ネコちゃんが食べてはいけない食べ物一覧
目次
はじめに
私たち人間にとっては美味しいものでも、ネコちゃんにとっては命にかかわる食べ物が多くあります。以下では、ネコちゃんに絶対口にさせてはいけない食べ物について紹介します。もちろん以下はあくまで一例です。ここに該当しないから問題ないということではありません。 初めて食べさせるものについては必ず事前に調べる癖をつけましょう。たぶん大丈夫だろう、の思い込みが命取りになります。また、アレルギーを持っている可能性を考慮し、必ず少量から始めましょう。
ネコちゃんに食べさせてはいけないもの13選
生魚(ビタミンB1破壊酵素含有)
生の魚にはチアミナーゼという酵素が多く含まれていて、多量に摂取すると体内のビタミンB1がチアミナーゼによって破壊され、ビタミンB1欠乏症になります。 ビタミンB1欠乏症になると、神経障害や倦怠感、食欲不振、手足のしびれ・むくみ、ひどくなると心不全などの症状が現れます。アワビ、サザエ、トリガイ(光線過敏症(日光皮膚炎))
アワビなどの貝に含まれる毒成分、 ピロフェオホルバイドαが含まれる食材を食べると、光線過敏症を発症します。光線過敏症とは、日光があたることで、皮膚に丘疹や紅斑、水疱などの皮膚症状が現れる病気です。ネコちゃんの身体は毛でおおわれていることから、血液に溶けこんだ毒成分が最も日光に晒されるところというと、耳です。光があたることによって、猫の耳で毒成分が反応し、腫れや発疹などの皮膚炎があらわれます。強い痒みも伴うので、ネコちゃんは耳を掻きますが、ひどくなると弱った皮膚がとれたり、壊死してしまうことがあります。
塩味の強いもの(心疾患・腎臓疾患を引き起こす可能性。多量の場合は中毒に陥る可能性あり)
ネコちゃんは人間と異なり、汗を流すことでうまく塩分を体外に輩出することができません。 そのため、高塩分の食べ物を摂取することで、腎臓疾患や心臓疾患を進行させてしまう事が知られています。塩分は不足するのもNGですが、通常のカリカリフード内にもしっかりと塩分は含まれているので、意識して塩分を与える必要はありません。人間の食べ物や塩味の強いおやつを多量に与えることは避けましょう。
アボカド(中毒)
アボカドにはペルシンという成分が含まれており、これが猫にとって毒となります。ペルシンは猫に限らず、全ての動物に毒になる可能性があり、小動物はもちろん多量に摂取すると馬や牛にとっても危険なものとなります。人間はあまりにも大量に食べない限りは基本的に問題ありませんが、天然ゴムアレルギーを持っている方には有害になることもありますので注意してください。
ネコちゃんがアボカドを口にすると、すぐ~半日以内には嘔吐、下痢、呼吸困難などの症状が現れます。ぶどう同様、まだはっきりとしたことはわかっていませんが、種ごと1個など、大量に食べると死亡する場合があるとされている一方で、葉っぱをたった1cmかじっただけでも吐き続けてしまったネコちゃんがいるほど、猫にとっての毒性は強いです。
ナッツ(中毒)
ナッツ類には脂質が多く含まれているだけでなく、中毒成分が含まれているものもあり、場合によっては死に至ることもあるほど危険です。ナッツにも色々種類がありますが、基本的にどのナッツも猫にとっては消化しにくい食べ物です。そのため、ネコちゃんにナッツ類を与えると、下痢や嘔吐などの症状を起こす可能性があります。また、上手く消化されないと「腸閉塞」や「腸穿孔」などを引き起こす可能性もあるため、ネコちゃんにナッツ類を与えるのは危険です。
さらに、ナッツ類には脂質が多く含まれているため、肥満の原因にもなります。加えて、ナッツ類の中には、中毒症状を起こすものもあります。場合によっては、死に至る危険もあるため、絶対に猫にナッツ類は与えてはいけません。
チョコレート(中毒)
「チョコレート」は人間にとってはおいしい食べ物でも、ネコちゃんにとっては命に関わる「毒」とも言える危険な食べ物です。チョコレートに含まれるデオブロミンやカフェインの過剰摂取により、食べたあと4~12時間ほどで中毒症状が現れます。症状としては、心臓の鼓動が早い、嘔吐、下痢から始まり、さらに症状が進むと、発熱、痙攣、脈の乱れ、頻尿、血尿、失禁、意識障害、昏睡などより重篤な症状が現れます。
キシリトール(中毒)
