ラガマフィンがなりやすい病気 症状と予防法、治療費目安をチェック

病気・健康 2023.10.27

目次

  1. ラガマフィンの健康と寿命
  2. なりやすい病気1.毛球症
  3. なりやすい病気2.多発性嚢胞腎
  4. なりやすい病気3.肥大型心筋症
  5. 治療方法と治療費目安

1. ラガマフィンの健康と寿命

ラガマフィンの平均寿命は10歳~13歳と言われており、他の品種に比べると若干ですが寿命が短いといわれています。決して身体が弱いわけではありませんが、長毛種であることから、毛球症という、毛づくろいをしたときに少しずつ飲み込んだ毛がうまく吐き出せず消化器官に残ってしまう病気になりやすいことで知られています。

このように、品種の骨格や遺伝的な要素によっても、特になりやすい傾向がある病気はいくつか存在します。こちらの記事では、ラガマフィンがなりやすいといわれている病気についてや症状、予防方法などについてご紹介します。

2. なりやすい病気①「毛球症」

毛球症(もうきゅうしょう)とは毛づくろいをしたときに少しずつ飲み込んだ毛がうまく吐き出せず消化器官に残ってしまい、胃や腸でさまざまな症状を起こす病気です。

毛球症の症状

ほとんどの場合無症状で、たまに嘔吐する程度です。胃の中で限界量を超えてくると、食欲不振、頻繁な吐き気、便秘、お腹を触られると怒るなどの症状が現れます。

重症化した場合は腹膜炎を起こして発熱し、ぐったりと元気がなくなります。腸閉塞の症状は緊急性がありますので、早めに動物病院を受診しましょう。

毛球症の予防方法

最も効果的な予防方法としては、こまめなブラッシングを行うことです。毛球をほぐしたり、毛玉を作りにくくする毛球除去剤を投与しても良いでしょう。猫草を与えたり、高繊維な食事を与えたりすることは、毛の便への排泄を促してくれます。

3. なりやすい病気②「多発性嚢胞腎」

腎臓に多数の嚢胞(のうほう=液体などがたまった袋状の構造)ができ、腎機能が徐々に低下していく遺伝性の病気が多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)です。

ペルシャ猫や、ペルシャ猫と血縁関係のあるネコちゃんに多く見られますが、アメリカン・ショートヘアや雑種のネコちゃんなどでみられることもあります。多くの場合、3歳から10歳くらいまでの間に腎不全の症状が見られるようになります。

多発性嚢胞腎の症状

多飲多尿、食欲不振、嘔吐、脱水、貧血といった慢性腎臓病と同様の症状がみられます。多くは3歳から10歳くらいまでの間にこのような症状があらわれます。

一方で、この病気の進行はたいへんゆっくりで、腎機能も徐々に低下していくことにより、体が順応してしまうため、状態が進むまで目立った症状がみられない場合もあります。

多発性嚢胞腎の予防方法

遺伝性の先天的な病気のため、残念ながら予防法はありません。ペルシャ系やアメリカン・ショートヘアなど、この病気がよく見られる猫種の場合は、幼い頃から注意を払い、気になる症状がみられるようであれば早めに受診しましょう。

4. なりやすい病気③「肥大型心筋症」

心筋症とは、心臓の筋肉(心筋)そのものに異常が出てくる病気です。その中でも心筋が分厚くなる病気が肥大型心筋症です。

肥大型心筋症では心筋が分厚くなり心室が狭くなると同時に、柔軟性が低下するため心臓がうまく膨らむことができなくなり、その結果全身に十分な血液を送ることができなくなります。

肥大型心筋症の症状

症状も無く身体検査で偶然見つかるケースもあれば、呼吸困難を起こし救急で運ばれて発覚するケースもあります。

ネコちゃんの肥大型心筋症は有病率約15%ととても高く、発症年齢も3ヶ月から17歳と幼少期から高齢の猫までとても幅広いことが特徴です。

肥大型心筋症の予防方法

残念ながら明確な予防法がありません。肥大型心筋症はネコちゃんに非常に多く見られ、またかなり幼少期から発症する可能性があるとても怖い病気です。

診断も容易ではないことから、心臓のエコー検査を含めた定期的な全身の健康診断を受診することをお勧めします。

5. 治療方法と治療費目安

毛球症 内科療法:症状が軽い場合、毛球除去剤やサプリメントの処方により、便とともに毛の排出を促す内科的治療となります。この場合、通院1回あたり3,000円~5,000円程度掛かります。

外科療法:内科的治療に反応しない場合や症状が進んでいる場合、や、腸を切開する開腹手術により、直接毛玉を取り出す必要があります。その場合、CT検査や術前検査、入院、手術、術後検診などをあわせて20万円~30万円あたりが相場のようです。
多発性嚢胞腎 残念ながら有効な治療法はなく、セミントラなどの慢性腎臓病治療薬の投与や、血圧降下剤、吐き気や嘔吐をお抑える制吐剤などにより、症状をコントロールする維持治療が一般的です。

月に2回の通院だとして1回あたり8,000円~10,000円程度。年間10万円~15万円程度掛かります。
肥大型心筋症 残念ながら有効な治療法はなく、ステロイド剤の免疫抑制療法(強心薬、β遮断薬やCaチャネル拮抗薬)と血栓塞栓症の予防薬の投与により、症状をコントロールする維持治療が一般的です。

月に2回の通院だとして1回あたり3,000円~8,000円程度。毎日の服薬に定期的な検査を行うとなると年間5万円~12万円程度掛かります。


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