子犬の散歩はいつから?ワクチンの時期や慣らし方・歩かない悩みを解説

「子犬の散歩はいつから始めたらいいの?」
「抱っこ散歩ならいつからでもOK?」
「歩かないで固まっちゃう時はどうするの?」
新しく子犬をお迎えするにあたって、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。子犬の場合、最後の混合ワクチン接種から2週間後に散歩デビューするのが基本ですが、地面に足をつけない抱っこ散歩なら、ワクチン接種が完了する前でも問題ありません。
この記事では、子犬の散歩を始めるタイミングについて解説します。また、ワクチン接種との関係やデビューに向けたトレーニング方法についても触れています。
この記事を読めば、子犬の散歩を始めるスケジュール感を理解できるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
目次
- 子犬の散歩はいつから?最後の混合ワクチン接種から2週間後が基本
- 愛犬と散歩する時に守るべき3つのマナー
- 【ワクチン接種完了前】子犬の散歩の慣らし方・トレーニング
- 【ワクチン接種完了後】子犬の散歩の慣らし方・トレーニング
- 散歩中の愛犬の困った行動への対処法
- 子犬の本格的な散歩は混合ワクチン接種が完了してから
子犬の散歩はいつから?最後の混合ワクチン接種から2週間後が基本

子犬の散歩デビューは、感染症から守るための免疫力が十分についたタイミングで行うのが基本です。具体的には、最後の混合ワクチン接種から2週間後が目安となります。ワクチン接種後に抗体が体内で安定するまで、約2週間かかるとされているためです。
なお、生後91日以上の子犬はお迎えから30日以内に狂犬病ワクチンを接種する必要があります。しかし、すべての混合ワクチン接種が完了していれば、狂犬病ワクチンの前に散歩デビューできます。
混合ワクチン接種は3回が一般的
混合ワクチンの接種スケジュールは動物病院の方針によって異なりますが、3回の接種が一般的です。多くの場合、生後3〜4カ月頃にすべてのワクチン接種が完了します。
ワクチン接種回数 | 時期(目安) |
---|---|
1回目 | 生後8週齢 |
2回目 | 生後12週齢頃 (1回目から2~4週後) |
3回目 | 生後16週齢頃 (2回目から2~4週後) |
子犬を迎え入れた時点で、ブリーダーやペットショップがすでに1回目のワクチン接種を終えているケースも珍しくありません。お迎えの際は、接種証明書などを通して接種状況を確認する必要があります。
なお、ワクチンの接種回数については、獣医師の指示に従いましょう。母犬から受け継いだ抗体が消失するタイミングに個体差があることから、獣医師によって見解が分かれることもあります。
抱っこ散歩は混合ワクチン接種完了前でもOK
すべての混合ワクチンが完了する前でも、飼い主が抱っこした状態での「抱っこ散歩」であれば、始めても問題ありません。ただし、感染症対策として地面を歩かせないこと、直接嗅がせないことが大前提です。
本格的な散歩デビューは感染症への抵抗力がつくワクチンプログラム完了後が基本です。しかし、接種が終わる生後3~4カ月頃まで全く外に出ないと、「社会化期」を逃す可能性があります。社会化期とは、子犬がさまざまな物事に順応する大切な時期です。
抱っこ散歩は感染症のリスクを抑えながら、外の動くものや音、においなどに触れるといったことで社会経験を積ませるための有効な手段です。外に慣れさせ、警戒心を解くとスムーズに散歩できるようになります。
最終的な判断は獣医師に相談することが大切
子犬の散歩をいつから始めるかの最終的な判断は、かかりつけの獣医師に相談することが大切です。
上記で解説した散歩開始のタイミングは、あくまで一般的な目安です。最適な時期は、子犬の健康状態やワクチンの種類、母犬から受け継いだ抗体の量などによって異なります。
「ワクチンは2回でいいと言われたけれど、本当に大丈夫?」など、少しでも不安や疑問があれば遠慮なく相談しましょう。愛犬にとって安全で最適な散歩デビューをするために、まずは獣医師の診断を仰いでみてください。
「かかりつけ医がまだいない」「気軽に相談できる場所がほしい」という場合は、ペッツファーストの動物病院をご利用ください。ペッツファーストは全国に動物病院を展開しており、経験豊富な獣医師がワンちゃんに合わせた的確なアドバイスを提供します。
愛犬と散歩する時に守るべき3つのマナー

