パグがなりやすい病気 症状と予防法、治療費目安をチェック

病気・健康 2023.10.20

目次

  1. パグの健康と寿命
  2. なりやすい病気1.マラセチア皮膚炎
  3. なりやすい病気2 短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)
  4. なりやすい病気3.壊死性髄膜脳炎
  5. 治療方法と治療費目安

1. パグの健康と寿命

パグの平均寿命は12歳~15歳と言われており、比較的長寿な犬種であるといえますが、鼻の穴が狭く気管が細いことから、鼻腔狭窄症に代表されるような、呼吸がしづらくなる病気になりやすい傾向があります。

そのほか、別名パグ脳炎とも呼ばれる大脳の表面(大脳皮質)の一部で原因不明の炎症が起こり、壊死が進行していく壊死性髄膜脳炎という病気の好発品種として知られています。

このように、犬種の骨格や遺伝的な要素によっても、特になりやすい傾向がある病気はいくつか存在します。こちらの記事では、パグがなりやすいといわれている病気についてや症状、予防方法などについてご紹介します。

2. なりやすい病気①「マラセチア皮膚炎」

マラセチアという、皮脂をエサにしている菌が、異常に増殖してしまうために皮膚炎や外耳炎を起こしてしまう病気です。

普段からマラセチアは動物の皮膚や耳道に少数いるのですが、何らかの原因により増えすぎてしまうことにより起こります。ダックスフンドやパグ、パグなどに多いといわれていますが、最近では、チワワやトイプードルにもみられる病気です。

マラセチア皮膚炎の症状

皮膚に炎症やべたつき、フケが発生したり、酸っぱく油っぽい独特な異臭を放ちます。かゆみが強いのが特徴で、しきりに掻きむしってしまうために、感染部位は赤くただれ、脱毛してしまうことが多いです。

マラセチア皮膚炎の予防方法

有効な予防方法はありませんが、ほかの病気が原因となっていることも多いので、定期的な健康診断が有効です。また、耳をしきりにかいて痒がる様子がみられる、耳垢が増えている、皮膚をしきりにかくなどの異常がみられたら早めに動物病院に連れて行きましょう。

3. なりやすい病気②「短頭種気道症候群」

鼻の穴が狭く気管が細い、ブルドッグ、ペキニーズ、パグ、ボストンテリアなどの短頭種に多く見られます。

咳をしたり、ゼーゼーガーガーと呼吸が苦しそうな様子や、鼻づまり、よく吐く、下痢をしやすいといった、呼吸器と消化器症状がみられる病気です。

短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)の症状

口を閉じて呼吸をするときにズーズー、ブーブーといった音や、逆に口を開けて呼吸をするときにガーガーといった異常な呼吸音がします。

また、眠っているときにいびきをかいたり、呼吸が苦しそう、運動を始めてもすぐに息があがる、運動後失神するなどの症状がみられます。

短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)の予防方法

何よりリスク要因の除去が大切です。肥満や興奮、高温は呼吸器への負担が増えます。常日頃から適正な体重を保つためカロリーオーバーにならない食事管理に注意を払い、安静をとりつつ、涼しい環境での管理を心がけましょう。

4. なりやすい病気③「壊死性髄膜脳炎」

大脳の表面(大脳皮質)の一部で原因不明の炎症が起こり、次第に大脳の表面全体や小脳、脳幹へと炎症や壊死が進行していき、それに伴った神経の症状(全身性のけいれん発作など)が現れる病気です。

壊死性髄膜脳炎(えしせいずいまくのうえん)の症状

突然の全身性けいれん発作が主な症状として現れます。

そのほかにも、脳の異常によるものとして、同じ方向にクルクルと回る、頭が傾いたまま戻せない、ふるえ、目が見えない、よだれを流す、元気や食欲がなくなるなどの症状が現れます。

重症化した場合は、全身のけいれん発作を1日の間に何度も繰り返し、昏睡状態になり、最終的には死亡します。数日で死に至る場合もあれば、数ヵ月〜4年以上かけて徐々に進行する場合もあります。

壊死性髄膜脳炎(えしせいずいまくのうえん)の予防方法

現在のところ原因がはっきりわかっていないため、予防方法は特にありません。

5. 治療方法と治療費目安

マラセチア皮膚炎 内科療法により、症状を改善する投薬治療を行う場合、週に1回の通院だとして1回あたり3,000円~8,000円程度(診察料、内服薬)。

使用するシャンプーは1本、1,500円〜3,000円程度と、治療が長期にわたるにつれ高額となるケースが多いです。
短頭種気道症候群 内科療法:月に2回の通院だとして1回あたり3,000円~6,000円程度。重症になると酸素吸入の処置等(1回あたり3,000〜5,000円程度)が必要になるため、一生涯にかかる治療費は安価とは言えないでしょう。

外科療法:外科手術を行う場合、外鼻孔拡張術で2万円〜5万円、軟口蓋切除術で4万円〜8万円程度が目安で、これらは同時に行うことが多いので、術前検査、入院、手術、術後検診などをあわせて20万円~30万円という相場のようです。
壊死性髄膜脳炎 定期的な通院と検査による維持治療となりますが、内服薬については1か月5,000円~10,000円程度かかります。

加えて定期的にMRI検査を受ける場合は5万円~10万円、その他エコーや血液検査などを含めると、毎月5万円~10万円強かかる場合が多いようです。


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