シーズーがなりやすい病気 症状と予防法、治療費目安をチェック

病気・健康 2023.10.24

目次

  1. シーズーの健康と寿命
  2. なりやすい病気1. 気管虚脱
  3. なりやすい病気2. 短頭種気道症候群
  4. なりやすい病気3. 僧帽弁閉鎖不全症
  5. 治療方法と治療費目安

1. シーズーの健康と寿命

シーズーの平均寿命は10歳~16歳と言われており、小型犬の中でも比較的長寿であるといえます。決して身体が弱いわけではありませんが、「気管虚脱」になりやすい傾向があるといわれており、注意が必要です。

このように、犬種の骨格や遺伝的な要素によっても、特になりやすい傾向がある病気はいくつか存在します。こちらの記事では、シーズーがなりやすいといわれている病気についてや症状、予防方法などについてご紹介します。

2. なりやすい病気①「気管虚脱」

気管虚脱とは、呼吸をする際に、肺への空気の出し入れを行う気管が変形してしまい、呼吸が出来なくなる病気です。小型犬に多い疾患で、中高齢での発生率が高いとされていますが、若齢のワンちゃんでも見られます。

気管虚脱の症状

症状は、最初は軽い咳から始まって、喉につっかえるような咳、吐き戻すような動作、豚のような呼吸、ガーガーとガチョウが鳴くような呼吸などと進行して行きます。特に、興奮時や運動時に症状が現れることが多いです。症状が進行すると、呼吸困難を起こします。

気管虚脱の予防方法

遺伝的素因が関係していると考えられており、予防することは難しいですが、首回りを圧迫しないように肥満を防止したり、激しい運動や興奮を防いだりなどに気をつけることが、症状の悪化防止に有効だと考えられます。

3. なりやすい病気②「短頭種気道症候群」

鼻の穴が狭く気管が細い、ブルドッグ、ペキニーズ、パグ、ボストンテリアなどの短頭種に多く見られます。咳をしたり、ゼーゼーガーガーと呼吸が苦しそうな様子や、鼻づまり、よく吐く、下痢をしやすいといった、呼吸器と消化器症状がみられる病気です。

短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)の症状

口を閉じて呼吸をするときにズーズー、ブーブーといった音や、逆に口を開けて呼吸をするときにガーガーといった異常な呼吸音がします。また、眠っているときにいびきをかいたり、呼吸が苦しそう、運動を始めてもすぐに息があがる、運動後失神するなどの症状がみられます。

短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)の予防方法

何よりリスク要因の除去が大切です。肥満や興奮、高温は呼吸器への負担が増えます。常日頃から適正な体重を保つためカロリーオーバーにならない食事管理に注意を払い、安静をとりつつ、涼しい環境での管理を心がけましょう。

4. なりやすい病気③「僧帽弁閉鎖不全症」

心臓の左心房と左心室を仕切っている弁に異常が生じ、弁の閉鎖が上手くできなくなる病気です。

弁がきちんと閉まらないため、心室から心房へ血液が逆流するようになります。血液の逆流量が増えると全身に血液をうまく送りだすことが出来ず、少しずつ心臓に血液が滞るため心拡大が進行し、最終的に肺に水が溜まります。

僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)の症状

初期の症状はほとんどなく、少し疲れやすくなったり、咳が出やすくなります。

進行していくと、咳が頻繁になり、散歩中にすぐ疲れてしまう、舌の色が紫色になる、寝てる時間が増えた等の症状がみられるようになります。更に進行すると、肺水腫や失神などを起こすようになります。

僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)の予防方法

僧帽弁閉鎖不全症を予防することはできません。しかし、好発犬種で5歳以上であれば1年に1回は定期健診をお勧めします。また動物病院で心雑音が指摘されているようであれば、心臓の精密検査を受診するようにしてください。

5. 治療方法と治療費目安

気管虚脱 内科療法:咳止めの薬や器官を拡張する投薬治療を行う場合、月に2回の通院だとして1回あたり5,000円~10,000円程度。毎日の服薬に定期的な検査を行うとなると年間20万円程度掛かります。

外科療法:重度の場合はステント(網目状の筒)を挿入する外科手術を行いますが、外科手術の費用は、軽度の症状で30万円、重度の症状で約70万円ほどかかります。
短頭種気道症候群 内科療法:無治療で経過観察の場合には、3ヶ月に1回の検査代に1万円~2万円ほどかかります。投薬治療を開始した場合には、1-2ヶ月に1回の検査代で1万円~2万円、1ヶ月分の内服代は1万円-2万円程度となります。

外科療法:外科手術を行う場合、外鼻孔拡張術で2万円〜5万円、軟口蓋切除術 4万円〜8万円程度が目安で、これらは同時に行うことが多いので、術前検査、入院、手術、術後検診などをあわせて20万円~30万円という相場のようです。
僧帽弁閉鎖不全症 内科療法:無治療で経過観察の場合には、3ヶ月に1回の検査代に1万円~2万円ほどかかります。投薬治療を開始した場合には、1-2ヶ月に1回の検査代で1万円~2万円、1ヶ月分の内服代は1万円-2万円程度となります。

外科療法:循環器専門病院での外科手術を実施する場合には、術前検査、手術、入院、術後検査などをあわせて250万円ほどかかる場合があります。


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