マンチカンがなりやすい病気 症状と予防法、治療費目安をチェック

病気・健康 2023.10.27

目次

  1. マンチカンの健康と寿命
  2. なりやすい病気1.椎間板ヘルニア
  3. なりやすい病気2.毛球症
  4. なりやすい病気3.外耳炎
  5. 治療方法と治療費目安

1. マンチカンの健康と寿命

マンチカンの平均寿命は11歳~13歳と言われており、他の品種に比べるとほんのわずかですが寿命が短い傾向があるといわれています。決して身体が弱いわけではありませんが、椎間板の圧力を支えられず椎間板が損傷する病気である、椎間板ヘルニアになりやすいことで知られています。

このように、品種の骨格や遺伝的な要素によっても、特になりやすい傾向がある病気はいくつか存在します。こちらの記事では、マンチカンがなりやすいといわれている病気についてや症状、予防方法などについてご紹介します。

2. なりやすい病気①「椎間板ヘルニア」

背骨同士をつなぐクッションの役割をしている椎間板(ついかんばん)が、何らかの原因によって正常の位置から飛び出してしまい、背骨の中にある脊髄を圧迫する病気です。圧迫する箇所によって、首や胸部、腰など様々なところに症状が出ます。

椎間板ヘルニアの症状

痛みやふらつき、うまく歩けないという症状から始まります。抱っこしたときに痛がる場合は注意が必要です。また腰を丸めて歩く、お腹が張っているなどの症状も見られます。

症状が進行するにつれて、ふらついてうまく歩けない、足を全く動かせない、力を入れることができないため、トイレでおしっこやうんちができず、漏らしてしまうといった症状がみられます。

椎間板ヘルニアの予防方法

まずは食事や運動を管理することで肥満にならないよう体重管理することが重要です。また、足腰への負担をかけないためにも、ジャンプや階段の上り下りなど過度な運動を避けることや、滑りやすいフローリングは関節に負担をかけるため、カーペットやマットを敷くなどの工夫をしましょう。また、こまめに足裏の毛をカットすることも重要です。

3. なりやすい病気②「毛球症」

毛球症(もうきゅうしょう)とは毛づくろいをしたときに少しずつ飲み込んだ毛がうまく吐き出せず消化器官に残ってしまい、胃や腸でさまざまな症状を起こす病気です。

毛球症の症状

ほとんどの場合無症状で、たまに嘔吐する程度です。胃の中で限界量を超えてくると、食欲不振、頻繁な吐き気、便秘、お腹を触られると怒るなどの症状が現れます。重症化した場合は腹膜炎を起こして発熱し、ぐったりと元気がなくなります。腸閉塞の症状は緊急性がありますので、早めに動物病院を受診しましょう。

毛球症の予防方法

最も効果的な予防方法としては、こまめなブラッシングを行うことです。毛球をほぐしたり、毛玉を作りにくくする毛球除去剤を投与しても良いでしょう。猫草を与えたり、高繊維な食事を与えたりすることは、毛の便への排泄を促してくれます。

4. なりやすい病気③「外耳炎」

ネコちゃんの耳は外耳と中耳の2つの部分に大きく分けられるのですが、この外耳の部分が炎症を起こしてしまう病気です。

耳が垂れているスコティッシュ・フォールドなどの品種には外耳炎が多くみられます。外耳炎は季節によってなりやすい時期となりにくい時期があり、当然ながら湿度の高い時期に発症しやすくなります。

外耳炎の症状

耳垢の量が増える、耳をかゆがる、頭を振る、耳を床にこすりつけるなどの症状がみられます。また、耳から変なにおいがしたり、耳が赤くはれて発疹がでたりなどの症状も見られます。症状が悪化すると耳から膿がでたり、鼓膜に炎症が及んで破れてしまうことがあります。

外耳炎の予防方法

耳を清潔に保つことにより、外耳炎を予防することができます。しかし、間違った方法での耳掃除やシャンプー液の耳への流入などが、かえって外耳炎を引き起こす原因となることがありますので、注意が必要です。

正しいお手入れ方法を実践しましょう。耳垢の量や色、耳の臭いをチェックし、異常がみられた場合は早めにかかりつけの動物病院に行きましょう。また、高温多湿な環境でも外耳炎は起こりやすくなりますので、空調など環境を整えることも大切です。

何より大切なのは日常的にスキンシップを取りながら、耳のチェックや仕草のチェックを行うようにすることです。外耳炎は早く見つかれば比較的治りやすい病気である一方、放置することで一気に慢性化してしまいます。日々ネコちゃんの様子をチェックすることで、いち早くその変化に気づいてあげましょう。

5. 治療方法と治療費目安

椎間板ヘルニア 内科療法:絶対安静により症状改善を待つ場合は、週に1回の通院だとして1回あたり3,000円~5,000円程度。加えて状態を確認するための定期的なレントゲン検査費用や消炎剤・鎮痛剤などの投薬代が発生します。

外科療法:内科治療では十分でなく、外科手術が必要となる場合は、手術費用や入院費用、術前検査費用(CTやMRIなど)を併せて25万円~40万円ほどかかります。
毛球症 内科療法:症状が軽い場合、毛球除去剤やサプリメントの処方により、便とともに毛の排出を促す内科的治療となります。この場合、通院1回あたり3,000円~5,000円程度掛かります。

外科療法:内科的治療に反応しない場合や症状が進んでいる場合、や、腸を切開する開腹手術により、直接毛玉を取り出す必要があります。その場合、CT検査や術前検査、入院、手術、術後検診などをあわせて20万円~30万円あたりが相場のようです。
外耳炎 内科療法:症状が軽い場合、耳の周りや中を確認し、耳垢の洗浄を行います。治療期間は1か月、週に1度の通院として1回あたり3,000円~6,000円程度。完治まで15,000円程度は掛かります。

外科療法: 内科的治療に反応しない場合や、外耳内の炎症が進んでいる場合、主要切除や耳道切除などの外科手術を行うこととなります。その場合、術前検査、入院、手術、術後検診などをあわせて10万円前後が相場のようです。


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