吠えない・吠えにくい犬種9選!吠えないワンちゃんの特徴や育てるポイントも解説

ペットと暮らす 2025.7.1

吠えない・吠えにくい犬種9選!吠えないワンちゃんの特徴や育てるポイントも解説

「吠えにくい犬種とは?」
「吠えにくいワンちゃんの特徴は?」
「吠えないように育てるにはどうすればよい?」

現在、吠えにくいワンちゃんを飼いたいと思っている方の中には、このような疑問があるのではないでしょうか。全く吠えないワンちゃんはいませんが、犬種や性格から吠えにくいワンちゃんがいるのも事実です。

この記事では、比較的吠えにくいとされる犬種を小型犬・中型犬・大型犬に分けて9種ご紹介します。あわせて、吠えないワンちゃんに共通する特徴や、吠えにくく育てるためのポイントも解説します。

この記事を読めば、あなたのライフスタイルに合った、穏やかで飼いやすいパートナーを見つける手助けになるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

目次

  1. 吠えない・吠えにくいワンちゃんの特徴・性格
  2. 【小型犬】吠えない・吠えにくい犬種3選
  3. 【中型犬】吠えない・吠えにくい犬種3選
  4. 【大型犬】吠えない・吠えにくい犬種3選
  5. 愛犬が吠える理由と対策
  6. 吠えない・吠えにくい愛犬に育てるには
  7. 吠えにくい愛犬と穏やかな暮らしをはじめよう

吠えない・吠えにくいワンちゃんの特徴・性格

 吠えない・吠えにくいワンちゃんの特徴・性格

ワンちゃんにとって吠えることは、「痛い」「嫌だ」「怖い」といった気持ちを伝えるための大切なコミュニケーション手段です。そのため、全く吠えないワンちゃんはいないことを、まず理解しておきましょう。

しかし、犬種や個々の性格によって、吠えやすい傾向、吠えにくい傾向があるのも事実です。比較的吠えにくいワンちゃんの主な特徴は、以下の2つです。

  1. 警戒心が低く人に慣れている
  2. マイペースで落ち着きがある

ここからは、それぞれの特徴について解説します。

特徴1. 警戒心が低く人に慣れている

比較的吠えにくいワンちゃんは、ほかのワンちゃんや人間に対して警戒心を抱きにくい傾向があります。

ワンちゃんは本来、見知らぬ人や動物が自分のテリトリーに近づくと、警戒して吠える生き物です。それは、仲間に危険を知らせる本能があるからとされています。

しかし、警戒心が低く社交的な性格のワンちゃんは、初対面の人やほかのワンちゃんともフレンドリーに接することができます。そのため、ほかの犬種に比べて警戒心から吠えることが少ないのです。

特徴2. マイペースで落ち着きがある

おおらかでマイペースなワンちゃんも、吠えにくい傾向にあります。物音や来客にも動じず、リラックスして過ごせるため、むやみに吠えることはほとんどありません。

ただし、穏やかでも頑固な一面を持つ犬種の場合、一度吠え始めるとしばらく吠え続けてしまう可能性もあります。頑固なワンちゃんの場合は、子犬の頃から一貫したしつけをおこないましょう。

【小型犬】吠えない・吠えにくい犬種3選

 【小型犬】吠えない・吠えにくい犬種3選

小型犬は、集合住宅などでも飼いやすく、人気のある犬種です。その中でも特に吠えにくいとされるのは、以下の犬種です。

  • シーズー
  • キャバリア
  • マルチーズ

ここでは、それぞれの犬種の特徴を紹介します。

シーズー

人懐っこさ 初対面の人・ほかのワンちゃんとも仲良くできる
おとなしさ 無駄吠えが少ない
しつけやすさ(育てやすさ) 賢く、学習能力が高い

シーズーは初対面の人やほかのワンちゃんともフレンドリーに接することができる犬種です。初めて犬を飼う方や小さなお子様がいるご家庭、ご年配の方にも飼いやすいとされています。

警戒心が低く穏やかで落ち着いた性格で、小型犬のなかでも比較的無駄吠えが少ない傾向にあります。愛情深い性格で人と触れ合うのが大好きなため、寂しさを感じて吠えることもありますが、基本的には静かに過ごせるワンちゃんです。

