ラグドールがなりやすい病気 症状と予防法、治療費目安をチェック

病気・健康 2023.10.27

目次

  1. ラグドールの健康と寿命
  2. なりやすい病気1.肥大型心筋症
  3. なりやすい病気2.尿路結石症
  4. なりやすい病気3.慢性腎不全
  5. 治療方法と治療費目安

1. ラグドールの健康と寿命

ラグドールの平均寿命は13歳~15歳と言われており、ごく平均的な寿命であるといわれています。あまり大病はかからないといわれていますが、なりやすい病気の代表としては、尿路結石症が挙げられます。そのほか心疾患の一つである肥大型心筋症についても好発品種として知られています。

このように、品種の骨格や遺伝的な要素によっても、特になりやすい傾向がある病気はいくつか存在します。こちらの記事では、ラグドールがなりやすいといわれている病気についてや症状、予防方法などについてご紹介します。

2. なりやすい病気①「肥大型心筋症」

心筋症とは、心臓の筋肉(心筋)そのものに異常が出てくる病気です。

その中でも心筋が分厚くなる病気が肥大型心筋症です。肥大型心筋症では心筋が分厚くなり心室が狭くなると同時に、柔軟性が低下するため心臓がうまく膨らむことができなくなり、その結果全身に十分な血液を送ることができなくなります。

肥大型心筋症の症状

症状も無く身体検査で偶然見つかるケースもあれば、呼吸困難を起こし救急で運ばれて発覚するケースもあります。

ネコちゃんの肥大型心筋症は有病率約15%ととても高く、発症年齢も3ヶ月から17歳と幼少期から高齢の猫までとても幅広いことが特徴です。

肥大型心筋症の予防方法

残念ながら明確な予防法がありません。肥大型心筋症はネコちゃんに非常に多く見られ、またかなり幼少期から発症する可能性があるとても怖い病気です。

診断も容易ではないことから、心臓のエコー検査を含めた定期的な全身の健康診断を受診することをお勧めします。

3. なりやすい病気②「尿路結石症」

尿路結石症(にょうろけっせきしょう)とは、膀胱や尿道に砂や石のような物質(結石)がたまってしまう病気です。

結石が存在する部位によって、腎結石、膀胱結石、尿道結石などと分類されることもあります。

尿路結石症の症状

結石に刺激されることによって膀胱が傷ついて痛みが出たり、おしっこがしにくくなったりします。

また、発熱や食欲不振など全身的な症状が出ることがあります。特に尿道に詰まり、おしっこが全く出なくなると、尿毒症を起こしたり、膀胱破裂、腎機能障害などを引き起こすこともあります。閉塞した状態が長く続くと命にかかわることもあります。

尿路結石症の予防方法

基本的な予防としては、水分をたくさん取らせ、おしっこの回数と量を増やすことです。ドライフードからウェットフードに切り替えることも効果的といわれています。

ミネラル成分を調整して、結石のできにくい体質にすることで、結石のできる原因のひとつである尿路感染症の予防をすることができます。

4. なりやすい病気③「慢性腎不全」

慢性腎不全とは、腎障害があり、持続的な糸球体ろ過量の低下が3ヶ月以上続いている病気です。

糸球体とは、腎臓の毛細血管が毛玉のように絡み合った構造で、血液をろ過しています。糸球体を含む腎臓の組織に何らかの異常が起こると、腎臓の機能が徐々に低下していきます。

慢性腎不全の症状

水を飲む量が増える、尿の量が増える(多飲多尿といいます)、食欲低下、体重減少、嘔吐、脱水、貧血、口内炎などが一般的です。また、腎性高血圧から眼や脳、心血管系に異常をきたすケースもよく見られます。

慢性腎不全の予防方法

慢性腎不全は確実な予防法がありません。そのため、できるだけ早期に病気を発見して、必要なタイミングで治療に入れるようにすることが大事です。

高齢の子で最近水を飲む量や尿の量が増えた、という場合は獣医師に相談するようにしてください。

5. 治療方法と治療費目安

肥大型心筋症 残念ながら有効な治療法はなく、ステロイド剤の免疫抑制療法(強心薬、β遮断薬やCaチャネル拮抗薬)と血栓塞栓症の予防薬の投与により、症状をコントロールする維持治療が一般的です。

月に2回の通院だとして1回あたり3,000円~8,000円程度。毎日の服薬に定期的な検査を行うとなると年間5万円~12万円程度掛かります。
尿路結石症 内科療法:食事療法を行いながら、利尿剤などでの排尿促進や抗生物質投与投薬治療を行い、結石が自然に排出されるのを待つ場合は、週に1回の通院だとして1回あたり3,000円~6,000円程度。エコー検査により完治が確認されるまでの期間、毎月2万円程度掛かります。

外科療法:内科治療では十分でなく、外科手術での摘出が必要となる場合は、15万円~20万円ほどかかります。
慢性腎不全 食事療法と皮下輸液(注射)で経過観察をしながら定期的に通院するケースが多いのですが、週に1回の通院だとして1回あたり3,000円~6,000円程度(診療費+注射)。

症状の進行度合いによっては、毎日服薬が必要となり、療法食と合わせて毎月2万円~程度掛かります。


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