綺麗なアジサイに要注意

知識・お役立ち 2023.09.13

目次

  1. はじめに
  2. アジサイって実はとっても危険です
  3. アジサイとは?そもそもどんな植物?
  4. アジサイの毒成分や詳細は不明
  5. アジサイを口にした際の主な症状
  6. 気を付けること
  7. もし食べてしまったら…?
  8. おわりに

1. はじめに

しとしと雨が多い梅雨時期を彩る青やピンク、薄紫のアジサイは非常に風情溢れ、蒸し暑さを忘れさせてくれるほどです。 しかし、こんな美しいアジサイにも実は毒があるってご存じでしたか?

さて、今回は、今が旬、公園やお散歩道などで咲き乱れるアジサイの危険性についてお伝えします。

2. アジサイって実はとっても危険です

5〜7月にかけてピンクや薄紫色の花を咲かせ、梅雨の代名詞ともいわれているアジサイですが、ワンちゃんにとっては命を落とす危険性もある植物です。

まだその詳細は解明されておらず不明な部分も多いのですが、その葉や茎、つぼみ部分にも毒が含まれているといわれています。 ここ数年は起きていませんが、2000年以降、料理に添えられていたアジサイの葉を食べたことによる食中毒が多数発生しています。いずれもアジサイを口にして30分以降に嘔吐、吐き気、めまい等の症状が始まりました。

人間の場合は死亡事故は発生していませんが、アジサイを食べた家畜類(牛、馬、山羊)については中毒症状を起こし死亡したケースが多数あります。それほど毒性は強いのです。

3. アジサイとは?そもそもどんな植物?

アジサイとは、日本原産の園芸植物です。ヨーロッパや中国など世界中で品種改良がおこなわれ、毎年新品種が誕生しているため、その数はどんどん増え続けています。

樹高は1〜2mほどで、背が高い植物です。一般に「花」と勘違いされている部分は実は「装飾花」と言われる部分で、実際には花ではありません。本来の花(真花)は中心部にある小さいつぼみに見えるものです。

アジサイの種類は、大きく分けると「ホンアジサイ(てまり咲)」「ガクアジサイ」「西洋アジサイ(品種改良)」の3つのタイプに分けられます。 日本の公園や施設の植栽で植えられているアジサイの多くは、このホンアジサイです。このホンアジサイにも毒があります。

4. アジサイの毒成分や詳細は不明

アジサイの毒については、実は不明な点が多いのです。

「アジサイを食べると体の調子が悪くなる」ということ自体は古くから言い伝えとして広く知れ渡っており、小説のネタにも使われるほどいわば定説のようになっているのですが、その多くはいまだに解明されていません。

毒の成分自体もわかっていないことに加え、花や葉、茎や根などのうちどこに最も毒が含まれているのかという点もいまだに明らかにはなっていません。

5. アジサイを口にした際の主な症状

アジサイを口にしてしまった場合は、下痢や嘔吐などの消化器症状からはじまり、麻痺や痙攣、ふらつき、呼吸麻痺と続き、最終的には昏睡状態に陥ります。

体が小さなワンちゃんの場合は、命を落とすこともあります。

6. 気を付けること

この時期は綺麗なアジサイをバックに、愛犬とのお写真を撮る方も多いのですが、絶対に近づきすぎないようにしましょう。

またワンちゃんとのお散歩中にアジサイが咲いている道があるならば、できれば避けたほうが賢明です。もし通る場合も、ワンちゃんにクンクンと付近の地面のニオイを嗅がせないように、落ちているものを絶対に口にしないように気を付けてください。

そして、お散歩後には必ずワンちゃんの足裏を洗うようにしましょう。直接口にしなくとも、足の周りについた毒成分をさらに舐めてしまう可能性があります。水でよく洗い流してください。

また飼い主さまの靴裏の付着物にも注意が必要です。玄関に落ちている葉や花を、ワンちゃんが口にしないとは限りません。玄関に入る前に、必ず靴裏の汚れを払うようにしましょう。

7. もし食べてしまったら…?

万が一ごっくんと飲み込んでしまったようであれば、一刻も早く吐かせることしか方法がないため、早急に動物病院に連絡をしましょう。 そして指示を仰ぎながら、動物病院へ急行し、受診しましょう。

現場を見れなかった、食べたかどうかわからない、という場合も、とりあえず動物病院に連絡するようにしてください。いつまでも心配をしているよりも、とにかく診察をしてもらったほうが早いです。

誤飲からあまり時間が経っていない場合(3時間以内が目安)、病院で吐かせる処置(催吐処置)を行います。 吐かせることが難しい場合や中毒を引き起こすほどの量を食べてしまった場合などには、胃洗浄を行うことがあります。

催吐処置を行う場合は1万円程度のことが多いようですが、これに加えて点滴や内服薬などの費用が掛かります。一方、胃洗浄を行う場合は、2万円~3万円程度掛かることが多いです。

8. おわりに

いかがでしたでしょうか。

アジサイはあくまでこの時期私たちの身近にある植物の代表として挙げさせていただきましたが、他にも中毒を引き起こしてしまう植物はたくさんあります。

いうまでもないことですが、そもそも普段から拾い食いをさせないようにしつけをすることが大切です。物騒な事件もありますから、ワンちゃんには、飼い主さまが「OK」と許可をしたもの以外、口にしないように覚えさせたほうが安心です。

また毎日のお散歩コースに危険な植物が植えてある場所がないか確認してください。もしその近くを通らざるを得ない場合は絶対に目を離さないようにすること、誤飲誤食が分かりづらい夜間のお散歩ではその道を避けたり、といった普段の行動も大切です。

植物の種類によっては、たった一口でも命に係わることもあります。くれぐれもお散歩中はワンちゃんが口にしないように気を付けるようにしてくださいね。


子犬・子猫一覧