賢くて学習能力も高いため、基本的なしつけはスムーズに進むでしょう。少し頑固な一面もあるため、しつけは一貫した態度で接することが大切です。

キャバリア

人懐っこさ 初対面の人・ほかのワンちゃんとも仲良くできる
おとなしさ 無駄吠えが少ない
しつけやすさ(育てやすさ) 知能が高く、言葉をよく理解する

キャバリアは、社交的で協調性が高く、初対面の人やほかのワンちゃんとも仲良くできる犬種です。優しく穏やかな性格で、吠えにくい犬種として知られています。

警戒心が低いため、比較的無駄吠えが少ない犬種です。知能が高く、飼い主の言葉をよく理解するため、初めて飼う方が育てやすいのも魅力です。

ただし、遊びが大好きなため、ストレスが溜まると吠えてしまう可能性があります。日頃から適度な運動やスキンシップを心がけ、ストレスを発散させてあげることが大切です。

マルチーズ

人懐っこさ 家族・子どもとも仲良くできる
おとなしさ 温厚で無駄吠えが少ない
しつけやすさ(育てやすさ) 知能が高く、物覚えがよい

マルチーズは愛玩犬として人々に愛されてきた歴史があり、人と共に穏やかに過ごすことに長けています。そのため、家族や子どもとも仲良くできる警戒心の低い犬種です。

飼い主には愛情深い性格で、無駄吠えも少なく、室内で穏やかに過ごせます。一方で、見知らぬ人や物音に対しては敏感に反応し、吠えることもあります。

マルチーズは知能が高くしつけやすいため、基本的なマナーも覚えやすいのが魅力です。子犬の頃から社会化トレーニングをおこない、他人や外の環境に慣れさせてあげましょう。

【中型犬】吠えない・吠えにくい犬種3選

 【中型犬】吠えない・吠えにくい犬種3選

中型犬の中で、比較的吠えにくい犬種は以下の通りです。

  • バセンジー
  • フレンチブルドッグ
  • バセットハウンド

ここからは、それぞれの特徴や飼育のポイントを解説します。

バセンジー

人懐っこさ 家族には愛情深い
他人には警戒心を示すことがある
おとなしさ 無駄吠えが少ない
しつけやすさ(育てやすさ) 賢く落ち着いている

バセンジーは、穏やかでマイペースな性格をしており、飼い主には忠実な犬種です。にぎやかなタイプではないですが、普段から落ち着きがあります。

バセンジーは吠えにくい犬種として知られています。賢く知性は高い一方で、独立心が強く、他人には警戒心を示したり、やや頑固な一面も持ち合わせたりするため、子犬の頃から信頼関係を築き、一貫性のあるトレーニングをおこなうことが大切です。

フレンチブルドッグ

人懐っこさ 人懐っこく、ほかのワンちゃんとも仲良くできる
おとなしさ 穏やかで無駄吠えが少ない
しつけやすさ(育てやすさ) 物覚えが良く、警戒心も低い

フレンチブルドッグの一覧はこちら

フレンチブルドッグは穏やかで人懐っこい性格の犬種です。明るく社交的で、誰にでもフレンドリーに接します。

無駄吠えが少なく警戒心もあまり強くないため、家庭内でも静かに過ごせます。物覚えもよい一方で頑固な一面もあるため、しつけは根気強くおこなう必要があります。飼い主とのコミュニケーションを大切にすることで、よりよい関係を築けるでしょう。

バセットハウンド

人懐っこさ 人にもワンちゃんにもフレンドリー
おとなしさ 落ち着きがあり、無駄吠えが少ない
しつけやすさ(育てやすさ) 賢く温厚

バセットハウンドは、穏やかでのんびりとした性格の犬種です。人やほかのワンちゃんともフレンドリーに接します。

警戒心が低く穏やかな性格のため、むやみに吠えることは少ないのが特徴です。ただし、吠えると声が大きいため、集合住宅などで飼育する場合は、無駄吠えをさせないよう子犬の頃からのしつけが大切です。

バセットハウンドは、興味のある匂いを追いかけることに夢中になるマイペースな一面があります。しつけには根気が必要ですが、賢く温厚な性格なので、時間をかければしっかりと応えてくれます。

【大型犬】吠えない・吠えにくい犬種3選

 【大型犬】吠えない・吠えにくい犬種3選

体が大きい分、落ち着いた性格のワンちゃんが多いのが大型犬の特徴です。その中でも、比較的吠えにくいとされるのは、以下の犬種です。

  • ゴールデンレトリーバー
  • ラブラドールレトリーバー
  • セントバーナード

ここからは、それぞれの犬種について解説します。

ゴールデンレトリーバー

人懐っこさ ほかの人やワンちゃんとも仲良くできる
おとなしさ 無駄吠えが少ない
しつけやすさ(育てやすさ) 賢く従順

ゴールデンレトリーバーは、温和で明るい犬種です。警戒心が低く誰にでもフレンドリーで、ほかの人やワンちゃんとも仲良くできます。

ゴールデンレトリーバーは、無駄吠えが比較的少ないものの、運動量の多さから、運動不足になるとストレスで吠えることがあります。ストレスが溜まらないよう、散歩や遊びの時間を確保しましょう。

