賢い犬種9選!3つの種類や賢いワンちゃんに育てるポイントも解説

ペットと暮らす 2025.8.1

賢い犬種9選!3つの種類や賢いワンちゃんに育てるポイントも解説

「どんな犬種が賢いの?」
「賢い犬種にはどんな特徴がある?」
「愛犬を賢く育てるにはどうすればよい?」

ワンちゃんについて、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

ワンちゃんの賢さには、本能的な賢さや適応力、作業・訓練のしやすさといった3つの特徴があります。賢い犬として知られる犬種はいくつかあり、ボーダーコリーやプードルなどが代表的です。

この記事では、賢さの3つの特徴から、賢いとされる犬種を9種紹介します。さらに、愛犬を賢いワンちゃんに育てるためのコツや、よくある質問にもお答えします。

この記事を読めば、愛犬の持つ能力をより深く理解し、絆を育むためのヒントが見つかるはずです。ぜひ最後までお読みください。

目次

  1. そもそも賢い犬種とは?賢さの種類3つ
  2. 賢い犬種9選
  3. 賢いワンちゃんがしつけやすいとは限らない!
  4. 賢い愛犬に育てるためのポイント
  5. 賢い犬種に関するよくある質問
  6. ワンちゃんを育てるには何よりも飼い主との信頼関係が大切!

そもそも賢い犬種とは?賢さの種類3つ

 そもそも賢い犬種とは?賢さの種類3つ

一般的に賢いと言われるワンちゃんには、次のような3つの異なる賢さの種類があると考えられています。

  1. 犬種本来の役割をこなす「本能的な賢さ」
  2. 自ら考えて問題解決する「適応的な賢さ」
  3. 指示を理解し従う「作業・訓練の賢さ」

愛犬がどのタイプ(種類)の賢さを持っているかを理解することで、その子に合ったコミュニケーションやトレーニングを見つけやすくなるでしょう。ここでは3つの賢さのタイプについて解説します。

種類1. 犬種本来の役割をこなす「本能的な賢さ」

本能的な賢さを持つワンちゃんは、犬種が持つ特有の能力や、歴史の中で与えられてきた役割に深く関わっています。

ボーダーコリーやシェパードのような牧羊犬は、家畜の群れを誘導してまとめる能力が高いとされています。また、レトリーバー種は、獲物を回収(レトリーブ)するという名前の通り、物を持ってくる能力が遺伝的に備わっています。

このタイプの賢さは、特定の作業を教えなくても自然とこなしてしまう、生まれ持った能力と言えるでしょう。

種類2. 自ら考えて問題解決する「適応力」

適応的な賢さとは、ワンちゃんが日々の経験や学習から、新しい問題に対処する能力のことです。

例えば、「ドアを開ければ外に出られる」「おやつはこの棚に隠されている」といったことを観察や経験から学び、自分で考えて行動できるタイプです。

この能力は犬種だけでなく、それぞれのワンちゃんの個性や育った環境によって大きく伸びる可能性があります。

種類3. 指示を理解し従う「作業・訓練の賢さ」

作業・訓練の賢さは、人間からの指示をどれだけ早く正確に理解し、従えるかという能力です。

この賢さが高いワンちゃんは、「おすわり」や「待て」などの基本的なコマンドをすぐに覚えられます。中には、複雑なトレーニングやドッグスポーツをこなせる子もいます。

また、警察犬や盲導犬として活躍するワンちゃんは、特にこの能力に優れています。

賢い犬種9選

 賢い犬種9選

ここからは、賢いとされる犬種を小型犬から大型犬まで、「本能的な賢さ」「適応的な賢さ」「作業・訓練の賢さ」という3つの観点から合計9種ご紹介します。

  1. プードル
  2. パピヨン
  3. ミニチュアシュナウザー
  4. ボーダーコリー
  5. ウェルシュコーギーペンブローク
  6. イングリッシュスプリンガースパニエル
  7. ジャーマンシェパードドッグ
  8. ゴールデンレトリーバー
  9. ドーベルマン

