子犬がトイレを失敗する原因は?しつけ方法や成功までの導き方を解説

ペットと暮らす 2025.9.1

子犬がトイレを失敗する原因は?しつけ方法や成功までの導き方を解説

「トイレのしつけは具体的にどうやって始めたらいいの?」
「外に出すと失敗するのはどうして?」
「全然トイレを覚えてくれない時は?」

子犬のトイレトレーニングについて、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。トイレを覚えてもらうには、飼い主がトイレのサインを把握し、成功体験をたくさん積ませることがポイントです。

この記事では、子犬のトイレのしつけ方を解説します。この記事を読めば、愛犬がトイレを失敗する原因や、どのように対応すれば良いのかが理解できるでしょう。ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 子犬がトイレを失敗する主な原因4つ
  2. 子犬のトイレをしつける方法・トレーニング
  3. トイレのしつけを成功に導くポイント4つ
  4. 子犬のトイレのしつけに関するよくある質問
  5. 子犬のトイレのしつけはサインを逃さないことが大切!

子犬がトイレを失敗する主な原因4つ

 子犬がトイレを失敗する主な原因4つ

子犬がトイレを失敗する主な原因は、以下の4つです。

  1. トイレのサイズが合っていない
  2. トイレの環境が適切でない
  3. 飼い主の観察・管理が足りない
  4. 怒られた経験から見られるとできない

愛犬の行動をよく観察し、どれに当てはまるか考えてみましょう。ここからは、それぞれの原因について解説します。

原因1. トイレのサイズが合っていない

トイレのサイズが合っていないと、失敗しやすくなります。本人はトイレでしているつもりでも、おしりや後ろ足がトレイの外にはみ出しているためです。

お迎えした当初はちょうど良かったトイレも、いつの間にか小さくなっているケースもあります。トイレに乗っているのに失敗する場合は、トイレのサイズを見直してみましょう。

原因2. トイレの環境が適切でない

愛犬が落ち着いて排泄できない環境も、トイレの失敗につながります。具体的には、以下のようなケースです。

  • トイレの場所が遠い
  • トイレの場所が騒がしい
  • トイレシートが汚れている

夢中になって遊んでいる最中、トイレが遠い場所にあると間に合わずに粗相をする場合があります。また、人の出入りが多い場所や、テレビの近くなど、騒がしくて落ち着かない場所にトイレを設置すると、愛犬は安心して排泄できません。

ほかにも、綺麗好きな性格のワンちゃんはトイレシートが少し汚れているだけでも排泄したがらず、わざと別の場所で排泄してしまうこともあります。愛犬の性格も考慮し、常に清潔な状態を保ってあげましょう。もしトイレが間に合っていないときは、トイレの設置場所も見直してみてください。

原因3. 飼い主の観察・管理が足りない

トイレトレーニングが成功するかどうかは、飼い主の観察力と管理にかかっているといっても過言ではありません。

飼い主が気づかないうちに粗相をされると、その場所に排泄物の匂いが残ります。愛犬は匂いが残っている場所を「ここはトイレなんだ」と勘違いし、同じ場所で失敗を繰り返す悪循環に陥ります。

見ていない間に失敗している場合、排泄のタイミングを把握した上で、失敗を防ぐ環境作りをしてあげましょう。具体的な方法については、後述する「子犬のトイレをしつける方法・トレーニング」でも解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。

原因4. 怒られた経験から見られるとできない

過去に粗相をして感情的に注意された経験があると、飼い主の目の前で排泄するのを怖がるケースがあります。排泄すること自体が悪いことだと勘違いすると、家具の裏や部屋の隅など、隠れた場所でこっそりするようになります。

隠れて排泄されると、正しい場所へ誘導する機会を失い、成功体験を積ませることができません。失敗しても淡々と片づけ、臭いが残らないよう掃除するのがポイントです。

子犬のトイレをしつける方法・トレーニング

 子犬のトイレをしつける方法・トレーニング

トイレのしつけは、以下の4つの手順で根気よく進めることが大切です。

  1. サークル内のセッティングを見直す
  2. サークル内で成功するまで注意深く様子を見る
  3. トイレが成功したらたくさん褒めて、サークルの近くで10~15分遊ぶ
  4. 10分~15分経ったら、夢中になれる物と一緒にサークルへ戻す

それぞれの内容について詳しく解説します。

ステップ1. サークル内のセッティングを見直す

トイレトレーニングのファーストステップは「サークル内で100%成功させること」です。そのため、サークル内に失敗を誘発するものがないか、セッティングを見直しましょう。

トレーニングに失敗していない場合は今のままのセッティングでOKですが、失敗しているのであれば以下のような内容に変えてみてください。

  • トイレトレーをサークルの扉側に置く
  • 給水機はワンちゃんの身体がすべて入る場所に置く
  • ベッドやブランケットで失敗してしまう場合はベッドやブランケットの代わりにクレートを使用する(クレートの中には何も敷かない)

トイレトレーをサークルの扉側に置くのは、今後「サークルの外で遊んでいてもサークルの中のトイレに戻る」というトレーニングを行う際、ワンちゃんがスムーズにサークルに戻るためです。

