ペルシャがなりやすい病気 症状と予防法、治療費目安をチェック

病気・健康 2023.10.26

目次

  1. ペルシャの健康と寿命
  2. なりやすい病気1.短頭種気道症候群
  3. なりやすい病気2.尿路結石症
  4. なりやすい病気3.多発性嚢胞腎
  5. 治療方法と治療費目安

1. ペルシャの健康と寿命

ペルシャの平均寿命は12歳~15歳と言われており、平均的であるといえます。鼻が短いため、短頭種気道症候群のリスクはあります。

鼻の構造が原因の疾患のため明確な予防法はないのですが、肥満や興奮、高温は呼吸器への負担が増えますので、常日頃から適正な体重を保つため食事管理を徹底しましょう。

このように、品種の骨格や遺伝的な要素によっても、特になりやすい傾向がある病気はいくつか存在します。こちらの記事では、ペルシャがなりやすいといわれている病気についてや症状、予防方法などについてご紹介します。

2. なりやすい病気①「短頭種気道症候群」

ヒマラヤン、ペルシャ、エキゾチックショートヘアーなどマズルが短い短頭種に多く見られます。鼻の穴が狭く気管が細いことから、咳をしたり、ゼーゼーガーガーと呼吸が苦しそうな様子や、鼻づまり、よく吐く、下痢をしやすいといった、呼吸器と消化器症状がみられる病気です。

短頭種気道症候群の症状

口を閉じて呼吸をするときにズーズー、ブーブーといった音や、逆に口を開けて呼吸をするときにガーガーといった異常な呼吸音がします。また、眠っているときにいびきをかいたり、呼吸が苦しそう、運動を始めてもすぐに息があがる、運動後失神するなどの症状がみられます。

短頭種気道症候群の予防方法

何よりリスク要因の除去が大切です。肥満や興奮、高温は呼吸器への負担が増えます。常日頃から適正な体重を保つためカロリーオーバーにならない食事管理に注意を払い、安静をとりつつ、涼しい環境での管理を心がけましょう。

3. なりやすい病気②「尿路結石症」

尿路結石症(にょうろけっせきしょう)とは、膀胱や尿道に砂や石のような物質(結石)がたまってしまう病気です。結石が存在する部位によって、腎結石、膀胱結石、尿道結石などと分類されることもあります。

尿路結石症の症状

結石に刺激されることによって膀胱が傷ついて痛みが出たり、おしっこがしにくくなったりします。また、発熱や食欲不振など全身的な症状が出ることがあります。

特に尿道に詰まり、おしっこが全く出なくなると、尿毒症を起こしたり、膀胱破裂、腎機能障害などを引き起こすこともあります。閉塞した状態が長く続くと命にかかわることもあります。

尿路結石症の予防方法

基本的な予防としては、水分をたくさん取らせ、おしっこの回数と量を増やすことです。ドライフードからウェットフードに切り替えることも効果的といわれています。

ミネラル成分を調整して、結石のできにくい体質にすることで、結石のできる原因のひとつである尿路感染症の予防をすることができます。

4. なりやすい病気③「多発性嚢胞腎」

腎臓に多数の嚢胞(のうほう=液体などがたまった袋状の構造)ができ、腎機能が徐々に低下していく遺伝性の病気が多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)です。

ペルシャ猫や、ペルシャ猫と血縁関係のあるネコちゃんに多く見られますが、アメリカン・ショートヘアや雑種のネコちゃんなどでみられることもあります。多くの場合、3歳から10歳くらいまでの間に腎不全の症状が見られるようになります。

多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)の症状

多飲多尿、食欲不振、嘔吐、脱水、貧血といった慢性腎臓病と同様の症状がみられます。多くは3歳から10歳くらいまでの間にこのような症状があらわれます。

一方で、この病気の進行はたいへんゆっくりで、腎機能も徐々に低下していくことにより、体が順応してしまうため、状態が進むまで目立った症状がみられない場合もあります。

多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)の予防方法

遺伝性の先天的な病気のため、残念ながら予防法はありません。ペルシャ系やアメリカン・ショートヘアなど、この病気がよく見られる猫種の場合は、幼い頃から注意を払い、気になる症状がみられるようであれば早めに受診しましょう。

5. 治療方法と治療費目安

短頭種気道症候群 内科療法:手術を受けずに定期的な通院を行い内科的治療を行う場合、月に2回の通院だとして1回あたり3,000円~6,000円程度。重症になると酸素吸入の処置等(1回あたり3,000円〜5,000円程度)が必要になるため、一生涯にかかる治療費は安価とは言えないでしょう。

外科療法:外科手術を行う場合、外鼻孔拡張術で2万円〜5万円、軟口蓋切除術で4万円〜8万円程度が目安で、これらは同時に行うことが多いので、術前検査、入院、手術、術後検診などをあわせて20万円~30万円という相場のようです。
尿路結石症 内科療法:食事療法を行いながら、利尿剤などでの排尿促進や抗生物質投与投薬治療を行い、結石が自然に排出されるのを待つ場合は、週に1回の通院だとして1回あたり3,000円~6,000円程度。エコー検査により完治が確認されるまでの期間、毎月2万円~3万円程度掛かります。

外科療法:内科治療では十分でなく、外科手術での摘出が必要となる場合は、15万円~20万円ほどかかります。
多発性嚢胞腎 残念ながら有効な治療法はなく、セミントラなどの慢性腎臓病治療薬の投与や、血圧降下剤、吐き気や嘔吐をお抑える制吐剤などにより、症状をコントロールする維持治療が一般的です。月に2回の通院だとして1回あたり8,000円~10,000円程度。年間10万円~15万円程度掛かります。


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