ペットをも悩ませる!梅雨時期の体調不良

ペットと暮らす 2023.06.19

目次

  1. ワンちゃんをも悩ませる気象病
  2. 梅雨時期にワンちゃんに起こりやすい体調不良BEST3
  3. さいごに

1. ワンちゃんをも悩ませる気象病

私たち人間も気圧が低い日や雨の日は体調が悪い方が多いです。昔から「雨の日は頭が痛くなる」「台風が近づくとぜんそくの発作が出る」「梅雨時に古傷がしくしく痛む」――とよく言われていました。そんな天気が原因で起きる体調不良は、いわゆる「気象病」と呼ばれています。

代表的なものは私のような頭痛ですが、ほかにも、首の痛み、めまい、耳鳴り、気管支ぜんそく、関節痛、神経痛、鬱(うつ)などその影響範囲は多岐にわたっています。

実はこの気象病、私たち人間に限ったことじゃないのです。 もちろん人間同様、個体差はあるにせよ、ペットの体調にも影響を与えているといわれています。

天気が良い日に比べると、雨の日や曇りの日は睡眠時間が増えていませんか?お散歩に行く際のテンションも、晴れの日の方が曇りの日よりも心待ちにしている様子はありませんでしょうか。実はこれもこの時期良く見られるお天気の影響と考えられます。

今回は梅雨時期に気を付けたい愛犬の体調不良についてお伝えします。

2. 梅雨時期にワンちゃんに起こりやすい体調不良

下痢や嘔吐

梅雨時期には普段はお腹が強く食欲旺盛なワンちゃんでも、胃腸の具合が悪くなり、下痢や嘔吐をする症状が多くなるといわれています。

色々な原因があると思いますが、一つは低気圧がもたらす、身体の代謝機能の悪化です。気圧が下がることで血管が膨張して血流が悪くなったり、胃腸の働きが悪くなり嘔吐や下痢や嘔吐をしてしまう場合があります。 また、どんよりとした曇りの日が多いことから朝と夜の生活リズムや食事のリズムが崩れ、胃腸の活動が不規則になったり軟便になります。

下痢や嘔吐は一度だけならば様子を見て構いませんが、一日に何度も続く場合、や、がくがく震えている、元気がない、食欲がない、尻尾が下がっているなどの様子が見られた場合は、急いで動物病院に行きましょう。

また気圧による自律神経の乱れ以外にも、この時期は特に食中毒が起こりやすい時期でもあります。

普段から食べムラがあり、ついつい置き餌をしている、という方は要注意です。この時期のフードはすぐに菌が繁殖しやすく、食中毒を発生する恐れがあります。すぐに食べない場合も30分を目途に片づけるようにしましょう。また、保存容器も密閉性の高い容器を利用するようにしてください。置き餌をしていなくても保存状態が悪いことでフードに細菌が発生し、食中毒を起こす可能性があります。

皮膚トラブル

湿度が高くなるこの時期は、ワンちゃんの皮膚トラブルが急増します。

先ほどフードについての章でも説明したように、湿度が多い状況は細菌の繁殖にうってつけです。ワンちゃんの皮膚には、私たち人間同様、いつも常在菌としてブドウ球菌やマラセチア菌など様々な菌が存在します。これらの菌が連日の高温多湿により爆発的に増加します。

もちろん体調に問題がないワンちゃんならば、特段症状も出ずにこの時期をやり過ごすことができるのですが、低気圧による体調不良で免疫が低下している場合、皮膚の免疫が弱くなったところで症状を表します。マラセチア皮膚炎については首や足の付け根のほか耳のなかで、ブドウ球菌が引き起こす膿皮症については、特に背中やお腹に症状が見られやすいです。

そのほか生活環境の中でも、この時期はハウスダストの原因となるダニの数が増えるので、アレルギー症状であるアトピー性皮膚炎を発症する子も多いです。耳や顔、足の先(指の間)、脇の下、おなか周り、足や尾っぽの付け根などに症状が現れやすいので注意が必要です。部屋の掃除をいつも以上にこまめに実施することで、できるだけリスクは減らしていきましょう。

また、このような皮膚トラブルまではいかないにしても、いつも以上に涙焼けが気になったり被毛の状態が悪化することも多いです。

ワンちゃんの被毛の下は蒸れやすいため、湿度が高いこの時期は、年間通じて最も汚れや皮脂がたまりやすくなります。 日々のブラッシングでこまめに皮膚の状態をチェックし、かゆがっている様子が見られる場合や、症状がすぐに引かないようなら、動物病院を受診しましょう。

外耳炎

湿度の高い夏は外耳炎の発症がとても多くなります。それは、皮膚炎の原因と同様に湿度や温度が高いことが影響しています。

湿度が高いことで、ワンちゃんの耳のなかは湿気が溜まりやすくなり、細菌などの微生物の繁殖力があがります。特に垂れ耳や自毛の量が多い子は気を付けてあげて下さい。

頭を振る、頭や耳をしきりに後ろ足で掻く、頭や耳を家具や床にこすりつけるなどの様子が見られたら、ワンちゃんがかゆがっているサインです。外耳炎が疑われる場合はすぐに動物病院へ連れて行き、獣医師による適切な治療を行いましょう。

耳のトラブルというと「命に直結するわけではないし…」と軽く考えてしまいがちですが、私達だって地味なかゆみがずっと続くというのは非常にストレスが溜まりますよね。

一度細菌が繁殖しかゆみが生じている以上、自然治癒は不可能です。外耳炎は皮膚トラブル同様、一度発症すると癖になりやすく、再発することが多い疾患です。

梅雨の時期には耳に湿気がたまらないようにこまめにケアを行うように気をつけ、少しでもかゆがっている素振りが見えたら、ひどくなる前に病院に連れて行ってあげてくださいね。

4.さいごに

いかがでしたか。

もちろん、気圧や天気の変化の影響を受けやすいかは個体差があります。片頭痛なんて経験がない!なんていう人がいるように、すべてのワンちゃんが気圧や天気で体調を崩してしまう訳ではありません。

しかし、個体差があるとはいえ、ジメジメとして蒸し暑く、なんだか調子の上がらないこの時期は、愛犬の健康にも影響を与えます。

体調の悪さやかゆみなど、ワンちゃんは言葉で伝えることができません。しかし、私たち飼い主が正しい知識をもって、いつもより少しだけ愛犬の様子を気に掛けてあげるだけで、大幅に予防することができますし、万が一体調に異常が生じても早期に対応、治療することができます。

飼い主さまの責任として、大切なワンちゃんに毎日元気で過ごしてもらうため、梅雨時期はいつもより少しだけ、これらのことに気を付けて行動してあげて下さいね。


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