安全で快適に散歩するには、以下3つのマナーを守ることが大切です。
- 散歩グッズを用意する
- 排泄物は責任を持って処理する
- 他人やほかのワンちゃんに配慮する
ここからは、それぞれのマナーについて解説します。
マナー1. 散歩グッズを用意する
散歩グッズの例 | 用途 | カラー・ハーネス、リード | ワンちゃんの安全を確保する |
---|---|
ウンチ袋、ティッシュ、スコップなど | 排泄物を処理する |
水と容器 | 水分補給のほか、排尿した場所を洗い流す |
おやつ・ごはん | しつけやトレーニングのごほうびに使う |
迷子札 | 万が一に備え、連絡先を明記したものを装着する |
愛犬との散歩を安全で快適なものにするため、必要なグッズを揃えることから始めましょう。
ワンちゃんの安全を確保し、適切にコントロールするためにはカラーやハーネス、リードが不可欠です。体に合ったサイズのものを正しく装着しましょう。
散歩中の排泄物を処理するためのウンチ袋やティッシュ、水分補給や排尿した場所を洗い流すための水を入れた容器も携帯します。しつけやトレーニングのごほうびとしておやつやごはんがあると、コミュニケーションがよりスムーズになります。
万が一の迷子に備え、連絡先を明記した迷子札を装着すると安心です。
マナー2. 排泄物は責任を持って処理する
散歩中に愛犬が排泄した場合、その処理は飼い主の責任です。ウンチは必ず袋に入れて持ち帰り、自宅で処分しましょう。尿をした場合は、持参した水で洗い流すなどの配慮が求められます。
公園のトイレに流したり、公共のゴミ箱に捨てたりするのはマナー違反です。できる限り散歩前に自宅で排泄を済ませる習慣をつけると、外出先での処理の手間を減らせます。
マナー3. 他人やほかのワンちゃんに配慮する
散歩中は、周囲の人やほかのワンちゃんに配慮しましょう。中には、ワンちゃんが苦手な人もいます。人混みや狭い道ではリードを短く持ち、ほかの人にむやみに近づかせないなどの心掛けが大切です。
ほかのワンちゃんと挨拶させたい時は、相手の飼い主に許可を得てからにしましょう。ワンちゃんによっては、ほかのワンちゃんを怖がったり、威嚇したりする子もいます。
【ワクチン接種完了前】子犬の散歩の慣らし方・トレーニング

本格的な散歩デビューをスムーズにするため、ワクチン接種の完了を待っている期間から少しずつ準備を始めると効果的です。具体的な進め方は、以下の通りです。
- カラーとリードに慣れてもらう
- 室内で飼い主について歩く
- 抱っこ散歩で外の世界に慣れてもらう
ここからは、それぞれのステップについて解説します。
ステップ1. カラーとリードに慣れてもらう
多くの子犬にとって、体に何かを装着されるのは初めての経験です。まずは、カラーやリードに慣れてもらうことから始めましょう。
最初のうちは、室内で短い時間の装着でかまいません。装着できたらすぐにおやつをあげたり、たくさん褒めてあげたりして、「カラーをつけると良いことがある」と学習してもらいます。『遊んでいる時やごはんを食べている間だけカラーとリードをつける』といったように、『カラーとリード=楽しい時間』と意識付けると効果的です。
これを繰り返すと、装着されることへの抵抗感が少なくなります。
ステップ2. 室内で飼い主について歩く
カラーとリードに慣れたら、室内でリードをつけて歩く練習をします。リードは引っ張らず、飼い主の横について歩くように優しく促します。上手に歩けたら、その都度褒めることが大切です。
室内での練習は、単に歩行に慣れるだけでなく、飼い主の指示に従うという基本的なしつけや、信頼関係の構築にもつながります。
ステップ3. 抱っこ散歩で外の世界に慣れてもらう
すべてのワクチン接種が完了する前でもできる抱っこ散歩は、外の世界に慣れるための大切な機会です。飼い主の腕の中で守られている安心感から、子犬はリラックスして周囲を観察できます。
五感を通して、動いている車の音や風の音・におい、話している人の声など、外のさまざまな刺激を体験させてあげましょう。この経験が、実際に自分の足で歩き始めた時の恐怖心や過剰な興奮を和らげるのに役立ちます。
また、大通りや公園、住宅街や幼稚園・学校の近くなど、さまざまなルートに連れて行ってあげましょう。時間帯もいつも同じ時間帯ではなく、朝・夕・夜の時間の変化を意識し、1日の中でも複数回連れて行ってあげられるとより学習を深められます。
ただし、感染症対策として歩かせず、直接嗅がせないというのが大前提です。抱っこ散歩の際もごはんやおやつを持参し、特定のものや音を愛犬が気にしている時は「吠えないでえらいね」と褒めるようにしましょう。愛犬が何かをじっと見ていないか、耳が動いていないかなど、特定の物を気にしている様子があればすぐに褒めてごほうびのごはんやおやつを与えられるように、飼い主もよく愛犬を観察しながら散歩することが大切です。
【ワクチン接種完了後】子犬の散歩の慣らし方・トレーニング