ゴールデンレトリーバーは非常に賢く、飼い主に忠実な性格です。人間と一緒に作業をすることを好むため、しつけがしやすいのも魅力といえるでしょう。

ラブラドールレトリーバー

人懐っこさ 家族に愛情深く、ほかの人やワンちゃんにもフレンドリー
おとなしさ 無駄吠えが少ない
しつけやすさ(育てやすさ) 知性が高く順応性がある

ラブラドールレトリーバーは、人間と遊ぶことが大好きなほど警戒心が低く、非常に友好的な犬種です。家族に愛情深く、ほかの人やワンちゃんとも仲良くできます。

また、盲導犬や警察犬として活躍するワンちゃんも多く、学習能力の高さからしつけもしやすいとされています。警戒心が低く穏やかでおとなしい性格のため、吠えることは多くありません。ただし、必要な運動量が満たされないと、ストレスから吠えてしまうこともあります。

セントバーナード

人懐っこさ 温厚でおっとりした性格
おとなしさ 無駄吠えが少ない
しつけやすさ(育てやすさ) 賢くものわかりがよい

セントバーナードは大きな体が特徴で、マイペースで穏やかな優しい性格をしています。家族に対して愛情深く、辛抱強い犬種です。

その辛抱強さから、興奮もしにくく無駄吠えも多くありません。危険を察知したとき以外は、日常的に吠えることはほとんどないでしょう。

セントバーナードは賢い犬種なので学習能力が高いですが、やや頑固な面や警戒心の強い一面もあります。力も強いため、万が一の事故を防ぐためにも、子犬の頃から飼い主がしっかりとコントロールできるようにトレーニングすることが不可欠です。

愛犬が吠える理由と対策

 愛犬が吠える理由と対策

どんなにおとなしいワンちゃんでも、何かしらの理由があって吠えています。ワンちゃんが吠える主な理由は、主に以下の5つです。

  1. 周囲を警戒している
  2. 何かを要求している
  3. 興奮している
  4. ストレスを抱えている
  5. 不安を感じている

これらの理由を理解し、適切な対策をおこなうことが問題解決につながるでしょう。ここからは、それぞれの理由と対策を解説します。

理由1. 周囲を警戒している

ワンちゃんは自分の縄張りに見知らぬ人や動物が近づくと、周囲を警戒して吠えることがあります。これは、自分や家族を守ろうとするための行動です。特に、インターホンの音や来客に対して強く反応することがあります。また、警戒はしていなくても遠くで聞こえるサイレンの音や、ほかのワンちゃんの鳴き声に反応して遠吠えをすることもあります。

周囲への警戒吠えに対しては、吠えても危険なことは起こらないと学習してもらうことが重要です。たとえば、来客に協力してもらい、おやつをあげてもらうなど「来客=よいことがある」と関連付けます。

ほかにも、吠えている間はあえて相手をしないことも大切です。静かになった瞬間に褒めることで、「吠えなくても大丈夫」と学習します。

理由2. 何かを要求している

「ご飯がほしい」「遊んでほしい」「散歩に行きたい」など、飼い主に何かを要求するために吠えることがあります。これは要求吠えと呼ばれ、一度でも吠えて要求が通ってしまうと、「吠えれば言うことを聞いてもらえる」と学習してしまいがちです。

要求吠えに対しては、徹底して要求をのまないことが効果的です。吠えている間は目を合わせず、声もかけないようにして落ち着くまで待ちます。

吠えるのをやめて静かになった瞬間に、たくさん褒めて要求に応えてあげましょう。これを繰り返すことで、吠えても思い通りにはならないと学習します。

理由3. 興奮している

遊んでいる最中や散歩中にほかのワンちゃんと出会ったときなど、嬉しさや楽しさから興奮して吠えることがあります。これはポジティブな感情表現ですが、エスカレートするとコントロールが効かなくなることもあります。

