子犬の無駄吠えはしつけで直せる!吠える理由と対策を解説

ペットと暮らす 2025.10.1

子犬の無駄吠えはしつけで直せる!吠える理由と対策を解説

「子犬の無駄吠えはしつけで直るの?」
「子犬が吠える理由は?」
「無駄吠えを直すトレーニングは何をすれば良い?」

子犬の無駄吠えについて、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。子犬の無駄吠えをなくすには、愛犬と信頼関係を築いたうえで、家族内でルールを統一して対応を一貫させるのがポイントです。

この記事では、子犬の無駄吠えをなくす方法を解説します。また、無駄吠えする理由や無駄吠えを直すトレーニング方法についても触れていきます。

この記事を読めば、愛犬の気持ちを理解し、今日から実践できる具体的なしつけの方法がわかるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

目次

  1. 子犬の無駄吠えとは?いつまで続く?
  2. 子犬の無駄吠えをなくすためのポイント
  3. 子犬が無駄吠えする6つの理由
  4. 子犬の無駄吠えのしつけ方・トレーニング
  5. しつけがうまくいかない時は専門家に相談するのもひとつの方法
  6. 子犬の無駄吠えはしつけで直せる!

子犬の無駄吠えとは?いつまで続く?

 子犬の無駄吠えとは?いつまで続く?

「無駄吠え」とは、人間社会で生活するうえで問題となる吠え方のことです。ワンちゃんにとっては理由のある行動でも、吠え方によっては飼い主や周囲の人々にとって大きなストレスになります。

子犬の場合、要求を伝えたり警戒心を表したりするために吠えることがあります。子犬の無駄吠え(要求吠えや警戒吠え含む)は、成長期となる生後3ヵ月から思春期や反抗期を経て警戒心がより強くなっている1歳前後まで続くのが一般的な考えです。

また、1歳以降自然に無駄吠えが無くなっていくわけではありません。子犬のうちから原因に沿った対応をしなければ、成犬になった後も無駄吠えは定着してしまうという点は注意が必要です。

子犬の無駄吠えをなくすためのポイント

 子犬の無駄吠えをなくすためのポイント

子犬の無駄吠えは、吠えている原因に合ったしつけをしっかりすることで改善できます。本格的なトレーニングを始める前に、まずは以下の4つのポイントを理解しましょう。

  1. しつけには愛犬との信頼関係が大切
  2. 警戒吠えの予防には社会化が大切
  3. 要求吠えには応えない
  4. 家族内での一貫したルールが必要

これらのポイントを押さえると、しつけの土台ができて無駄吠えを直しやすくなります。ここからは、それぞれのポイントを解説します。

ポイント1. しつけには愛犬との信頼関係が大切

しつけを成功させるうえで大切なのは、愛犬との信頼関係です。ワンちゃんは本来、リーダーを求める動物であり、信頼できる飼い主の指示には安心して従います。

優しく接して安心感を与え、「この人は自分を守ってくれる存在だ」と認識してもらうことが大切です。日々のコミュニケーションを通じて愛情を伝え、愛犬が心から安心して暮らせる環境を整えることが、しつけの第一歩です。

ポイント2. 警戒吠えの予防には社会化が大切

子犬の無駄吠えは大きく「警戒吠え」と「要求吠え」に分類されます。子犬が吠えている理由がどちらなのかを把握し、適切な対応をしてあげる必要があります。子犬の無駄吠えのうち「警戒吠え」を予防するには、社会化が大切です。

社会化とは、子犬がこれからの生活で出会うであろう様々な刺激に慣れ、適切に対応できるように学習するプロセスです。

社会化が不足すると、見慣れないものに対して過度な不安や恐怖を感じ、警戒心から無駄吠えにつながることがあります。子犬の時期にたくさんの良い経験をさせてあげると、落ち着きのある成犬へと成長する手助けになります。

ポイント3. 要求吠えには応えない

子犬の要求には、応えないことで「吠えても要求が通らない」と教えましょう。要求吠えに対して、大きな声で注意したりおやつを与えて気を逸らしたりするのは避けるべき対応です。

無駄吠えに対して大きな声で注意すると、愛犬は勘違いして無駄吠えを続ける可能性があります。「構ってくれた」と解釈する可能性があるからです。おやつを与えることに関しても、吠えた直後におやつをもらうことで「吠えれば良いことがある」と学習してしまい、要求吠えをさらに強化させる可能性があります。

静かにしている時にしっかりと褒め、望ましい行動ができた時のご褒美としておやつを与えるのが効果的です。

ポイント4. 家族内での一貫したルールが必要

しつけの際は、家族全員が同じルールで一貫した対応をしましょう。人によって言うことや態度が違うと、「誰が正しいの?」と愛犬が混乱し、しつけがスムーズに進みません。

そこで、家族内で「吠えている間は徹底して相手にせず、静かになったら褒める」などの対応策を共有しましょう。家族全員が同じように愛犬と接することが大切です。

子犬が無駄吠えする6つの理由

 子犬が無駄吠えする6つの理由

子犬の無駄吠えには、細かく分けて以下6つの理由があります。

  1. 要求を伝えている
  2. 警戒している
  3. 興奮している
  4. 不安を感じている
  5. ストレスが溜まっている
  6. 体調不良が生じている