すべての混合ワクチン接種が終了して2週間ほど経てば、散歩デビューができます。子犬の散歩は、以下の3ステップで始めましょう。
- まずは散歩が楽しい時間であると認識してもらう
- 静かで安全な場所で歩いてみる
- 5〜10分から始めて徐々に散歩時間を延ばす
ここからは、それぞれのステップについて解説します。
ステップ1. まずは散歩が楽しい時間であると認識してもらう
初めての散歩で大切なのは、「散歩は楽しいことだ」と子犬に感じてもらうことです。
外に出ただけでも、子犬にとっては大きな一歩です。たくさん褒めてあげたり、特別なおやつをあげたりして、ポジティブな経験として記憶づけてあげましょう。
ステップ2. 静かで安全な場所で歩いてみる
最初のうちは、交通量や人通りが多い場所は避け、静かで安全な場所を選んで歩く練習を始めましょう。大きな音や見知らぬ人、ほかのワンちゃんなど、刺激が多すぎると子犬が怖がる可能性があります。
ワンちゃんの散歩が許可されている公園の芝生の上や、早朝の静かな住宅街などがおすすめです。子犬が安心して周囲の探索に集中できる環境を整えてあげることが、自信を持って歩くための第一歩となります。
ステップ3. 5〜10分から始めて徐々に散歩時間を延ばす
初めての散歩は5分から10分程度の短い時間からスタートし、愛犬の様子を見ながら少しずつ時間を延ばしましょう。子犬の体力はまだ十分ではありません。
毎日少しずつ継続し、子犬の成長に合わせて距離や時間を調整しましょう。
散歩中の愛犬の困った行動への対処法

散歩に慣れてもらうまでの過程で、以下3つのような困った行動が出てくることがあります。
- 怖がって歩かない・震える・立ち止まる
- リードを引っ張る
- 石や草などを拾い食いする
原因を理解し、適切に対処することで解決できます。ここからは、それぞれの行動や対処法を解説します。
行動1. 怖がって歩かない・震える・立ち止まる
愛犬が散歩中にその場から動けなくなるのは、外の世界のさまざまな刺激に対して不安や恐怖を感じているからです。特に、大きな音やほかのワンちゃん、人混みなどは原因になりやすい傾向があります。
この場合は、周囲の安全を確認しながら、優しく声をかけて落ち着かせてあげましょう。愛犬が安心できるまでその場で待ってあげることが重要です。
少しでも自分の意志で歩き出せたら、大げさなくらい褒めます。一緒にごはんやおやつなどのごほうびをあげるのも良いでしょう。この成功体験を積み重ねることで、愛犬の自信につながります。
行動2. リードを引っ張る
ほかのワンちゃんや気になるにおいなどに反応し、興奮してリードをぐいぐい引っ張ることがあります。この場合、引っ張ったら止まるのが基本的な対処法です。
愛犬がリードを引っ張ったら、飼い主はその場で動きを止めます。リードが緩んだら再び歩き出す、というのを繰り返しましょう。これを根気よく続けると、愛犬「引っ張っても前に進めない」と学習します。
また、日頃から散歩中にほかの人やワンちゃんがいる環境に慣れさせておくと、過剰な興奮を抑える効果も期待できます。
行動3. 石や草などを拾い食いする
子犬が石や草などを拾い食いするのは、好奇心から落ちているものを口に入れて確かめようとするからです。とはいえ、中には石やタバコの吸い殻、植物などの危険なものもあるため、拾い食いはやめさせたい行動の1つです。
まずは、散歩中は飼い主に意識を向けさせるアイコンタクトの練習を行います。名前を呼んで目が合ったら褒める、というトレーニングを日頃から行いましょう。
散歩中は、子犬が拾い食いをしそうな場所やにおいを嗅いでとどまりそうな場所は滞在しないように、事前に名前を呼んだりごはんやおやつを見せながら歩いて、意識を飼い主に向けさせましょう。通り過ぎてからごほうびをあげるというのも効果的です。それでも散歩の最中に拾い食いをしそうになった瞬間は、「ダメ」などの短い言葉で注意を引きます。
万が一口に入れた場合は、とにかく安全第一ですのですぐに口から取り出してください。「ちょうだい」や「出して」といったコマンドで口から出す練習をしておくと、取り出しやすくなりますので、日常から練習しておきましょう。おやつやおもちゃと交換する形で教えると、スムーズに覚えやすくなります。
子犬の本格的な散歩は混合ワクチン接種が完了してから

本格的な散歩デビューは、最後の混合ワクチン接種から2週間後が目安です。それまでの期間は、抱っこ散歩や室内でのトレーニングを通して、少しずつ外の世界に慣れさせてあげましょう。
散歩は単なる運動だけでなく、社会性を身につけ、飼い主との絆を強めるコミュニケーションの機会です。愛犬のペースを尊重しながら、少しずつ進めるのがポイントです。
これから子犬をお迎えする方や、散歩デビューの準備をする方は、ぜひこの記事で紹介したポイントを参考にしてください。
ドッグトレーナーのコメント

「なにから始めたらいいんだろう?」そんな時は、ドッグトレーナーなどの専門家に相談し、正しい方法を学ぶことが、ワンちゃんとの暮らしを安心して楽しむための第一歩になります。
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