給水機の設置場所については、遊んでいる最中にお水を飲みにサークルに戻るという行動が、トイレへ戻るという行動を想起させる良い習慣づけになるためです。

また、ベッドやブランケットの上などの柔らかい場所は、ワンちゃんは土や草の上などの柔らかい場所で排泄する習性から、足の感覚で勘違いするケースがあります。ベッドやブランケットで失敗する場合は、何も敷いていないクレートを使用してみましょう。

ステップ2. サークル内で成功するまで注意深く様子を見る

まずはサークル内で成功できる環境を作り、成功したらたくさん褒めて成功体験を積ませてあげることで、ワンちゃんはトイレを覚えていきます。

そのため、排泄の直後にワンちゃんを褒められるよう、以下のような排泄しやすいタイミングは特に注意深く愛犬を観察してあげましょう。

  • 寝起き
  • ごはんを食べた後
  • 体を動かしたあと、抱っこのあと

ステップ3. トイレが成功したらたくさん褒めて、サークルの近くで10~15分遊ぶ

トイレで成功したら思いっきり褒めて、サークルから出して遊んであげましょう。この際、ただ褒めるだけではなく「“良い子”の掛け声」+「ご褒美(ごはん・おやつ)」+「フリータイム」の褒める三原則を覚えておいてください。

成功したときに思いっきりほめてあげることで、ワンちゃんたちはもっと褒めてもらいたくてトイレを覚えていってくれます。この際、特別感を出してあげることが大切なので、トイレトレーニング専用のおやつをひとつ決めてあげるのも効果的です。

またトイレの成功でサークルから出した際には、しっかりとルールを守って過ごすことが大切です。ここで自由に「一人で遊んでね〜」と放置してしまうと、いろいろな物へのイタズラ・アピールによる噛み癖・トイレの失敗につながります。そのため、以下の4つのようなルールを守ることが大切です。

  • 絶対に目を離さない
  • 1回当たりの時間は10~15分程度からスタート
  • 愛犬にしっかりと向き合って遊ぶ
  • サークルの近くで遊ぶ

ルール1. 絶対に目を離さない

トイレの成功に伴って愛犬をサークルから出す場合は、絶対に目を離さないでください。少し目を離す場合でも、一度サークルに戻すようにしましょう。

排泄してから出したとはいえ、まだまだ膀胱の機能も発達していないため、すぐに排泄したくなることもしばしばです。ちょっと目を離したことが原因で失敗してしまった、なんてこともよくあります。

「別の部屋におもちゃを取りに行く」「一瞬人間がお手洗いにいく」そんな数秒のことであっても、愛犬を一度サークルに戻すようにしましょう。

ルール2. 1回当たりの時間は10~15分程度からスタート

「10分ぐらいでいいの?それだけ?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。これがずっと続くわけではなく、まずはこの時間からスタートするだけです。これからのトイレトレーニングのレベルアップに合わせて徐々に伸ばしていきますのでご安心ください。

10〜15分程度からスタートする場合、1回あたりの時間は短くなりますが、排泄をすればその回数分出してあげられます。そのため、しっかりトイレを目撃すればするほど、愛犬とコミュニケーションを取れるのに加え、トイレトレーニングも進んでいきますので、まずは10〜15分から始めてみてください。

ルール3. 愛犬にしっかりと向き合って遊ぶ

愛犬をサークルから出している間、「ながら遊び」ではなく、しっかりと向き合って遊ぶことが大切です。1回あたりの遊ぶ時間は短いかもしれませんが、しっかりと向き合って遊ぶことで、長時間一人で遊ぶよりも満足度は高くなります。

ルール4. サークルの近くで遊ぶ

いきなり広いお部屋全体をフリーにした場合、体の小さいワンちゃんからすると、テーブルや棚などの家具、壁などの障害物がたくさんあって迷路のような状態です。そのような状態で、自分のサークルを見つけてトイレに戻っていくなんてことは絶対にできません。

そのため、サークルの周りを仕切り、フリースペースを作ってあげられるとベストです。ただし、なかなか難しい部分もあるかと思いますので、その場合はできる限り、サークルの近くや目の前で遊ぶようにしてあげてください。

ステップ4. 10分~15分経ったら、夢中になれる物と一緒にサークルへ戻す

愛犬としっかりと遊んだ後は、休んでもらうためにサークルに戻します。その際、ただサークルに戻してしまうと「もっと遊びたい」「一緒にいたい!」と吠えることにつながります。

そのため、コングなどの知育玩具にごはんやおやつを入れて、ハウスを楽しんでもらいながら休憩してもらうことが大切です。それでもなお、愛犬が吠え始めてしまった際は、サークル全面を囲えるタオルなどの布で視界を暗くし、大人しくなればタオルを全面だけあげるなどの「ハウストレーニング」を行ってみましょう。

トイレのしつけを成功に導くポイント4つ

 トイレのしつけを成功に導くポイント4つ

以下4つのポイントを押さえると、成功率を高められます。

  1. 失敗したら無言でサークルに戻してから片づける
  2. 定着するまで目を離さずトレーニングを続ける
  3. トイレの周りにある布製品を片づける
  4. トイレスプレーを活用してみる

