長時間の留守番が多い状況でペットは飼えるのか
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不在がちな一人暮らしや共働き世帯でもペットは飼えるのか
近年のペットブームもあり、街を歩いているとワンちゃんを見かけることも多くなったのではないでしょうか。友人や職場の同僚などでも新たにワンちゃんやネコちゃんを飼い始めた方もいるかもしれません。実際、以前はハードルが高く思えたような一人暮らしなどの方も、新たにペットをお迎えし、ペットとの暮らしを楽しんでいる方も多くいます。そんな光景を見かけたり、お話を聞くたびに、自分もいつかペットを飼いたい・・と考え始めた方や、実際にペットを探し始めた方も多いのではないでしょうか。
それでも、そんな思いにブレーキをかけるのは、「本当に私でもペットを飼えるの?」ということではないかと思います。特に一人暮らしや共働き世帯などで、家を空ける時間が多い方については、今のライフスタイルじゃ難しいだろう、と考えている方も多いのではないでしょうか。
さて、今回は不在がちな一人暮らしや共働き世帯でもペットは飼えるのか、という点についてお伝えさせていただきます。
回答としては飼える
端的に申し上げますと、どんなライフスタイルでもペット不可物件に住んでいないならば、ペットを飼うことは可能です。加えて、ペット購入費用や、飼育に必要な用品をそろえるための資金があるならば、どなたでもペットを飼うことはできます。
しかし、ペットを飼うことが可能である、ということと、お迎えしたペットをきちんとお世話ができるのか、という点は全く別物です。特に、家には寝に帰ってくるだけ、など忙しい方の場合は、現在のご自身の生活スタイルでペットに掛ける時間を作ることができるのか、という点はしっかり考えなければなりません。ペットを飼うことができるかどうか、以下のポイントを確認してみてください。
以下のポイントをチェック
チェックポイント① ご飯をあげる時間は確保できる?
ワンちゃん、ネコちゃんともにもちろん生きていますから、毎日のご飯は必須です。成犬、成猫については1日2回が平均的なので、朝と晩にあげれば問題ないのですが、生後3か月-半年程度くらいまでの子犬、子猫については、胃腸が丈夫ではないためできるだけ小分けにしてご飯を上げる必要があります。(4回程度が理想)
また、ご飯についてもカリカリフードをお皿に入れるだけで良いわけではなく、ぬるま湯でふやかしたフードを与えなければなりません。そのため、留守の間は自動給餌機に頼ろう!という手は使えません。
まだ小さな子犬、子猫は、食事の時間が6時間空いただけで低血糖という、血糖値が極度に低下した状態に陥ります。放置することで痙攣や嘔吐、失禁などと症状が進行し、死の危険がある病気です。
そのため、もし月齢が3か月程度の子犬、子猫をお迎えする際は、食事の回数が確保できるように、一定期間はテレワークなど家にいられる状態を作る、恋人や友人と協力するほか、ペットシッターを雇い、不在時のご飯をお願いするなどが必要です。
チェックポイント②トイレのお世話は可能?
