ネコは寒がりって本当?寒がっているサインと体温調節方法
ネコちゃんは私たち人間と異なり、全身をあたたかそうなやわらかい毛皮で覆われていますが、あの有名な童謡の歌詞にもあるように、基本的にはネコちゃんは寒がりな子が多いといわれています。
それは、猫の祖先が砂漠地帯で生活をしていたことに由来しています。暑さや乾燥した気候には慣れている反面、寒さを感じると人間と同じく風邪をひいたり、お腹を下したりと体調不良を起こすことも多々。
とはいえ、すべての子が寒がりか、というとそういう訳ではなく、実際に寒さに強いか弱いかは品種や運動量によって異なります。
実際にペットショップにはネコちゃんの防寒具やヒーターなどが並んでいますが、どんなときに必要なのでしょうか。今回はネコちゃんの寒さ対策について詳しく解説します。
目次
1. 猫の平熱と体温調節方法
猫の体温は人間よりも高く、平均して38℃台です。まだ幼い子猫やマンチカン、ミヌエットなどの小型の子はそれより若干高め、サイベリアンやラグドールなどの大きくなるタイプの子やシニア猫は少し体温が低い傾向があります。 また、人の体温と同じで、一日の中で変動します。(±1℃) 一般的に朝起きたばかりの時が一番低く、夕方(4~6時)に最も高くなります。そしてまた眠るころに少し下がってきます。
ネコちゃんの”平熱”には人間同様、個体差がありますので、何日か同じ時間帯に体温を測ることで、愛猫の平熱を把握することができるでしょう。一般的に病気の時は体温が上昇し、症状が進行して重篤な状態に陥ると体温が低くなります。そのため、体温が高い時、低い時は病気のサイン。状況によっては一刻も早く動物病院を受診しなければ命にかかわります。
ますは愛猫の平熱を把握することで、体調不良や病気のサインに気づくことができます。
2. 寒さに弱い猫種
はじめに述べたように、猫種によって寒さに強い、弱いというものが存在します。一般的に寒さに強い猫は、北の寒い地域が原産の猫種や大型の子、長毛種や被毛が二層や三層になっているダブルコート、トリプルコートの猫などです。具体的にはダブルコート、かつ大型のメインクーンや、冬になると氷点下になることもあるスコットランド出身のスコティッシュフォールド、ペルシャやサイベリアンといったロングヘアーのもふもふな猫は、比較的寒さにも強いようです。
逆に、南の暑い地域が原産の猫種被毛が一層しかないシングルコートの子は寒さに弱いといわれています。例えば、ペルシャやシャムは、モコモコふわふわの毛に覆われていますが、シングルコートのため、とっても寒がりです。アメリカン・ショートヘアやマンチカンなども同様に寒さに弱いと言われています。
また一般的に寒さに強いといわれる品種であっても、長く室内飼いで育ってきた子は寒さに対して弱くなっています。子猫やシニア猫も体温調節機能が十分ではありませんのでお気を付けください。寒さに強い品種だからと安心してしまわずに、愛猫の様子をよく観察し、寒がっている場合には防寒対策を強化してあげてください。
3. 猫が寒がっているサイン
以下では、ネコちゃんが寒さを感じているときに見せるしぐさや行動をご紹介します。身体を丸めてじっとする
身体を丸めて鼻先を自身の身体に突っ込んでいるようなポーズも、寒さを感じているポーズです。寒さを感じる外気に触れる身体の表面積を減らすことで熱を逃がさないようにします。動きたがらない
寒くなると、余計なことにエネルギーを使わないようにするため、睡眠時間が増えたり、動きたがらないことがあります。特にシニア猫や関節に疾患がある子の場合、寒さや冷えから身体の痛みを感じ、余計動きたがらないケースもあります。毛を逆立てる
毛を逆立てて体をふくらませている場合も寒がっています。こうすることで、毛と毛の間に空気の層をつくり体温を逃がさないようにしているのです。怒っている時やびっくりした時にも同じような仕草を見せますが、尻尾だけではなく全身の毛を逆立てて、身体の熱を保っています。水を飲まなくなる
寒くなるとじっとしていることが増え、喉が渇かなくなります。また、寒いと体を冷えるのを避けるために水分の摂取量が減ります。おしっこの量が減ることで、膀胱炎や尿結石などの泌尿器系疾患のリスクが高まります。フードをお湯でふやかす、ウェットフードに切り替えるなどの工夫が必要かもしれません。人に寄り添ってくる
暖を取ろうと人にやたらとくっついてくることがあります。いつもはクールなネコちゃんや触られることを嫌がるネコちゃんが、やけに擦り寄ってくるときは、いつもとは打って変わって甘えん坊な様子に喜ぶだけではなくて、寒さを感じているんだなと気づいてあげるようにしてください。4.おすすめ暖房器具
エアコン
エアコンは快適な温度を保つことができ、タイマーも利用できて非常に便利です。また、火を使わず安全性が高い暖房器具です。ただし暖かい空気は上の方にたまりますので、思っている以上に床に近いネコちゃんは寒さを感じることが多いです。そのため、風向きには注意が必要です。そうはいってもネコちゃんに直接風が当たり続けることは、乾燥から被毛の状態が悪化したり、皮膚トラブルにつながる恐れがありますので避けるようにしましょう。エアコンを使う時は定期的に換気を行うことや加湿器をセットで使うことで、室内の湿度を40-60%に保つようにしてあげてください。
電気カーペット
ペット用の電気カーペットも多く品ぞろえがあります。エアコンと異なり部屋の空気を乾燥させないことや、ネコちゃん本人が寒さを感じたタイミングで利用できること、また、そのコスパの良さからも、ホットカーペットを使うご家庭も多いです。ホットカーペットを選ぶ際は、安全性が高いものを選びましょう。もしコードをかじってしまう危険があるようならば、使用はNGです。
ペット用のホットカーペットは基本的には噛まれても傷つきにくいように、コード部分が補強されていますが、絶対はありません。感電や漏電による火災のリスクもあります。最近はコードレスタイプもありますので、いたずらが心配な場合はコードレスタイプを選ぶようにしてください。
湯たんぽ
ペット用湯たんぽにも様々なタイプがあります。昔ながらのお湯を入れるタイプのものが最も一般的ですが、最近は電子レンジで温めるタイプも人気です。お湯を入れるタイプは保温持続時間が3-4時間程度と短いため、お留守番の時間が長い際には不向きかもしれません。一方で、電子レンジタイプは15時間程度暖かさが持続するものが多いのですが、ジェルが入っているタイプの湯たんぽでは、万が一ネコちゃんがかじってしまうと中身が漏れ出てしまったり、それをまたネコちゃんが食べてしまったり、という危険も伴います。湯たんぽに含まれているジェルには、基本的には毒性がないとはいえ、大量に食べてしまうことは当然健康には良くありません。 愛猫にかじり癖があるかどうか、また、お留守番の時間の長さによって、どういったタイプを使うかを判断するのが良いでしょう。
こたつ
また、近年ペット用のこたつも多く売られています。人間用のこたつと同様、電源プラグを差して温めるタイプのものが多いのですが、設定温度が30-40度と低めに設定されていたり、熱部分がネコちゃんの身体に直接当たってしまわないよう、保護カバーがついていたり、遠赤外線方式になっていたりします。しかし電気カーペット同様に、噛み癖がある場合は使用を避ける必要があります。また、温度が上がり過ぎないよう、ホットカーペットや床暖房など他の暖房器具と併用しないように気を付けましょう。