提携病院紹介「横浜磯子どうぶつ病院」

取材・インタビュー 2023.07.03

JR京浜東北線「洋光台」駅からバスで10分。真っ青な空に映える白い外壁が印象的な横浜磯子どうぶつ病院は、昨年11月に開院したばかり。

10を超える幅広い専門外来を備えており、一般診療や予防診療はもちろんのこと、難易度が高い外科手術も実施可能です。

それぞれ大学病院などの二次診療施設にて、豊富な臨床経験と技術を積んできた3名のドクターが目指す病院の姿とは。

今回は、同クリニックの院長で循環器を特に得意とする、荒木獣医師に、開業のきっかけやクリニックの特長についてお話を伺いました。(取材日2023年1月26日)

-荒木院長が獣医を目指すきっかけを教えてください。

私の母が動物看護士として働いていました。自宅近くの動物病院で勤務していたのですが、母の職場ということで幼いころからよく勤務先の動物病院に足を運んでいたのです。そこの獣医師の先生にも、食事に連れていってもらったり、一緒にゲームをしてもらったりなどと、とても可愛がってもらっていましたね。

そこは獣医師一名体制の病院だったのですが、その方が非常に勉強熱心な方で。夜も遅くまで残って治療をしていたり、犬猫の看病をしていたりなど、仕事に真摯に向き合っている姿勢を目にして、幼心に「獣医ってかっこいいな」と思っていました。

とはいえ当時はまだ小さかったので、具体的に獣医を目指そう、とまでは考えていませんでした。しかし、高校生になり将来就きたい職業や進学先の話を具体的に考えるにいたり、獣医というものが現実的に職業の候補として考えられるようになりました。

その時の獣医の先生とはもちろん今でも関係は続いていまして、今回開院する際も、実際に色々なアドバイスをいただきました。

-ここ横浜で開業したのは、ゆかりがありますか?

私は、港南区の上大岡出身でして、もともとこの地で生まれ育ったこともあり、横浜での開業を考えていました。その他の2名は出身は県外なのですが、大学が藤沢ということもあり、海が好きだったり、横浜が好きだったりというのがあって、それもあってこの地での開業を決めました。

-犬猫の診療の割合を教えてもらえますか?

犬が7に対して、猫3程度でしょうか。やはりこの辺りは近隣にワンちゃんを飼っている方が多いですね
また、ネコちゃんのほうが病院に来るストレスがあるということもあり、通院回数をできるだけ減らすということを重視している点も関係しているかもしれません。

病院嫌いな子は、できるだけ病院に来ないで済むように治療を行っています。経過のヒアリングなどは、電話のみの相談も受け付けています。もちろん料金は頂かないです。私たちも調子を聞かせてもらうと安心しますし。病院としても心配なのですが、調子が良ければ無理して苦手な病院にくる必要はないですからね。臨機応変に対応しています。

-診療科目が多いですが、これらは先生ごとに分担をされているんですか?

基本的には獣医3名で取り組んでいます。私は以前1.5次病院に働きつつ、休みの日に東京動物心臓病センターという心臓の二次病院にて研修していました。その他の2名も2次診療と呼ばれる、大学病院勤務を経験しているので、すべての科目をきちんと診れるようにはなっています。そのうえで各々が得意分野を有しています。

  • 荒木獣医師:循環器(心臓)・呼吸器
  • 上野獣医師:整形外科、神経外科
  • 大岩獣医師:猫診療全般
動物医療も非常に細分化されていますから、ひとりですべての科をプロフェッショナルに、というのは難しいのですが、各々がジェネラリストとして診療科目全般をある程度高いレベルで診つつ、専門性が高い科目については、それぞれの獣医が担当しております。

※1.5次診療施設:一次と二次を兼ね備えた病院のこと。地域のかかりつけ医として全般診療を行うほか、特化した分野で専門的な診療を行う病院。

-横浜磯子どうぶつ病院さまの強みやアピールポイントを教えてください。

そうですね、まずは病院の構造でしょうか。犬猫それぞれで待合室を分けています。もちろん診察室や入院室も別々です。猫にできるだけストレスがかからないような病院づくりを心がけています。

