ペット保険には加入すべきか

知識・お役立ち 2023.06.27

目次

  1. はじめに
  2. 生涯にかかる医療費【ワンちゃん編】
  3. 生涯にかかる医療費【ネコちゃん編】
  4. ペット保険を選ぶポイント
  5. ペットの年齢とライフステージから
  6. まとめ

1. はじめに

ペット保険とは、人間のそれと同様に、加入しておけば、毎月の支払いで万が一のケガや病気の時に補償が受けられ、飼い主さまの経済的負担を軽減することができます。

もちろんペット保険に加入するか否かは、飼い主さまご自身が決めることです。毎月コツコツ貯金をすることが可能であったり、ペットが現時点で健康そのもので、かつ突然の大きな出費も問題がない、ということならば、加入しなくても問題ないでしょう。

一方で、毎月の生活の中で急な大きな出費には不安がある、という方や、不安なことがあるとすぐに病院に行きたい、という方は加入をしておいた方が、病気の治療だけでなく日々の健康管理の上でも、入っておいた方が安心でしょう。

今回は、ペットの生涯にかかる医療費やペット保険の選び方についてお伝えします。

2. 生涯にかかる医療費【ワンちゃん編】

犬:80万円程度

ワンちゃんの平均寿命は犬種にもよりますが、おおよそ10年から15年程度といわれています。 小型犬の方が長生きな傾向があり、なかには17歳や18歳くらいまで生きる子もいます。一方で、大型犬については10歳の壁と呼ばれるように、およそ10歳-12歳ほどで亡くなるケースが多いです。

ワンちゃんの場合、生涯にかかる医療費はおよそ100万円ほどといわれています。 そうはいってもこれはあくまで目安であって、全く病気をせずそれほど医療費がかからない場合もあるでしょうし、一方で小さなころから病気にかかりやすい子もいるため、実際にかかる医療費はこれ以上になることも考えられます。

例えば、腫瘍が見つかり摘出手術や放射線治療を行う場合にも、合計で100万円ほどはかかります。そのほか、心臓疾患が見つかり外科手術を行う場合などはその手術費用のみで120万円-200万円程度と非常に高額な費用が発生します。

3. 生涯にかかる医療費【ネコちゃん編】

猫:50万円程度

ネコちゃんの平均寿命はその種類にもよりますが、おおよそ12年から17年程度といわれています。 かつてと異なり、ほとんどすべてのネコちゃんが室内外になり、安全な生活が守られていることもあり、約30年で10年以上寿命が延びています。

ネコちゃんの場合、ワンちゃんに比べて外に出ることが少なく、日常的な怪我のリスクは低いようです。 中にはほとんど動物病院に行ったことがない、なんていう子もいます。とはいえ、年齢が進むにつれて、ネコちゃんがなりやすい慢性腎臓病にかかる子や、糖尿病や甲状腺機能亢進症などの内分泌の病気にかかる子も多くいます。

病気の種類に関わらず投薬治療がメインとなる場合は、毎回の通院費や薬代で、1回あたり10,000円程度の治療費となりますが、症状が重く外科手術の必要がある場合は20万円-40万円程度かかることも多く、治療の方法や手術の有無によってもその医療費は大きく異なります。

4. ペット保険を選ぶポイント

ペット保険の概要や、入っておくと安心だという点はよくわかったけれど、色々な商品があり過ぎてどの保険プランが最適か分からない、という方も多いのではないでしょうか。

ペット保険を選ぶ際のポイントは、「どんな保証」を、「いくらまで保障したいのか」という2点を明確にすることです。

目的を明確にすること

まず、「どんな」という部分ですが、日々の通院や治療にかかる医療費を保証したいのか、それとも手術代などの大きな出費を保証したいのか、もしくは、そのいずれもカバーしてくれる保険が良いのか、など、ご自身の生活状況とペットの健康状態、今後起こりうる健康上の不安を考えたうえで、どのような保険に加入すべきか、商品タイプを選んでいきます。

ペット保険の補償対象には、通院(ケガや病気で動物病院に通った際に支払われる補償)、入院(入院中の診療費+入院宿泊費用に対する補償)、手術(手術の費用、手術の際の麻酔費用などに対しての補償)の3種類があります。これらそれぞれが別の場合もあれば、すべてを保証してくれるフルカバータイプもあります。

