることも多いです。

脱臼は膝関節全体にダメージを与えており、骨へのダメージが蓄積すると骨の変形を、関節へのダメージが蓄積すると関節炎を起こし、最終的には歩けなくなることもあります。

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)の予防方法

先天的な原因で発症するのは防ぐことができませんが、日常生活の環境を整えることでリスクはぐんと減らすことが可能です。

床にカーペットを敷くなどして滑らないようにする、爪切りや足裏の毛のカットで滑らないようにする、高いところからジャンプをさせないようにする、高い場所に上ってしまわないように家具の配置に気を付けるようにしましょう。

そのほか、抱っこしたときに落としてしまわないようにする、ドッグランなどで急な方向転換など膝に負担がかかる運動は避けさせる、肥満にならないようにする、など膝に負担をかけないように気をつけましょう。

3. なりやすい病気③「膿皮症」

膿皮症は、ワンちゃんの皮膚にいる常在菌の一つ「ブドウ球菌」が、異常に増殖してしまったために、皮膚に湿疹ができる病気です。皮膚の抵抗力が下がったときに発症し、どの犬種でも起こります。

膿皮症(のうひしょう)の症状

最初は皮膚が部分的に赤くなったり、ニキビのようなものができます。症状が進行すると、赤い発疹や、中心に膿を持つ発疹が形成され、かゆみや脱毛を伴うこともあります。下腹部や内股・背側によく起こるといわれています。

膿皮症(のうひしょう)の予防方法

膿皮症は皮膚に常在するブドウ球菌感染が主な原因となり、皮膚の抵抗力が下がったときに発症しやすくなります。

抵抗力を下げないように、良質なドッグフードを十分に与えることや、快適な温度、湿度管理、定期的なシャンプーなどが重要になります。

4. なりやすい病気③「レッグ・ペルテス病」

レッグ・ペルテス病(別名:レッグ・パーセス病)は、太ももの骨と骨盤を連結している大腿骨頭への血行が悪くなり、大腿骨の骨頭が壊死してしまう病気です。

レッグ・ペルテス病がよく起こる犬種は、トイ・プードルやウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、パグ、ポメラニアン、ミニチュアピンシャーなどで、大型犬での発症はまれです。主に3~13ヵ月齢の成長期に発症するケースが多いです。

レッグ・ペルテス病の症状

股関節の痛みがあるため、歩き方に異常が現れます。歩き方がおかしい、足をかばうように歩く、体重が乗らないように足先だけちょこんと地面につけて立つ、足を上げたまま3本足で歩くなどの症状がみられます。

9割近くで片足のみに発生するため、いつも同じ方の足をあげているということが多いです。症状が進行してくると少しずつ足の着きが弱くなり、後ろ足を伸ばした時に嫌がったり、さらに悪化すると完全に後ろ足が着かなくなります。

レッグ・ペルテス病の予防方法

発症の原因がはっきりわかっていないため、明確な予防法はありません。1歳を迎えるまでに発症することが多いので、常日頃から歩き方を観察して、少しでも異常を感じたら早めに専門家に相談しましょう。

5. 治療方法と治療費目安

膝蓋骨脱臼 内科療法:通院1回あたり3,000円~10,000円程度。年間6万円~10万円程度掛かります。

外科療法:術前検査、入院、手術、術後検診などをあわせて20万円~40万円程度
膿皮症 内科療法:症状が軽い場合ならば、治療期間は約1か月、週に1度の通院として、1回あたり2,000円~6,000円程度(診察料、内服薬)。完治まで12,000円~20,000円程度かかります。

シャンプーは1本、1,500円〜3,000円程度と、治療が長期にわたるにつれ高額となるケースが多いです。
レッグ・ペルテス病 内科療法:内科的治療では完治が困難なため、ほとんどすべての子が外科的治療を受けることとなります。ただ、すぐには手術を受けずに定期的な通院を行い内科的治療を行う場合、月に2回の通院だとして1回あたり3,000円~10,000円程度かかります。

外科療法:通常、2,3か月様子を見て改善がみられない場合は早急に外科手術を行うことが多いのですが、術前検査、入院、手術、術後検診などをあわせて20万円~30万円という相場のようです。


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