気になる愛犬の涙やけ 原因と予防方法

知識・お役立ち 2023.06.26

目次

  1. 涙焼けとは
  2. 涙焼けの原因4つ
  3. 対処法と予防方法
  4. さいごに

1. 涙焼けとは

涙やけとは、目から溢れた涙が、目の周囲の被毛に付着したことによって、そこが赤褐色に変色してしまっている状態のことです。

通常、涙は涙管という、涙を鼻に流すための通り道を通って鼻に排出されるため、目から溢れることはありません。しかし、いくつかの原因によって涙が目からこぼれ落ちてしまうことがあります。それが周囲の被毛に付着し時間が経つにつれて、涙の成分や増殖した細菌やカビによって赤褐色に変色してしまいます。

涙本来は無色透明で、含まれる成分に害があるわけではないのですが、あふれた涙の成分が時間の経過とともに酸化したり、雑菌が繁殖したりすることで涙やけが起こります。

特にトイプードルやマルチーズ、チワワ、ポメラニアン、シーズーなどで、涙やけが起きやすいと言われています。

2. 涙やけの原因

「涙やけ」ができる原因は主に以下の6つと考えられています。

毛やごみなどの異物が混入している

眼に細かいゴミが入っている場合や、逆さまつ毛などの刺激物により角膜が刺激されると、涙の量が多くなり、あふれてしまいます。目の周りの毛が伸びていたり、瞬きが多く目が開きづらそうにしているなどがあれば、異物が混入している可能性があります。

短頭種などや生まれつき鼻涙管が細く涙が通りにくい

トイプードルやチワワ、パグやシーズーなど、口の長さが短い子は生まれつき鼻涙管が細い傾向があります。そのため、生産された涙が通り道の幅をオーバーしてしまい、目から涙が出やすくなっているといわれています。また、これらの品種でなくとも、結膜炎や外傷により、後天的に鼻涙管が細くなってしまうこともあります。以前はそうでもなかったのに、最近急に涙が増えてきた、という場合はこの可能性があります。

花粉症や食物アレルギーなどの体質で常に炎症を起こしている

ハウスダストや花粉、食物の刺激が原因で、涙が増加することがあります。 体を痒がっている、目の周りや耳などの皮膚が赤い、特定の場所や決まった時期に涙が出やすいなどの場合はアレルギーが原因の可能性があります。

もしも愛犬が食物に対してアレルギーを起こしている場合、涙やけをつくりにくくするためにもアレルゲンとなる食材が入っていないドッグフードを選ばれるといいでしょう。小麦や鶏卵、牛肉など、ワンちゃんのアレルギーにも多数あります。

そのほか、花粉が原因の場合には、対象の植物を特定の上で、花粉が多く飛散している時間帯のお散歩は避ける、洗濯物は外に干さない、飼い主さまご家族も帰宅時、家に入る前に衣類やカバンについた花粉を払うようにする、などの対策で、できるだけ愛犬が花粉に触れないように気を付けてあげましょう。

何に対してアレルギー反応を示してしまうのか分からない場合は、一度動物病院でアレルギー検査を実施することをおすすめします。

フードやおやつに含まれる保存料や防腐剤などの添加物

近年の研究で、合成保存料や防腐剤といった添加物の摂取が、体内の老廃物を増やし、涙焼けを悪化させるといわれています。これらの化学物質は、微量であればうんちと一緒に排出されるのですが、大量に含まれた食品を日常的に口にすることで、新陳代謝や腸内環境が悪化し、結果として体内に老廃物が溜まりやすくなります。

涙が増えているほかにも、目やにが出ている、皮膚や被毛がべたついているなどがあれば、これらの可能性があります。

マイボーム腺機能の異常

瞼の縁には、マイボーム腺と呼ばれる油分を分泌する部分がありますが、この部分が目詰まりを起こしていることで涙焼けが悪化することがあります。

マイボーム腺から分泌される油は眼の表面を被っており、水分の蒸発や涙が過剰に流れてしまうことを防ぐ役割をもちますが、何らかの理由によりその機能が落ちると、涙が瞼をこえて眼の外に溢れてしまうのです。

他の目の病気がある

角膜潰瘍や緑内障など他に目の病気を患っている場合、涙の量が多くなることがあります。また、アレルギーや細菌感染による結膜炎も原因となることがあります。逆に涙が出なくなる場合はドライアイになります。

3. 対処法と予防方法

涙焼けの対策としては、それぞれの原因に合わせた対応を行う必要があります。

もともと鼻涙管が細い犬種の場合は、先天的に涙が出やすいことから、できるだけ涙が被毛に触れている時間が長くならないように、常日頃からこまめに目の下をガーゼやコットンなどで拭き取ってあげましょう。

マイボーム腺のつまりについては、温めたタオルで目の周りを優しくマッサージしてあげることが効果的だといわれています。タオルの熱で油分が解け、つまりが解消しやすくなります。ワンちゃんも慣れてくるとホットタオルの心地よさを覚えて進んでやらせてくれるようになりますので、毎日の習慣としてマッサージを続けてあげてください。

その他、目が開きづらそうにしている場合や、思い当たることがないケースは、アレルギーを発症している可能性や、その他の目の病気の予兆という可能性もあります。できるだけ早く動物病院を受診し、必要な検査を受けてください。

4. さいごに

いかがでしたか。

涙やけによって変色してしまった被毛は、カットする方法もありますが、根本的な解決にはなりません。誤ったケアでかえって悪化してしまう可能性もあります。目の病気が原因の場合もありますので、はっきりした原因を見定めるためにも、まずは動物病院で診てもらうようにしてください。獣医師に相談しながらご自宅でできるケアも並行して行い、改善を目指してくださいね。


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