知っておきたい愛犬の換毛期
目次
1. 換毛期と被毛タイプの関係
さて、今回はワンちゃんの換毛期についてお伝えさせていただきます。換毛とはその名の通り毛が生え変わることです。ワンちゃんは換毛期になると1か月ほどかけて古い毛が大量に抜け、新しい毛に生え替わります。 ワンちゃんはほとんど汗をかかないこともあり、毛の量を調節することで季節に対応しているのです。ワンちゃんの被毛の構造は、種類によってシングルコート、ダブルコートの二つのタイプに分かれます。この構造によって、毛周期(毛が生え変わる周期)はそれぞれ異なります。
シングルコート(毛が抜けにくい)
アンダーコートがなく、オーバーコートだけの被毛のことを指します。オーバーコートとは体の表面にある毛で、アンダーコートより硬いです。代表的な犬種はトイプードル、ヨークシャーテリア、マルチーズなど。シングルコートの犬種は、皮膚表面を保護するアンダーコートがないため、風も通しやすく寒さに弱い傾向があります。夏毛や冬毛といった区別がなく、1年通して少しずつ生え変わるため、ごっそりと毛が抜ける換毛期はなく、抜け毛が少ない特徴があります。ダブルコート(毛が抜けやすい)
オーバーコートとアンダーコートの二重の被毛のことを指します。アンダーコートとはオーバーコートの下に密生している被毛で、体温の保温や防水の役目を果たしています。ポメラニアンや豆しば、フレンチブルドッグやパグなどが代表的な犬種です。皮膚表面をやわらかい毛がおおっているため、冬の寒さには対応できるようになっていますが、アンダーコートの生え変わりによって体温調節を行っているため、季節の変わり目には大量の抜け毛が発生する点が特徴です。2. 愛犬の換毛期はいつ
上述したように、ワンちゃんの種類によって換毛期がある子とない子がいますが、チワワやポメラニアン、豆しば等のダブルコートの子は、換毛期になるとごっそりとした抜け毛が目立つようになります。換毛は、日照時間の長さと気温によって引き起こされます。そのため、飼育環境や、地域によって換毛期には多少のズレがあります。
ただあくまで平均的な話をすると、ワンちゃんの換毛期は春から7月頃にかけてと、秋から11月頃にかけての年に2回です。そうはいっても、これは完全に外飼いのワンちゃんの場合です。ほとんどのワンちゃんが室内で飼われている現在では、この時期はあくまで目安としてとらえておきましょう。床暖房やクーラーの利用により、室内の気温がほぼ年間を通して一定に保たれている場合などは、1年中ほぼ均等に毛が抜ける子もいます。
換毛期の長さや抜け毛の量は、犬種、被毛の種類、年齢によってそれぞれ異なりますが、平均的には6~7週間とされています。
3. 換毛期のお手入れ方法
換毛期のお手入れ方法としては、何よりしっかりブラッシングを行うことが重要です。 毎日のコミュニケーションの一環として、この時期はいつもより念入りにブラッシングをしてあげましょう。ブラシには、最もよく使われている定番のスリッカーや、ごっそり抜け毛の除去ができるスクラッチャーブラシ、短毛種におすすめのラバーブラシなどがありますが、被毛の種類に応じてそれぞれの愛犬に合ったブラシを選んであげてください。
また、換毛期はいつもより頻繁にお風呂に入れてあげる必要があります。シャンプーをすることも抜け毛を取り除くのに有効です。ただし、シャンプーのし過ぎは皮脂を奪って乾燥を招き、肌トラブルを起こしやすくします。できるだけ低刺激で保湿効果のあるシャンプー剤を使い、多くても月3回までにとどめましょう。
4.換毛期の抜け毛対策
その他、換毛期の対策として、この時期だけは室内でも常に洋服を着せるという方法も非常に効果的です。服を着せることで抜け毛が飛び散ることもなくなり、毛が抜けても服の中に毛がたまるので、抜け毛掃除も楽になります。服にはたくさんの抜け毛がつきますから、粘着テープなどでこまめに取り除くようにしましょう。ワンちゃんの抜け毛を放置していると、思わぬ健康被害が出る可能性があります。
抜け毛が空中に舞うと、ハウスダストの原因となります。ハウスダストが増えると、人間の場合は咳やくしゃみ、目の痛みなど、犬アレルギーを持っていない人でも、アレルギーの症状がでる可能性があるので注意が必要です。また、ワンちゃん自身も同様に自分の抜け毛が原因でアレルギーを発症する可能性があります。また、溜まった抜け毛や埃は、ノミやダニの温床にもなります。