無駄吠えのしつけを始める前に、まずは愛犬がなぜ吠えているのか、その気持ちを理解しようとすることが大切です。ここでは、子犬が吠える理由を解説します。

理由1. 要求を伝えている

子犬は「ごはんが欲しい」「ケージから出してほしい」など、飼い主へ要求を伝えるために吠えることがあります。これは「要求吠え」と呼ばれ、子犬によく見られる行動です。

要求吠えに対してすぐに応えると、「吠えれば要求が通る」と学習し、習慣化するため注意が必要です。

要求吠えには、相手をしないことで「吠えても要求が通らない」と教えましょう。具体的なしつけ方は「【要求吠え】相手をしないことで要求が通らないと教える 」で解説しています。

理由2. 警戒している

インターホンの音や見知らぬ来客、散歩中にすれ違う人やほかのワンちゃんに対して、警戒心や縄張り意識から吠えることがあります。これは「警戒吠え」と呼ばれ、自分のテリトリーを守ろうとするワンちゃんの自然な行動です。

警戒吠えの場合、何に対して不安や恐怖を感じているのかを観察し、その対象が危険なものではないと教えてあげることが大切です。詳細は「【警戒吠え】怖くないことを教えて安心させる 」で解説しています。

理由3. 興奮している

遊んでいる途中で急に吠える、走り回っている時に急に吠えるなど、楽しさで気持ちが高ぶり、興奮して吠えることがあります。これは「興奮吠え」と呼ばれます。

遊びの最中に「ウー」とうなり始めたら、興奮が高まっているサインかもしれません。この場合、子犬の興奮を助長しないように注意が必要です。具体的な対処法は「【興奮吠え】ホールドやコマンドでクールダウンさせる 」で解説しています。

理由4. 不安を感じている

飼い主の姿が見えなくなったり、ひとりでお留守番をしたりする際に、不安や寂しさから吠え続けることがあります。これは「不安吠え」と呼ばれ、特に飼い主への依存度が高いワンちゃんに見られます。

不安吠えの場合は、クレートトレーニングで愛犬が安心できる場所を作ってあげることがポイントです。具体的な進め方は「【不安吠え】クレートトレーニングで安心できる場所を作る 」で解説しています。

理由5. ストレスが溜まっている

散歩や遊びの時間が足りず、エネルギーを発散できていないと、ストレスや退屈さから吠えることがあります。特に活発な子犬にとって、運動不足は大きなストレスの原因となります。

何かを要求するわけでもなく、ただ吠え続けている場合は、退屈しているサインかもしれません。

運動不足のストレスで吠えている場合は、散歩に連れて行ったり、室内で遊んだりして発散させましょう。詳しい説明は「【ストレス吠え】散歩や室内遊びで発散させる 」で解説しています。

理由6. 体調不良が生じている

体のどこかに痛みや不快感がある場合、それを訴えるために吠えることがあります。いつもと違う甲高い声で鳴いたり、特定の場所を触ると嫌がったり、急に吠えるようになったりした場合は注意が必要です。

このようなサインが見られたら、病気やケガの可能性も考えられるため、早めに動物病院を受診しましょう。詳細は「【体調不良の場合】動物病院へ連れて行く 」で解説しています。

子犬の無駄吠えのしつけ方・トレーニング

 子犬の無駄吠えのしつけ方・トレーニング

子犬の無駄吠えの種類によって、効果的な対処法は以下のように異なります。

無駄吠えの種類 しつけ方・トレーニング
要求吠え 相手をしないことで要求が通らないと教える
警戒吠え 怖くないことを教えて安心させる
興奮吠え ホールドやコマンドでクールダウンさせる
不安吠え クレートトレーニングで安心できる場所を作る
ストレス吠え 散歩や室内遊びで発散させる
体調不良による吠え 動物病院へ連れて行く

ここでは、理由別の具体的なしつけ・トレーニング方法をご紹介します。

【要求吠え】相手をしないことで要求が通らないと教える

要求吠えに対して効果的なのは、吠えている間は相手をしない対応です。目を合わせず、声をかけず、背中を向けるなどして「吠えても無駄だよ」と態度で示します。また、サークルの中で吠え続けている場合、一時的にサークルの全面をタオルやブランケット等で覆い、視界を暗くするのも効果的です。

必ず、ワンちゃんが吠えるのをやめて静かになっている時に遊ぶ、ご飯をあげるなどの対応をしましょう。メリハリをつけると「吠えないでいたほうが要求が通る」という学習につながります。

【警戒吠え】怖くないことを教えて安心させる

インターホンや来客に対する警戒吠えは、その対象が「怖くない、むしろ良いことが起こる合図だ」と教えることが有効です。

具体的なトレーニング方法は、以下の通りです。

  1. ごはん・おやつなどのご褒美を用意する
  2. 吠えている対象を確認させる(近くに連れて行ってにおいを嗅がせる、音を聞かせるなど)
  3. 吠えずにいられたら褒めて、ご褒美をあげる