ネコちゃんの場合は猫砂ですし、比較的に簡単にトイレを覚えてくれることが多いのですが、ワンちゃんの場合はトイレのしつけが最も時間が掛かるといわれています。出来れば子犬のうちにしっかりおトイレを覚えさせてあげたほうが良いです。理想的なことを言えば、最初は2,3時間おきに声をかけてトイレに連れて行ってあげることです。
子犬、子猫のうちは膀胱が小さいため、1日6回前後はおしっこをします。そうなると当然、1日に2,3回はトイレシートを交換しなければなりません。ワンちゃんは綺麗好きな子が多いので、トイレシートが汚れたままだとわざと別の場所でしたり、もしくは我慢してしまう子もいます。
また、シートの上に出来たウンチについても、何時間も放置をしておくことは食糞の原因になります。そうでない場合にも、シートの上にうんちがずっと残っていることで、その上を歩いて身体が汚れたりなど、衛生的にもよくありません。できるだけ衛生的で安全な環境を整えてあげるためにも、トイレ交換はきちんと行いましょう。
もし自身のライフスタイルを変更したり、お仕事のスタイルを調整するなどして、ご自身で日中のお世話が難しい場合は、ご飯同様に恋人や友人と協力をあおぐほか、ペットシッターを雇い、不在時のお世話をお願いするなどが必要です。
チェックポイント③ ケガや病気の際には面倒をみれる?出費も‥
また、ワンちゃんが小さい時やシニアに差し掛かるにつれて、日々の体調不良はつきものです。ご自身の病院の何倍も多い頻度で、動物病院に行かなければならないことも増えるでしょう。ワンちゃん、ネコちゃんは体調が悪くとも言葉に出して伝えることができません。
目に見えて不調を感じるということは、よほど体調が悪い証拠です。
今日はどうしてもいけないから、、、と動物病院の受診を後回しにすることで命にかかわるケースもあります。 ペットを飼うということは、急に仕事を休まなければならない、自分の予定をキャンセルしなければならない可能性もあるということをご理解ください。
また、動物病院は自由診療のため、その請求額もさまざま。1万円を超えることは日常茶飯事で、ペット保険に入っていない場合は、そのすべてが自己負担になります。ペットをお迎えすることで確実に日々の出費が増えること、また突然の大きな出費も起こりうることをきちんとご理解の上でお迎えをご検討ください。
少なくとも、今が毎月かつかつである、という方は現在の生活を見直さないことには難しいと思います。
犬と猫でも違います
また、ワンちゃんの場合は、できるだけ毎日お散歩に行ってあげたいものです。品種によってはもちろん運動量が少なくて済む子もいますが、短時間でも1日1回は行ってあげることで、健康維持や良い気分転換にもなります。
お散歩が面倒くさい、今の生活でお散歩に行く時間は取れない、という方の場合は、ワンちゃんのお迎えは避けたほうが良いでしょう。しかし、平日は毎日は難しいけれど土日にはたっぷり行ってあげたい、どうしてもワンちゃんを飼いたい、という方にはワンちゃんの散歩代行サービスの利用をお勧めします。
近年のペットブームもあり、全国的にペットシッターサービスを行う会社が増えてきました。 そのサービスの一環として散歩代行も引き受けているケースが多いです。
愛情はある、責任をもって生涯面倒を見る覚悟はある、しかし、現実的にどうしても時間が取れない場合も存在する、という場合は、一人で抱え込まずに頼れる友人や家族に相談したり、もしくはこのような代行会社にきちんと依頼することで、ワンちゃんのストレスや生活環境を向上させることが必要です。
もちろん、これらにはお金がかかりますが、自分がお世話をできないことや、多忙を分かったうえでペットをお迎えするということは、このような出費も覚悟しなければなりません。
お世話の時間を取れない、ライフスタイルも変えたくない、できればコストも抑えたい、しかし癒しや可愛さなどペットのいいところだけ味わいたい、そんな方には「ペットと暮らす」ということはご遠慮願えたらと思います。
生涯愛情をもってお世話をする覚悟を
私達ペットショップが、お客様たちにお願いしたいことは、命を預かる責任を自覚し、愛情と責任をもって最後まで面倒を見てほしい、ということです。ペットと暮らすことは素晴らしいことです。ペットたちからたくさんの愛情や癒しをもらえます。一方で、必ず犠牲にしなければならないこと(自分の睡眠時間や趣味に費やす時間、お金など)は存在します。
当然、可愛いばかりではありません。トイレのしつけに苦労するかもしれませんし、病気が続いてお金がかかるかもしれません。
また、ペットも人間同様に、年を取ります。トイレを粗相したり、徘徊をしたり、また警戒心が強くなって攻撃的になったり、そんな変化も現れます。認知症になる可能性もあります。
そんなすべてをきちんと受け入れて、最後までしっかり責任をもってお世話をしてくれる方に、どうか大切な命をお迎えして頂きたいと考えています。