また、先日、猫に優しい動物病院の認定基準である、キャットフレンドリークリニックのゴールド認定を取得しました。キャットフレンドリー資格とは、ISFM(国際猫学会)が発行している国際資格で、現在国内においてゴールドを取得している医院は130ほどしかありません。

病院が苦手なネコちゃんに、なるべくストレスがかからないよう診察できるよう、設備面はもちろんのこと診察や待ち時間の過ごし方などについても、引き続き工夫を重ねてまいります。

犬猫で分けられた待合室
屋上ドッグラン
そのほか、ワンちゃんのための取り組みとして屋上にはドッグランを設けています。ペットホテルで預かっている子や入院中の子も、お天気がいい日には日光を浴びてストレス解消できるような作りになっています。

次に挙げるとするならば、夜間外来を実施している点ですね。当然ですが、病気に休みはないので、診察時間も長めに設けています。

夜間救急で混む時間帯というのは、21時や22時くらいが多いんですよ。それは飼い主さまがお仕事から帰宅して、ぐったりしていたり何かおかしい、とペットの体調の異変に気が付くことが多いためなのですが、その時間帯をカバーするために、夜も長めに病院を開けています。

診察時間は22時までではありますが、それ以降も残るようにしているので、遅い時間帯もカバーすることで、地域の皆様の不安を払拭できればという思いです。繰り返しになりますが、病気に休みはないので、病院にも休みはなし、ということです(笑)。つまり365日、休診日もなしです。

しかし、そんな”休みなし””夜間診療あり”の病院を作るとなると、やはり一人では限界があります。体力的にはもちろんですが、診察のほかにも、随時セミナーや講習会に参加して高度な専門分野を学ぶ時間を作らなければなりません。そんな理想の病院を実現するため、こうした思いに共感を持つ獣医が3名集まり開院に至りました。

そのほかはやはり、専門性が高く、難しい手術に対応できる点でしょうか。

上野獣医師は整形外科や神経外科が専門で、骨折、膝蓋骨脱臼、椎間板ヘルニアの手術を得意にしてますが、門脈シャントや動脈管開存症、副腎腫瘍の摘出など大学病院レベルの手術を行うことが可能です。

大岩獣医師については、犬も診察していますが、猫科診療が特に得意です。爪切りや耳掃除などのお手入れはもちろん、膀胱炎や結石、リンパ腫の場合の抗がん剤治療など多岐にわたります。

また私については循環器が専門ですので、心臓病の子を担当しています。

-それぞれ専門分野を持つ3名の獣医師がいらっしゃるという点は非常に心強いです。

そうですね。一人一人がジェネラリストとして全科目についてある程度の技術と知識を持っていますが、さらにそのうえで大学病院レベルの専門性を持ち、治療を行っています。

自身の専門分野も、そうでない部分も日々勉強して新しい治療法やなるべく負担が少なくて済む方法を常に模索しています。

ただ誤解しないでいただきたいのですが、当院は科目も多く専門性もありますが、決して難しい症状や、病気になったときのみに来るような、敷居が高い病院ではありません。

爪切りや耳掃除などのお手入れなどでもお気軽に足を運んでいただきたいですね。ワクチンや予防医療など、子犬や子猫の育て方から飼い主さまに寄り添い、地域のかかりつけ医としてペットの成長をきちんと見守っていければと考えています。しつけの方法や育てるなかでの気になる点など、何でもお気軽に相談していただければ嬉しいです。「ペットと暮らす」ということに、飼い主さまと一緒に私たちも向き合っていきたいのです。

そうした当院の思いの一つが、病院に併設している老犬、老猫ホームです。ペットも高齢化が進んでおり、徘徊や夜鳴き、認知症など様々な症状が出る子もいます。実際にペットの介護で大変な思いをしている方も多くいらっしゃいます。