興奮して吠えはじめたら一度遊びを中断し、愛犬が落ち着くまで静かに待ちましょう。このとき、飼い主が興奮して大声を出したりすると、愛犬はさらに興奮してしまいます。

愛犬と目を合わせず、静かになるまで待つのがポイントです。落ち着いたら遊びを再開することで、「興奮すると楽しいことが終わってしまう」と学習してもらえます。

理由4. ストレスを抱えている

ワンちゃんはストレスが溜まると、些細なことにも過敏に反応して吠えやすくなります。ストレスの原因は運動不足やコミュニケーション不足、長時間の留守番、引っ越しによる環境の変化など、いくつかあります。

ストレスが原因で吠えている場合は、まずその原因を取り除いてあげることが大切です。運動不足の場合は、散歩の時間を長くしたり、室内での遊びの時間を増やしたりしてエネルギーを発散させてあげましょう。

愛犬と過ごす時間が短い場合は、コミュニケーションを密にし、安心感を与えてあげるとストレスの軽減につながります。

理由5. 不安を感じている

飼い主の姿が見えなくなると、強い不安から吠え続けてしまうことがあります。これは「分離不安」と呼ばれる症状の1つです。たとえば、留守番中や飼い主が別の部屋へ移動しただけでも、不安から問題行動を起こすことがあります。

分離不安の改善には、お留守番のトレーニングが効果的です。まずは数分間の短い時間から留守番をはじめ、静かに待てたら褒めてあげる、という練習を繰り返します。

徐々に時間を延ばしていくことで、「飼い主は必ず帰ってくる」と学習し、安心して待てるようになります。

吠えない・吠えにくい愛犬に育てるには

 吠えない・吠えにくい愛犬に育てるには

犬種の違いだけでなく、日々の関わり方や環境づくりも愛犬の吠えやすさに大きく影響します。愛犬を落ち着いた吠えにくい子に育ってもらうためには、以下の3つのポイントが重要です。

  1. 事前に欲求を満たす
  2. 落ち着く環境を用意する
  3. 社会化トレーニングをおこなう

これらは、どの犬種にも共通して効果的なアプローチです。ここでは、それぞれのポイントについて解説します。

ポイント1. 事前に欲求を満たす

吠えにくい愛犬に育てるには、事前に欲求を満たすことが重要です。エネルギーが有り余っているのに散歩の時間が短いなど、欲求が満たされないとストレスから吠えやすくなるからです。

運動や遊びたい欲求がある場合は、散歩や室内での遊びを十分におこないましょう。ものを噛みたい欲求がある場合は、嚙み応えのあるおもちゃを与えるのもおすすめです。

吠える前に行動を起こし、愛犬の要求を先回りして満たしてあげることが、吠えの予防につながります。

ポイント2. 落ち着く環境を用意する

愛犬に落ち着いてもらうには、安心して休める自分だけの場所が必要です。クレートやサークルを使い、誰にも邪魔されずにリラックスできる空間を用意してあげましょう。

安心できる空間があると、興奮して吠えそうになる前に「ハウス」の指示でその場所へ誘導することで、犬は落ち着きやすくなります。クレートの中で過ごすことに慣れさせておけば、分離不安の軽減にもつながります。

ポイント3. 社会化トレーニングをおこなう

子犬の頃に社会化トレーニングをおこない、さまざまな経験をさせてあげることは非常に重要です。子犬の時期にほかのワンちゃんや家族以外の人、いろんなものや音に慣れていると恐怖心や警戒心が薄れます。その結果、未知のものに対して吠えにくくなります。

子犬を迎えたら、ほかのワンちゃんと遊ばせる機会を設けたり、色々な場所に連れて行ったりして、楽しい経験をさせてあげましょう。社会性を育むことで精神的に安定し、さまざまな状況に動じない落ち着いた愛犬に育ちます。

吠えにくい愛犬と穏やかな暮らしをはじめよう

 吠えにくい愛犬と穏やかな暮らしをはじめよう

全く吠えないワンちゃんはいませんが、穏やかな性格の犬種は比較的しつけがしやすく、無駄吠えも少ない傾向にあります。初心者の方は、穏やかな犬種を軸に選ぶのもよいでしょう。

吠えることは、ワンちゃんにとってのコミュニケーション手段です。そのため、愛犬が吠える背景には、周囲への警戒や何かの要求、興奮やストレスなどさまざまな理由があります。もし吠える頻度が高い愛犬をお迎えしてしまった場合でも、その理由をまずは理解したうえで、吠え方によって適切な接し方をすることで、吠えが少ない愛犬に育てていくこともできるでしょう。

この記事を参考にして、ご自身のライフスタイルに合った、かけがえのないパートナーを見つけてください。

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