ペットサロンのプロが教える!おうちでできる「お手入れ方法」

知識・お役立ち 2023.07.11

今回、おうちでできる「お手入れ方法」について、トリマー歴25年のベテラントリマーさんにインタビューしました。

お家でも日常的に必要なお手入れというものはいくつか存在します。フードの改良や医療技術の進歩に伴い、ワンちゃんの平均寿命も年々伸びています。ペットの高齢化に伴い、飼い主の皆様は「健康寿命」というものにも目を向けなければなりません。

今回ご紹介するお家でできるお手入れは、ワンちゃんの健康的な生活を維持するためには必須のケアとなります。よくご確認ください。

目次

  1. お家で日常的に必要なお手入れBEST4
  2. おうちでするときのコツ【爪切り編】
  3. おうちでするときのコツ【耳掃除編】
  4. おうちでするときのコツ【ブラッシング編】
  5. おうちでするときのコツ【歯磨き編】
  6. 日ごろのかかわり方が成功の秘訣

―まず、お家で日常的に必要なお手入れは何がありますか?

必須の4項目として、ブラッシング、耳そうじ、爪切り、歯磨きが挙げられますね。以下では、それぞれをお家でするときのコツについてお伝えします。

―おうちでするときのコツ【爪切り編】

当然私たち人間同様、ワンちゃんも爪が延びます。 1頭1頭お爪が伸びる速さは若干異なることに加え、歩き方のクセや散歩の回数によっても異なるのですが、おおよそ3週間から4週間に1回は爪切りをする必要があります。床を歩いた際にカチカチと音がする際は爪切りのサインです。その音が聞こえてくる頃には、神経から5ミリ程度以上は伸びていることが多いです。

爪切りの方法としては、まずはワンちゃんの手をつかみます。そして肉球を指で優しく押して、爪を出してください。そうすることで、普段被毛のなかに隠れている爪が長く露出します。血管を切らないように肉球の側から爪をカットするようにしましょう。爪が黒くない場合は、肉球側から見ることで、血管が透けて見えます。

血管を切ってしまうと出血してしまうことはもちろん、ワンちゃんも痛みを感じますので、余計爪切りに対して苦手意識を持つことになってしまいます。血管のぎりぎりをカットするのではなく、数ミリ余裕をもってカットするようにしましょう。

意外と爪切りは難しいです。小さい頃に痛いという思い出があると、ずっと痛がってしまうので、爪切りはサロンに頼った方がいいかもしれません。おうちで切るのであれば、先だけ切るということが良いかと思います。あとは、短いのであれば、やすりだけでも良いです。

―おうちでするときのコツ【耳掃除編】

特に耳にトラブルを抱えていない、立ち耳のワンちゃんの場合は、コットンや耳掃除用シートでふき取りを行います。専用のイヤークリーナーをつけて、優しくこするように垢をとってください。

基本的に、掃除をする範囲は目に見える部分のみで構いません。

人と違って奥まで入れて鼓膜が破れてしまうということはないのですが、急に奥まで入れると、ワンちゃんもビックリしてしまうので、奥まで入れずに見えるところだけでOKです。個人差があるのですが、汚れる子については毎日お掃除してあげた方がいいかもしれません。

たれ耳の犬種や、外耳炎を発症しやすい子の場合は、コットンのふき取りだけではなく、洗浄液を数滴挿入する方法のほうが向いているかもしれません。 洗浄液は市販のものでも問題ありませんが、できれば動物病院が薦める洗浄液を使ったほうがよいでしょう。

―おうちでするときのコツ【ブラッシング編】

毛玉等が出来ないように、日頃からブラッシングをしてあげましょう。毛が長い子も短い子も共通して、「根本からきちんと」を徹底してください。

長毛種の子について一般的に使われるのは、スリッカーブラシです。毛が長いワンちゃんのブラッシングとして最もよく見るタイプで、抜け毛や毛玉が取りやすいようにピンの先がくの字になっています。T字でハンドルがついており、手に持って使いやすい形状をしています。

まずは目が粗いブラシで全体の毛をとかし、もつれ毛やほこりを優しく取り除いていきましょう。その後、首や背中などの胴体部分をスリッカーブラシでとかし、抜け毛や毛玉の除去を行いましょう。耳の後ろや、お腹周りなどの柔らかい毛は毛玉になりやすいので、特に注意しましょう。お腹と顔周りは丁寧にコームでもつれを取っていきます。

ポイントは、根本からではあるものの、決して強い力で行わないこと。親犬がなめてあげる感覚で、優しく丁寧に行うことです。首、おなか、背中をむらなくブラッシングします。耳の後ろや、お腹周りなどの柔らかい毛は毛玉になりやすいので、特に注意しましょう。

長毛種は時期に関係なく、毎日のブラッシングをこころがけましょう。短毛種についても週に2、3回は実施するようにしてください。

―おうちでするときのコツ【歯磨き編】

理想は毎日やってもらうことです。サロンでは歯磨き粉のようなものを付けて歯磨きを行いますが、おうちでは歯ブラシのみで大丈夫です。

コツは歯磨きを嫌いにならないように、徐々に慣らすしかないですね。先に歯ブラシではなく手で口の中を触るなどをして、「口の中に入れるのが怖くないよ、大丈夫だよ」ということを分かってもらった上で、歯ブラシにシフトするなどして慣れていってもらうといいと思います。

子犬であれば乳歯のうちに、成犬の場合も焦らずに、「口周りを触る練習」「歯を触る練習」「歯磨きシートで磨く練習」「歯ブラシで磨く練習」と段階を経て練習していきましょう。

全てにおいて一気に全体を磨くのではなく、一か所ずつ磨き、都度都度ほめながら行うことが大切です。いきなり奥に入れたり、ガシガシと強く磨くとワンちゃんのお口の中を傷つけてしまう可能性があります。一度歯ブラシに恐怖を覚えてしまうと、次回以降歯ブラシを見ただけで逃げ回ることになってしまいます。

歯ブラシでは歯の外側から優しく磨いていきましょう。歯の表面のブラッシングに慣れたら、軽くお口を開けさせて内側も磨けるようになったらベストです。

お手入れを成功させるためには…

今回ご紹介したいずれのお手入れについても、大切なことは日頃からワンちゃんとコミュニケーションをしっかり取るということです。普段から沢山遊んであげることで、身体を触られることに抵抗を感じないようになります。お手入れ中もじっとしていてくれるんですね。

何よりもワンちゃんの健康のために、おうちでの日頃からのケアをしっかりしていきましょう。そして、難しいと感じることについてはぜひサロンを頼ってください。


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