それぞれの犬種の賢さについて詳しくみていきましょう。

プードル

プードルは、元々は水鳥の猟で活躍していた犬種です。水を恐れず、獲物を回収する役割をこなす「本能的な賢さ」を持っています。

飼い主の感情を敏感に察知し、家族の生活リズムに合わせて行動できる「適応的な賢さ」も兼ね備えています。穏やかで無駄吠えも少なく、飼い主の言葉もよく理解する特徴から、プードルは家庭犬としても人気が高い犬種です。

さらに「作業・訓練の賢さ」は全犬種の中でもトップクラスで、物覚えがよいワンちゃんです。サーカスで活躍していた歴史もあるほど知能が高く、複雑なコマンドも理解し、実行する能力に長けています。

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パピヨン

パピヨンの賢さは小型犬の中でも際立っており、中でも「作業・訓練の賢さ」に優れています。飼い主の指示を理解するスピードが早く、集中力や状況判断力も高いため、ドッグスポーツのアジリティなどでも大活躍です。

また、周囲の状況をよく観察し、どうすれば飼い主が喜ぶかを考えて行動する「適応的な賢さ」も持ち合わせています。活発で遊び好きな性格も、トレーニングを楽しく進める上で大きな助けとなるでしょう。

ミニチュアシュナウザー

ミニチュアシュナウザーは、元々農場でネズミなどの害獣を駆除し、番犬としても活躍してきた歴史を持ちます。警戒心が強く、自分のテリトリーを守ろうとする「本能的な賢さ」があるからこそ、このような歴史があるともいえます。

また、聡明で飼い主に従順なため、「作業・訓練の賢さ」も高い犬種です。トレーニングには真剣に取り組み、一度覚えたルールはしっかりと守れます。頑固な一面も持ち合わせていますが活発で有効的な一面もあるため、信頼関係を築くことで、頼もしいパートナーとなってくれるでしょう。

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ボーダーコリー

ボーダーコリーは羊の群れを自在に操る牧羊犬の歴史を持ち、全犬種の中で最も賢いとも言われています。鋭い観察眼と判断力で群れをコントロールする「本能的な賢さ」が高いのが特徴です。

自ら考えて問題を解決する「適応的な賢さ」にも長けており、状況を読んで最善の行動を自主的にとることもあります。さらに学習能力が高く、新しいコマンドを習得する「作業・訓練の賢さ」を持ち合わせており、飼い主の指示をよく理解します。

ボーダーコリーは、活発でエネルギッシュな一面も持ち合わせているため、十分な運動と知的な刺激が必要です。

ウェルシュコーギーペンブローク

ウェルシュコーギーペンブロークは、元々牛の群れを追い立てる牧畜犬として活躍していました。家畜のかかとに噛みついて誘導していたという歴史から、「本能的な賢さ」を持っていることがわかります。

観察力に優れており、家族の行動からドアの開け方を学習するなど、日々の生活の中で問題を解決しようとする「適応的な賢さ」もあります。

また、知的で好奇心旺盛なため「作業・訓練の賢さ」も高く、活発で遊び好きな性格から、飼い主とのコミュニケーションを楽しみながらトレーニングをこなせるでしょう。物覚えも早く、飼い主の指示をよく理解します。

イングリッシュスプリンガースパニエル

イングリッシュスプリンガースパニエルは、茂みに隠れた鳥を飛び立たせる役割を担っていた鳥猟犬です。獲物を探し、飼い主と巧みに連携して狩りをおこなう「本能的な賢さ」を持っています。

飼い主を喜ばせたいという気持ちが強く、どうすれば褒めてもらえるかを考えて行動する「適応的な賢さ」に長けています。また、明るく活発なだけでなく、辛抱強さも持ち合わせている犬種です。