まず、愛犬が好きなごはんやおやつを用意し、一緒にその対象を確認しに行きます。吠えている対象を確認させる時は、必ずその吠えている対象のもとに連れて行って確認させてあげることが重要です。

吠えていた対象を見つめたり、においを嗅いでも愛犬が吠えずに落ち着いていられたら、その瞬間に「偉いね」「上手だね」とたくさん褒めて、用意したご褒美をあげます。もし、対象を怖がってしまう場合は無理に近づけず、ごはんやおやつを対象物の近くに置き、近づけるところでご褒美をあげて褒め続けましょう。

吠えの原因となる刺激に慣れさせるために、日々その対象を確認させる練習を行うことが大切です。

【興奮吠え】ホールドやコマンドでクールダウンさせる

遊びの最中などに興奮して吠え始めたら、一度遊びを中断し、ホールドをしてクールダウンさせましょう。愛犬が指示に従える場合は、「おすわり」や「ふせ」といったコマンドを使うのも有効です。

この時、飼い主も一緒になって興奮せず、低いトーンの声で落ち着いて接することが大切です。愛犬が指示に従い、冷静さを取り戻せたら、“よし”の合図で遊びを再開します。これを繰り返すことで、愛犬自身で興奮をコントロールする練習になります。

【不安吠え】クレートトレーニングで安心できる場所を作る

お留守番などの不安から吠えてしまう場合には、愛犬が安心して過ごせる自分だけの「おうち」を作ることが効果的です。そのために役立つのが「クレートトレーニング」です。

クレートの中に大好きなおもちゃやおやつを入れ、愛犬が自ら入るように促します。愛犬に自分から入ってもらい「クレートは楽しくて安心できる場所」と認識させることがポイントです。

短時間の滞在から始め、徐々に時間を延ばしていくことで、飼い主と離れていても落ち着いて過ごせるようになります。また、クレートの中で知育玩具のコングの中にごはんを入れて与えるなど、愛犬にクレートの中で良いことがあると覚えさせるのも効果的です。

【ストレス吠え】散歩や室内遊びで発散させる

運動不足や退屈が原因の場合は、エネルギーを発散させてあげることが一番の解決策です。毎日の散歩の時間を少し延ばしたり、コースを変えたりして、心身ともに満足させてあげましょう。

雨の日などで外に行けない時は、室内での遊びを工夫するのも良い方法です。ロープを使った引っ張りっこや、おやつを隠して探させるノーズワークなどは、頭も体も使うので良いストレス発散になります。

また、ボール遊びや引っ張りっこなど色々な遊びがありますが、その子その子によって遊びの好みは異なります。我が子が好きな遊びやおもちゃを把握し、それで遊んであげることも効果的です。

【体調不良の場合】動物病院へ連れて行く

いつもと様子が違う吠え方をする場合は、痛みや不快感を訴えているサインかもしれません。たとえば特定の場所を触ると「キャン!」と高い声を出したり、噛もうとしたりしてくる際は、体調不良の可能性があります。

この場合は、隠れた病気がないかを確認してもらうことが最優先です。かかりつけの動物病院で獣医師に相談しましょう。

しつけがうまくいかない時は専門家に相談するのもひとつの方法

 しつけがうまくいかない時は専門家に相談するのもひとつの方法

独学でのしつけに行き詰まりを感じたら、無理せず専門家の力を借りることも考えてみましょう。ドッグトレーナーなどの専門家は、ワンちゃんの行動に関する深い知識と豊富な経験を持っています。

専門家はその子の性格や生活環境を詳しく見たうえで、なぜ吠えるのかという根本的な原因を突き止めてくれます。それをもとに、家族とワンちゃんに合った効果的なアプローチを提案してくれるでしょう。

一人で抱え込まずに相談することで、解決への近道が見つかるはずです。

子犬の無駄吠えはしつけで直せる!

 子犬の無駄吠えはしつけで直せる!

子犬の無駄吠えをなくすには、愛犬と信頼関係を築いたうえで、家族内でルールを統一し、対応を一貫させるのがポイントです。無駄吠えにはいくつか理由があり、愛犬の気持ちを理解してトレーニングを行う必要があります。

ただし、特定の場所を撫でると吠えるなど、いつもと様子が違う場合は、痛みや不快感を訴えているサインかもしれません。この場合は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

自分で行うトレーニングではうまくいかない場合は、ドッグトレーナーに相談するのもひとつの方法です。愛犬が吠える理由を突き止め、その子に合ったアプローチ方法を提案してくれます。

無駄吠えで悩んでいる方は、ぜひこの記事で紹介した方法を参考にしてみてください。


ドッグトレーナーのコメント

ドッグトレーナー鈴木朱津美「大きくなったら吠えなくなるかな」「最近吠えなくなってきたのにまた吠えるようになった」など、1歳までの様々なタイミングで悩まされるのが吠え癖です。

ワンちゃんには吠える理由がいくつかあります。
その理由にあった対応が大切になるため、ドッグトレーナーなどの専門家に相談し、正しい方法を学ぶことが、ワンちゃんとの暮らしを安心して楽しむための第一歩になります。

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