自身の仕事とペットの介護とが両立できない、ペットの世話を続けられないと、悩んでいたり、自宅で面倒を見て最期をみとるということを、泣く泣く諦めざるを得ない方もいます。

そうした実態を見ていますと、老犬老猫ホームを、動物病院が運営することで、ペットを飼っている方々に安心してもらうことができるのではないかと思うのです。

確かにペットも高齢になると大変なことは出てきます。それでもやはり、犬猫と一緒に暮らしていると元気になると思うのです。本当にたくさんの愛情を貰うことができます。

この地域の方に犬猫と一緒に生きていく素晴らしさを体験してもらいたいですね。生まれた時の面倒から、介護が必要になったり、最終的に看取るときまで。始まりから終わりまで責任をもって見させていただく病院でありたいと考えています。

-日々の診察で大切にしていることはどんなことですか?

とにかく信頼関係を築くことですね。動物医療は獣医だけが行うものではなく、飼い主さまと一緒に行うものです。

私たちが診察を行い治療方針を決めても、ご自宅でお薬をあげたり様子を見るのは飼い主さまですよね。飼い主さまと獣医が二人三脚でペットを助けていくものだと思います。

そのため、例えば高圧的であったり、話しづらさがあると、よい治療はできません。飼い主さまが話しづらいと、気づけるものも気づけずに、最終的にペットが可哀そうな思いをすることになります。そのため、とにかく飼い主さまと沢山話をすることを心がけています。ペットのことはもちろんですが、世間話もできるくらいの関係性を築きたいと思っています。

獣医と飼い主さまとしてではなく、一人の人として心を許せる対象になりたいですし、それがあって初めてお互いが言いたいことを言えて、話せるようになる。飼い主さまとの会話をできるだけ大切にしています。これからも飼い主さまと二人三脚で頑張っていきたいと思っています。

-病院選びのポイントを教えてください。

先ほどもお伝えしましたが、やはり個人的に思うのは、人と人の相性でしょうか。良い設備があっても高圧的で話しづらい先生ではよくない。そうはいっても、どうしても今の時代設備は大切です。いくら話しやすくていい先生でも、検査機器も設備も何もない診療所では病気は発見できない。診断や治療、検査に必要なある程度の設備を備えていることは不可欠です。

また、日常的に通うならば、ご自宅からの距離も重要ですね。加えて、今何か気になる症状があるようでしたら、その科目に専門性を持つ先生がいるかどうかも大切な判断材料になると思います。

-これから動物病院へ来る方へ、お伝えしておきたいことや気を付けてほしいこと、守ってほしいことはありますか?

予約優先性なので、予約をしてもらったほうがスムーズですが、予約なしでも診察可能ですので、もし具合が悪いときはできるだけ早く足を運んでください。

-今後、横浜磯子どうぶつ病院様が目指す姿を教えてください。

私たち3名はみんな、横浜が好きで、犬猫が好きで、人と話すのが好きで。そうしてこの場所で獣医として生きていくことを選びました。

この地域のかかりつけ医として根本は忘れず、近隣や地域の皆さんに安心してペットとの暮らしを楽しんでもらえるような病院を目指したいと思います。小さな頃から最期におわりを迎えるまで、どんな些細なことでも相談に乗れるような動物病院でありたいと考えています。

そのうえで、整形外科や神経外科、循環器科については特に専門性が高いご相談、治療や手術を実施することが可能です。現在不安な点や気になる症状がある場合も連れてきていただければと思いますし、地域のホームドクターでありつつ、専門性をさらに高めて難しいことにも対応できるような病院にしていきたいと思います。

病院名  横浜磯子どうぶつ病院

責任者 上野 文洋 獣医師
電話番号 045-355-0045
所在地 〒235-0042 神奈川県横浜市磯⼦区上中里町388-1
休診日 なし
スタッフ数 獣医師3名、アドバイザー2名、看護師6名、受付スタッフ1名
備考 夜間診察あり、犬猫別待合室、ドッグラン設置、老犬ホーム、専用駐車場あり
公式サイト https://yokohama-isogo-ah.jp/
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会員特典
全チケット対応可

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