ここからは、それぞれのポイントについて解説します。

ポイント1. 失敗したら無言でサークルに戻してから片づける

愛犬がトイレ以外の場所で粗相をしたら、愛犬を無言でサークルに戻して片づけます。大げさなリアクションをすると、気を引くためにわざと失敗を繰り返す可能性があるからです。

また、匂いが残っていると、その場所をトイレだと思って失敗を繰り返します。匂いが残らないように、ペット用の消臭スプレーを使って掃除しましょう。

ポイント2. 定着するまで目を離さずトレーニングを続ける

トイレトレーニングは、一度や二度成功したからといって終わりではありません。愛犬が自らトイレの場所へ行き、確実に排泄できるようになるまで、根気強くトレーニングを続けます。

特に、愛犬が自由に過ごしている間は、目を離した隙に失敗してしまうことも少なくありません。排泄のサインを見逃さないよう、しばらくは注意深く観察を続けましょう。

ポイント3. トイレの周りにある布製品を片づける

トイレの近くにある布製品は、片づけておきましょう。ワンちゃんは草むらや土の上で排泄していた名残から、柔らかくて吸収性の良い場所を好む傾向があります。

トイレの近くにカーペットやラグ、マットなどの布製品があると、それらをトイレと勘違いして粗相をすることがあります。トイレトレーニング中は、失敗の原因となりそうな布製品を一時的に片づけておくとスムーズです。

ポイント4. トイレスプレーを活用してみる

トレーニングがうまくいかない場合は、市販のしつけ用スプレーを試してみるのも1つの方法です。

トイレスプレーには、主に2つのタイプがあります。1つ目は、粗相をしてほしくない場所に吹きかけて、愛犬が嫌がる匂いで近づけないタイプです。2つ目は、トイレシーツなどに吹きかけ、愛犬が好む匂いで排泄を促すタイプです。

愛犬の状況に合わせて、上手に活用してみましょう。

子犬のトイレのしつけに関するよくある質問

 子犬のトイレのしつけに関するよくある質問

最後に、子犬のトイレトレーニングに関するよくある質問にお答えします。

子犬をサークルから出すとトイレに失敗するのはなぜ?

子犬がサークルの外でトイレを失敗するのは、主に2つの理由があります。

1つ目は、遊びに夢中になっていることです。サークルから出られる喜びで興奮し、遊びに熱中するあまり、トイレを我慢できなくなったり、トイレの場所まで行くのを忘れたりすることがあります。

2つ目は、トイレの場所を理解していないことです。行動範囲が広がると、どこが正しいトイレの場所なのかわからなくなります。

これらの問題を解決するには、遊びの途中で定期的にトイレに誘導したり、サークルなどで行動範囲を限定して少しずつ慣らしていくのが効果的です。

子犬がわざとトイレ以外でする可能性はある?

子犬がトイレ以外でわざと排泄するように見える行動には、いくつかの理由が考えられます。

まず、トイレの場所や環境が気に入らない可能性があります。トイレが汚れていたり、騒がしかったりすると、別の場所で排泄しようとします。常にトイレを清潔で静かな状態に保つことが大切です。

次に、飼い主の気を引きたいという心理も考えられます。粗相をすると飼い主が駆けつけてくれることを覚えてしまい、構ってもらいたくてわざと失敗するケースです。この場合は、失敗しても騒がず無視し、普段から愛犬と十分なコミュニケーションをとるようにしましょう。

子犬のトイレトレーニングはいつから始めるのがよい?

子犬のトイレトレーニングは、お迎えしたその日から始めるのが理想的です。生後2〜3カ月頃の子犬は学習能力が高く、新しいことを吸収しやすい時期です。

社会化期と呼ばれる大切な時期に正しい習慣を教えると、その後のしつけがスムーズに進みやすくなります。

子犬のトイレのしつけはサインを逃さないことが大切!

 子犬のトイレのしつけはサインを逃さないことが大切!

愛犬にトイレを覚えてもらうには、排泄のサインを見逃さず、成功体験を積み重ねることです。成功をたくさん褒めてあげると、愛犬はトイレで排泄すると嬉しいことがあると学習し、自ら進んで排泄できるようになります。

失敗した時は愛犬をサークルに戻し、淡々と片づけます。匂いが残っているとトイレの場所だと勘違いするため、匂いがなくなるように消臭するのが大切です。

これからトイレトレーニングを始める方は、ぜひこの記事でご紹介したポイントを参考にしてみてください。


ドッグトレーナーのコメント

ドッグトレーナー鈴木朱津美 「どうしてうちの子はトイレを失敗するんだろう?」「みんなはどうやってトイレを教えているのかな?」
子犬との生活を始めると、多くの方がこのような悩みに直面します。
そんな時は、ドッグトレーナーなどの専門家に相談し、正しい方法を学ぶことが、ワンちゃんとの暮らしを安心して楽しむための第一歩になります。

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