次に「いくらまで」という部分を明確にしましょう。もちろん各保険会社や商品によって異なりますが、おおよそ補償率が50%、70%、90%(100%)の3つに設定されていることが多いです。当然ながら、補償率が高いほど毎月の保険料も高くなりますが、かかった診療費が補償の範囲内であった場合、自己負担額がゼロで済むケースもあります。

しかし、注意しなければならないのは、保険商品には月単位や年単位で補償上限や回数が定められているケースが多く、あまりに高額な医療費については100%プランに加入していたにも関わらず、結局自己負担が生じるか旺盛もあります。

請求方法も重要

また、ペット保険の請求方法には、一度、全額を自分で支払い、後日補償額が払い戻される「立替請求」と、当日、窓口精算の際に補償金額分がすでに反映された自己負担分のみ払えばよい、という「窓口精算」の2種類があります。窓口精算については、どの動物病院でもよい、という訳ではなく、ペット保険会社が提携する動物病院で診療を受けた場合に限られるなどの制限があるので注意が必要です。

しかしながら、保険金請求のための必要書類を揃えて保険会社に送付するなど、面倒な手続きが不要なほか、ペットの診療費が高額だった場合の急な出費を減らせるといった利点があります。なにより、請求時までいくらになるか分からないヒヤヒヤ感を味わわないで済み、ふとした時に病院に行きやすい、という点が非常に大きいのではないでしょうか。

5. ペットの年齢とライフステージから

それに加えて、年齢ごとの病気・ケガの注意点と気を付けるべきことがあります。

まだ1歳未満の子犬、子猫については免疫力が弱く、気温の変化や初めて行った場所へのストレスなど、ちょっとしたことから風邪や胃腸炎、下痢なども起こりやすい時期です。

また、エネルギッシュで落ち着きもないことから、遊びに夢中になり衝突や落下などの事故も起こしやすい年齢です。 身体が成長しきらないこの時期の体調不良は、脱水などの悪化から体調の急変に結び付きます。

少しでも不安なときはいつでも病院に行けるように、通院および手術治療費や入院費用についても補償がある、最も手厚い保険プランが安心かもしれません。

1歳以降は、比較的落ち着き始めるとともに、身体も大人になるため、以前に比べると免疫力が高まり、体調も安定します。

また、飼い主さま自身もペットがいる暮らしに慣れてくることで、事故やケガを未然に防止できるようになることが多いです。

とはいえ、外耳炎や胃腸炎などは比較的かかりやすく、年に数回は病院にかかることも多いと思います。基本的には元気な時期ですので検討を先送りにしがちですが、過信せず、高齢を見据えて、ペット保険への加入をしっかり検討しましょう。

ワンちゃんもネコちゃんもおおよそ7歳を超えた頃からシニアと呼ばれる年齢になり、10歳を超えると飼い主さまの目から見ても加齢に伴う衰えを感じることも多いです。

たとえば、目が白く濁ってくる(白内障)などのほか、関節疾患により足を引きずるようになったり、その他心臓病や腫瘍など命に係わる病気の発症がめだつようになります。

治療や手術を受けさせようにも、あまりに手術費用が高額では利用することはできないでしょう。だからといって、大切なペットが苦しむ姿をただ見ているだけなど耐えられないと思います。

外科手術では、100万円以上の金額を請求されることもざらにあります。 シニアに差し掛かったならば、手術や入院保障に手厚い保険プランに加入しておくことが、病気の早期発見、早期治療に役立ちます。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか。 まずは、どんな目的で保険に加入するのかを明確にしましょう。それによって選ぶ保険が変わります。また、ペットの年齢に加えて、ご自身の生活状況やライフスタイルによっても、どういったペット保険に入ればよいか、必要保障は変わるかもしれません。

ペットの具合が少しでも悪くなったり、ちょっとしたケガや病気でも気軽に病院に連れて行きたいという方は、通院や治療費保障プランがおすすめですし、入院や手術に伴う大きな出費が不安、という方は手術費保障や入院保障があるプランに加入したほうが良いです。

急なケガや病気が愛するペットの身に降りかかったとき、保険に入っていれば安心して十分な治療を受けさせることができます。


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