ダックスフンドがなりやすい病気 症状と予防法、治療費目安をチェック
目次
1. ダックスフンドの健康と寿命
ダックスフンドの平均寿命は13歳~16歳と言われており、比較的寿命が長い犬種です。なりやすい病気としては椎間板ヘルニアが挙げられます。これは、背骨同士をつないでいる椎間板に変性が生じることで、背骨の中にある脊髄を圧迫する病気で、痛みや足の麻痺などさまざまな神経症状を引き起こします。
そのほか、進行性網膜委縮症という、視力がだんだん低下して最終的に失明にいたる病気が多くみられます。早い場合は生後2か月までに発症しますが2歳前後での発症が最も多いです。
このように、犬種の骨格や遺伝的な要素によっても、特になりやすい傾向がある病気はいくつか存在します。こちらの記事では、ダックスフンドがなりやすいといわれている病気についてや症状、予防方法などについてご紹介します。
2. なりやすい病気①「椎間板ヘルニア」
椎間板ヘルニアとは、背骨同士をつなぐクッションの役割をしている椎間板が、何らかの原因によって正常の位置から飛び出してしまい、背骨の中にある脊髄を圧迫する病気です。圧迫する箇所によって、首や胸部、腰など様々なところに症状が出ます。椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)の症状
最初は、痛みやふらつき、うまく歩けないという症状から始まります。抱っこしたときにキャン!と痛がる場合は注意が必要です。また腰を丸めて歩く、お腹が張っているなどの症状も見られます。症状が進行するにつれて、ふらついてうまく歩けない、足を全く動かせない、と症状は悪化していき、最終的には力を入れることができないため、トイレでおしっこやうんちができず、漏らしてしまうといった症状がみられます。
椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)の予防方法
まずは食事や運動を管理することで肥満にならないよう体重管理することが重要です。また、足腰への負担をかけないためにも、ジャンプや階段の上り下りなど過度な運動を避けることや、滑りやすいフローリングは関節に負担をかけるため、カーペットやマットを敷くなどの工夫をしましょう。また、こまめに足裏の毛をカットすることも重要です。
3. なりやすい病気②「外耳炎」
耳の穴から鼓膜までのあいだを耳道と呼びますが、この耳道の皮膚に炎症が起きる病気です。コッカ―スパニエルやダックスフンドなど耳が垂れているワンちゃんがなりやすいといわれています。外耳炎の症状
かゆみが起こるため、耳を後ろ足でしきりに掻いたり、頭を振ったり、耳を物にこすりつけたりします。重症化すると痛みも伴うため、犬が耳を触られるのを嫌がります。耳道が晴れて褐色の耳垢が増えたり、強いにおいを発することがあります。外耳炎の予防方法
外耳炎は、慢性化したり再発したりしやすい病気です。普段から耳の清潔を保つことが予防につながります。人間用の綿棒で掃除をすると耳を傷つけてしまうことがあるので、洗浄液を浸したコットンで優しく汚れをぬぐい取るようにしましょう。4. なりやすい病気③「進行性網膜委縮症」
目の奥にある網膜という組織が徐々に薄くなることで、視力がだんだん低下して最終的に失明にいたる病気です。ミニュチュアダックスフンドやトイプードルなどに最も多く見られますが、ヨークシャーテリアやシュナウザーなど多くの犬種で認められています。早い場合は生後2か月までに発症しますが2歳前後での発症が最も多いです。
進行性網膜委縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)の症状
最初は暗い場所での視力の低下がみられます。夕方や夜間の散歩を嫌がったり、物にぶつかるようになる、暗い部屋では動かないなどの症状がみられます。症状が進むにつれて、明るいところでも目が見えなくなり、動作が緩慢になる、まっすぐ歩けないなどの症状がみられます。
進行性網膜委縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)の予防方法
遺伝的な要因が疑われるため、予防法はありません。急に暗い部屋に行かなくなった、夕方のお散歩を嫌がるようになったなどの様子が見られた場合は、早めに病院を受診しましょう。5. 治療方法と治療費目安
椎間板ヘルニア | 内科療法:絶対安静により症状改善を待つ場合は、週に1回の通院だとして1回あたり4,000円~6,000円程度。加えて状態を確認するためのCTやMRI検査費用が発生します。CT検査は5万円前後、MRI検査は10万円前後かかる場合が多いようです 外科手術:手術費用や入院費用併せて25万円~40万円ほど |
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外耳炎 | 耳の洗浄に加え、原因となっているものに対して有効な薬を使用します。多くは点耳薬ですが、場合によっては内服薬をもちいることもあります。 週に1回の通院だとして1回あたり3,000円~6,000円程度(診察料、内服薬)かかります。 |
進行性網膜委縮症 | 残念ながら有効な治療法はありませんが、サプリメントの処方をされることが多いようです。 |