ネコちゃんの寄生虫対策:「いま」知ってほしい!ペットのウェルネスコラムvol.19

知識・お役立ち 2025.4.30

「いま」知ってほしい!ペットのウェルネスコラム

(※本記事は、当社がお送りしているメールマガジン「『いま』知ってほしい!ペットのウェルネスコラム」を一部編集して掲載しています)

少しずつ日差しが春めいてきましたね。
気温が高くなり、過ごしやすい日が増えてきました。気温の上昇とともに気になるのがノミやダニといった寄生虫や蚊を媒介して感染するフィラリア症です。
フィラリア症と聞くとワンちゃんのイメージが強い方もいらっしゃるかと思いますが、実はネコちゃんも感染する病気です。

大切なネコちゃんを守るために、今回はこういった寄生虫の対策についてお伝えします。

目次

  1. 気を付けたいネコちゃんの寄生虫
  2. ネコちゃんのための寄生虫対策グッズ
  3. 十分な寄生虫対策で健やかな毎日を

1. 気を付けたいネコちゃんの寄生虫

 ネコちゃんの寄生虫対策

蚊を媒介して感染するフィラリア症(犬糸状虫症)はワンちゃんの病気と思われていますが、ネコちゃんも感染します。
ワンちゃんと同様に、フィラリアの幼虫を吸血した蚊に刺されることによってネコちゃんの体内に侵入し、成長した成虫が肺や心臓の血管に寄生することで、咳や呼吸困難といった症状が現れます。

しかし、症状がさまざまなために診断が難しく、治療も基本的には対症療法となることから、ネコちゃんをフィラリアから守るためには日頃からの予防が重要です。
フィラリアの感染例は完全室内飼いのネコちゃんにおいても報告されていますので、予防薬の使用が望ましいとされています。

また、フィラリア症以外で気を付けたいのがノミやダニといった寄生虫です。室内飼育のネコちゃんでも、人が外から室内に持ち込むことで感染することがあり、特にマダニは人にも感染する病気を媒介することもあるので注意が必要です。

お薬が苦手なネコちゃんには背中に滴下するスポットタイプのフィラリア予防薬や、ノミ・ダニの予防も合わせてできるオールインワンタイプもありますので、暖かくなるこの時期からお薬をスタートするのがおすすめです。

予防薬の処方についてはかかりつけの動物病院さまか、お近くのペッツファースト動物病院へご相談ください。


2. ネコちゃんのための寄生虫対策グッズ

予防薬の使用はもちろんのこと、ご自宅で普段から虫除けグッズを使用することもおすすめです。

天然植物エキス100%、エタノールなど化学薬品は一切使っていない防虫・虫除けスプレーならネコちゃんへの使用も安心です。含まれるミネラル成分で毛ヅヤもよくすることができます。ネコちゃんの体だけでなく、ベッドやマット、サークル内にもスプレーするとノミ・ダニ・蚊などを寄せ付けません。

しきりに体をかゆがっている場合、皮膚トラブルはもちろんですが、ノミやダニの寄生があるかもしれません。異常を早期に発見するためには日頃からのブラッシングを含めたお手入れが重要です。

皮膚・被毛に優しい玉付きピンブラシを採用したコームは、ブラッシングが苦手な長毛のネコちゃんにもおすすめです。
ブラッシング後のブラシ掃除が一瞬で終わる、機能的なスリッカーもあります。ボタンを押すだけでブラシの根元に絡まった抜け毛が押し上げられ、簡単に処分できるので後片付けも簡単です。

ブラッシングが苦手なネコちゃんの場合は、ミトン型ボディウェットシートで体をなでて、春先に気になる抜け毛を取ることもおすすめです。ノミやダニによる皮膚トラブルの早期発見にもつながります。


3. 十分な寄生虫対策で健やかな毎日を

 ネコちゃんの寄生虫対策

今回はネコちゃんの寄生虫対策についてお伝えしました。
室内飼いのネコちゃんでもノミやダニ、フィラリアを媒介する蚊はどこから侵入するかわかりません。ネコちゃんの健康を守るために、今一度、寄生虫の対策について考えてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!

執筆

 
ペッツファースト所属獣医師 小野絢子
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業を卒業。子犬・子猫の健康診断やワクチン接種、ペットショップへの往診業務の経験から、すべてのペットと飼い主さまがより幸せに、そして健康に過ごすことができるような情報発信を行なっています。