イングリッシュスプリンガースパニエルは知的で物覚えがよく、飼い主との共同作業を好むため、「作業・訓練の賢さ」も高く、しつけがしやすい犬種と言えるでしょう。

ジャーマンシェパードドッグ

ジャーマンシェパードドッグは、警察犬としての活躍で知られる通り、高い知性を持つ犬種です。牧羊犬として家畜の群れを守り、管理してきた歴史から、「本能的な賢さ」を備えていると言えるでしょう。

また、初めての状況でも動じず、落ち着いて的確な状況判断ができる「適応的な賢さ」も持ち合わせており、世界中でさまざまな役割を担っています。洞察力にも優れており、自分で考える力を有した犬種です。

さらにこの犬種は、「作業・訓練の賢さ」が高いのが特徴です。飼い主が複雑な指示を出しても正確に理解し、高い集中力で任務を遂行する能力があります。

ゴールデンレトリーバー

ゴールデンレトリーバーは、撃ち落とした水鳥を傷つけずに回収(レトリーブ)する猟犬として活躍してきました。物を優しく運び、飼い主の元へ届けるという「本能的な賢さ」に長けています。

この犬種の大きな魅力は、人間の感情を読み取って寄り添う「適応的な賢さ」です。無駄吠えが少なく穏やかで人懐っこい性格に加え、飼い主を喜ばせたいという意欲も強いため、「作業・訓練の賢さ」も高いレベルにあります。

その優れた能力と優しい気質から、盲導犬やセラピードッグとしても広く信頼されています。

ドーベルマン

ドーベルマンは、警備犬としてよく活躍している犬種です。そのため、主人やその財産を守るという防衛本能に根ざした「本能的な賢さ」を持っています。

集中力と優れた判断力を持ち、訓練に対する理解度が高い「作業・訓練の賢さ」も特徴です。警戒心が強い一面はありますが、一度信頼関係を築いた飼い主には忠実で、落ち着いてその指示を的確に実行します。

正しく育てれば頼もしいパートナーとなることでしょう。

賢いワンちゃんがしつけやすいとは限らない!

 賢いワンちゃんがしつけやすいとは限らない!

「賢い犬種はしつけやすい」と思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。

学習能力が高い分、飼い主の指示に一貫性がないとその矛盾を見抜いて、指示に従わなくなる可能性があるためです。また、知的な刺激が足りずに退屈すると、いたずらなどの問題行動につながるケースも少なくありません。

ワンちゃんとの信頼関係を築きつつも、飼い主が頼れるリーダーであることが重要です。しつけのルールには一貫性を持たせ、立場が逆転しないように、日頃から毅然とした態度で接することを心がけましょう。

賢い愛犬に育てるためのポイント

 賢い愛犬に育てるためのポイント

ワンちゃんの賢さは、冒頭に紹介した3つの要素がそれぞれにどれくらい備わっているかだけで決まるわけではありません。飼い主の育て方や関わり方によっては、課題への適用力を上げたり、訓練がうまくできるようにしたりもできます。

ここでは、愛犬を賢いワンちゃんに育てるための3つのポイントを紹介します。

  1. 子犬のうちから多くの経験をしてもらう
  2. 信頼関係を築く
  3. 愛犬自身が考えて行動できるようにする

ただし、「愛犬を上手にしつけて賢くする!」と意気込みすぎないように注意しましょう。愛犬の気持ちも尊重して、お互いの信頼関係を築くことが大切です。

ポイント1. 子犬のうちから多くの経験をしてもらう

賢い愛犬に育てるためには、子犬のうちから多くの経験をしてもらうことが大切です。さまざまな人やほかのワンちゃんと触れ合わせたり、お出かけしたりすることで社会性が身につき、物怖じしない自信を育てられます。

多様な環境に慣れさせることで、将来的にストレスを感じにくく、落ち着いて行動できるワンちゃんになります。ドッグスポーツやおもちゃを使った知育遊びなどを通じて、楽しくトレーニングをおこなうのも効果的です。

