サイベリアンがなりやすい病気 症状と予防法、治療費目安をチェック
目次
1. サイベリアンの健康と寿命
サイベリアンの平均寿命は10歳~15歳と言われており、ごく平均的な長さであるといわれています。なりやすい病気としては、まずは肥大型心筋症が挙げられます。中高齢期になると一気に発症のリスクが高まり、手術が必要なケースもありますので、注意が必要です。このように、品種の骨格や遺伝的な要素によっても、特になりやすい傾向がある病気はいくつか存在します。こちらの記事では、サイベリアンがなりやすいといわれている病気についてや症状、予防方法などについてご紹介します。
2. なりやすい病気①「口内炎」
ネコちゃんの口内炎は”歯肉口内炎”ともよばれ、歯肉や口の中の粘膜部分において炎症・潰瘍を起こしてしまう病気です。部分的に発症することもありますが、広範囲に口内炎ができることもあります。
口内炎の症状
ネコちゃんが口内炎に掛かると、よだれが出る、口腔内の潰瘍、出血、毛づくろいができないため毛艶が悪くなる、口臭が強くなる、口の中が痛いため固いフードが食べられなくなり食欲不振になる、などの症状がみられます。口内炎は激しい痛みを伴う病気で、重症化すると、歯肉や粘膜からの出血を起こし、食事を取る事が困難になります。
口内炎の予防方法
口内炎の効果的な予防は何と言っても日ごろの歯磨きです。口の中にばい菌を増殖させないよう、口の中はいつも綺麗にしてあげましょう。ペット用歯ブラシとペーストを用意して歯磨きをするのが理想です。また基礎疾患が原因で口内炎を発症するケースも多いので、日ごろからネコちゃんの様子を観察し、定期的に健康診断を受けることをお勧めします。
3. なりやすい病気②「尿路結石症」
尿路結石症(にょうろけっせきしょう)とは、膀胱や尿道に砂や石のような物質(結石)がたまってしまう病気です。結石が存在する部位によって、腎結石、膀胱結石、尿道結石などと分類されることもあります。
尿路結石症の症状
結石に刺激されることによって膀胱が傷ついて痛みが出たり、おしっこがしにくくなったりします。また、発熱や食欲不振など全身的な症状が出ることがあります。特に尿道に詰まり、おしっこが全く出なくなると、尿毒症を起こしたり、膀胱破裂、腎機能障害などを引き起こすこともあります。閉塞した状態が長く続くと命にかかわることもあります。
尿路結石症の予防方法
基本的な予防としては、水分をたくさん取らせ、おしっこの回数と量を増やすことです。ドライフードからウェットフードに切り替えることも効果的といわれています。ミネラル成分を調整して、結石のできにくい体質にすることで、結石のできる原因のひとつである尿路感染症の予防をすることができます。
4. なりやすい病気③「肥大型心筋症」
心筋症とは、心臓の筋肉(心筋)そのものに異常が出てくる病気です。その中でも心筋が分厚くなる病気が肥大型心筋症です。肥大型心筋症では心筋が分厚くなり心室が狭くなると同時に、柔軟性が低下するため心臓がうまく膨らむことができなくなり、その結果全身に十分な血液を送ることができなくなります。
肥大型心筋症の症状
症状も無く身体検査で偶然見つかるケースもあれば、呼吸困難を起こし救急で運ばれて発覚するケースもあります。ネコちゃんの肥大型心筋症は有病率約15%ととても高く、発症年齢も3ヶ月から17歳と幼少期から高齢の猫までとても幅広いことが特徴です。肥大型心筋症の予防方法
残念ながら明確な予防法がありません。肥大型心筋症はネコちゃんに非常に多く見られ、またかなり幼少期から発症する可能性があるとても怖い病気です。診断も容易ではないことから、心臓のエコー検査を含めた定期的な全身の健康診断を受診することをお勧めします。5. 治療方法と治療費目安
口内炎 | 内科療法:服薬による内科療法を行う場合は、週に1回の通院だとして1回あたり3,000円~5,000円程度。月間10,000円~15,000円程度 外科療法:症状が重く抜歯手術を行う場合は、本数によって大きく変わります。だいたい1本あたり2,000円~4,000円程度と定められていることが多いです。 ただし、抜歯自体の費用だけでなく術前検査や全身麻酔の費用、薬代やその他の費用がかかってきます。ですから、行う内容によって数万円で済む事もあれば、10万円近くかかることもあります。 |
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尿路結石症 | 内科療法:食事療法を行いながら、利尿剤などでの排尿促進や抗生物質投与投薬治療を行い、結石が自然に排出されるのを待つ場合は、週に1回の通院だとして1回あたり3,000円~6,000円程度。エコー検査により完治が確認されるまでの期間、毎月2万円~3万円程度 外科療法:内科治療では十分でなく、外科手術での摘出が必要となる場合は、15万円~20万円ほどかかります。 |
肥大型心筋症 | 残念ながら有効な治療法はなく、ステロイド剤の免疫抑制療法(強心薬、β遮断薬やCaチャネル拮抗薬)と血栓塞栓症の予防薬の投与により、症状をコントロールする維持治療が一般的です。 月に2回の通院だとして1回あたり3,000円~8,000円程度。毎日の服薬に定期的な検査を行うとなると年間5万円~12万円程度掛かります。 |