人間のお菓子や嗜好品には多く含まれているキシリトールですが、ネコちゃんには絶対に与えてはいけません。キシリトールは人工甘味料の一つです。ネコちゃんがキシリトールを摂取するとインシュリンの量が極端に増加してしまい、低血糖と急性の肝不全を引き起こします。
食べた後1時間で症状が出る場合もあれば、12時間ほど経ってから中毒症状が現れることもあります。最初は嘔吐や下痢、元気がないなどの症状から始まり、次第にぐったりしている、歩行困難、痙攣などの症状に陥り、最悪、昏睡状態になることもあります。生後1年に満たない子猫の場合ですと、キシリトールガム一粒の摂取で意識不明の重篤な状態に陥る可能性が高いです。
ブドウ(中毒)
初夏から秋に向けて旬を迎える「ブドウ」についてもネコちゃんには危険があります。ネコちゃんがブドウを食べると急性腎不全を引き起こします。生のブドウだけではなく、レーズンについても大変危険で、最悪命を落とす可能性もあります。
症状としては、元気がない、食欲がない、水を多く飲む、などから始まり、症状が進行すると尿がほとんど出ない、口腔内の潰瘍などの症状が現れ、急性の腎不全、低血圧性ショックなどを引き起こします。
フライドチキンなどの鳥の骨(食道や腸を傷つける)
鳥の骨に含まれる栄養成分自体に問題はないのですが、鳥の骨はネコちゃんが噛んだ際に、ぎざぎざのとがった状態で割れることが多くあります。そのため、ごくんと飲み込んだ際に、そのとがった部分が消化管や内臓を傷つける可能性があります。破片自体も非常に鋭利な形をしているため、飲み込んだ後も胃の中で刺さったり腸壁を傷つけ、内臓出血を引き起こすほか、腹膜炎や胸膜炎を引き起こす可能性があります。
生卵白(ビオチン欠乏症)
卵自体は、健康維持に必要なたんぱく質が豊富に含まれている魅力的な食材で、ネコちゃんにも与えることができます。ただし、唯一、生卵の白身には注意が必要です。生の卵白には「アビジン」と言う酵素が含まれているのですが、このアビジンは、皮膚や被毛を健康に保つために必要な「ビオチン」を破壊してしまい、皮膚病や無気力といった症状が出る可能性があるので注意しましょう。アビジンは熱に弱いので、加熱した卵白は猫に与えて問題ありません。
ネコちゃんが生卵の、かつ卵白のみを口にする機会は少ないと思いますが、卵を与えるときは必ず過熱して与えるようにしましょう。
ネギ類(中毒)
タマネギ中毒とは、ネコちゃんがタマネギまたはタマネギの成分を摂取することで、貧血を引き起こす中毒症状を指します。タマネギだけでなく、ネギやニンニク、ニラなどのネギ類でも同様の成分が含まれており、中毒を引き起こします。中毒が発症する摂取量も個々の猫により異なり、タマネギを生のまま1個食べても発症しない猫もいれば、タマネギのエキスが入った汁をなめて発症してしまう猫もいます。ハンバーグやスープなど、ネギやニンニクの成分が入っているものは避けてください。ネギ中毒の症状としては、元気がない、食欲がない、から始まり、貧血・呼吸困難・血尿・嘔吐などの症状を引き起こします。柴猫はほかの猫種よりタマネギに対する感受性が高いので、細心の注意が必要です。
イカやタコ(生:ビタミンB1欠乏症 加熱:消化不良)
古くから「猫や猫にイカを食べさせると腰を抜かす」という言い伝えがあります。 生のイカにはチアミナーゼという酵素が含まれておりますが、この成分がビタミンB1を分解する作用があります。ビタミンB1が不足すると脚気の症状を起こすこともあり、歩行不能になることがあります。チアミナーゼは熱に弱いので、しっかりと加熱したイカであれば問題ありませんが、イカは消化が悪い食材です。下痢や消化不良を起こす可能性があります。しっかり茹でたものにせよ、基本的には与えないようにしましょう。
人間用牛乳(消化不良)
人間用牛乳は栄養価は高いのですが、乳糖(ラクトース)と呼ばれる酵素が多く含まれています。ネコちゃんの身体にはもともと乳糖を分解する酵素を多く持っていません。そのため、ネコちゃんが乳糖の多い人間用牛乳を飲むと、消化がしきれずにお腹が緩くなったり、下痢をしやすいです。敢えて与える必要はありませんが、もし水分補給を目的として牛乳を与える際は、水で薄めるほか過熱して、小さじ1杯程度などほんの少量にとどめるようにしましょう。