ポイント2. 信頼関係を築く

飼い主と愛犬の間に深い信頼関係が築かれていることは、トレーニングの効果を最大限に高めるための土台となります。

愛犬の習性や、耳や尻尾の動きといったボディーランゲージを理解しようと努め、愛犬が何を感じ、何を伝えたいのかに寄り添うことが大切です。飼い主が自分のことを理解してくれると愛犬自身が感じることで、より一層指示を聞こうという意欲が湧き、学習能力も向上します。

ポイント3. 愛犬自身が行動の前に考えるようにする

トレーニングでは単に指示に従わせるだけでなく、愛犬自身が考える時間をとることが、賢さを引き出すポイントです。

例えば、トレーニング中に愛犬が指示を理解しきれず戸惑うことがあります。その際はすぐに答えを教えたり指示を繰り返したりするのではなく、行動する前に自分で考える機会を与えてみましょう。

また愛犬が考えた結果、間違った行動をとっても、優しく正しい行動へ導いてあげることが重要です。このプロセスを繰り返すことで、愛犬は行動する前に自分で考えられるようになります。

賢い犬種に関するよくある質問

 賢い犬種に関するよくある質問

最後に、賢い犬種について多くの方が抱く疑問にお答えします。愛犬の知能や行動について、より深く理解するための参考にしてください。

ワンちゃんの知能は人間では何歳くらい?

ワンちゃんの知能は、人間の年齢に例えるとおよそ2歳から3歳程度です。研究によると、ワンちゃんは200語以上の単語を理解しているとされています。

ただし、知能の高さは犬種や個体によって差があります。

賢いワンちゃんの行動は?

賢いワンちゃんは、日常生活の中でさまざまな知的な行動を見せてくれます。
例えば「ごはん」や「散歩」などの好きな言葉を聞き分けて喜んだり、飼い主がお出かけの準備をする様子から次の行動を予測したりと、言葉や行動を深く理解します。

また、日々の習慣から学習する能力も高く、毎日同じ時間の散歩を覚えたり、飼い主の帰宅を車の音で察知して玄関で待っていたりすることも珍しくありません。

このような行動も、ワンちゃんの賢さの表れと言えるでしょう。

賢いワンちゃんの見分け方はある?

賢いワンちゃんとそうでないワンちゃんの見分け方として、以下の4つの目安があります。

  • 物覚えが良いかどうか
  • 同じ失敗をしないか
  • 空気を読むことができるか
  • 相手の痛みが分かるか

上記の見分け方は、「適応力があるか」「作業・訓練が上手くできるか」が大きな判断基準です。もちろん、愛犬をお迎えしてからでなければわからないものではありますが、見分け方における判断基準のひとつとして参考にしてください。

ただし、飼い主の育て方次第では、上記の基準が適用されなかったり、作業・訓練が上手くいかなかったりするため、その点は十分に注意しておきましょう。

ワンちゃんを育てるには何よりも飼い主との信頼関係が大切!

 ワンちゃんを育てるには何よりも飼い主との信頼関係が大切!

ワンちゃんの賢さには、「本能的な賢さ」「適応的な賢さ」「作業・訓練の賢さ」という3つのタイプがあり、犬種ごとにその得意分野は異なります。

トイプードルのような小型犬から、ボーダーコリーのような中型犬、ゴールデンレトリーバーのような大型犬まで、多くの賢い犬種が存在します。しかし、どの犬種であっても、その賢さを引き出すためには、子犬の頃からの社会化や飼い主との信頼関係が不可欠です。

愛犬が自ら考えられる機会を作り、一貫したしつけをおこなうことで、犬種を問わず素晴らしいパートナーに成長してくれるでしょう。

これからワンちゃんをお迎えする方も、すでに愛犬と暮らしている方も、この記事を参考に愛犬との楽しい生活を送ってみてください。

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