ワンちゃんが食べられる秋野菜
目次
1. はじめに
相変わらず暑い日も続きますが、夜風は少しだけ秋の香りがしてきましたね。過ごしやすい季節まであと少しです(と信じたい…!!)秋と言えば昔から、読書の秋、スポーツの秋なんていわれますが、やはり何といっても食欲の秋ではないでしょうか。
色々なものがおいしいこれからの季節。今回はワンちゃんが食べられる「秋が旬の野菜」についてご紹介します。
2. そもそもの話ですが・・・
そもそもワンちゃんに野菜を食べさせる必要はあるの?と疑問に思われたかもしれませんが、率直に言うと、必要かそうでないかと問われれば、無理に野菜を食べる必要はありません。野菜を取らずとも、総合栄養食と呼ばれるフードをしっかりあげていれば、栄養バランスも保たれ、健康上も問題なく過ごすことができるでしょう。
しかし、よく勘違いされているのですが、ワンちゃんはネコちゃんと異なり、”完全な”「肉食動物」ではありません。 古来から人間と共に暮らし、肉や魚のほか、穀物や野菜なども食べてきたことから、その他の「肉食動物」に比べると腸が長いのです。諸説ありますがワンちゃんは「雑食動物に非常に近い」肉食動物だと考えられています。
食生活によって腸の長さは異なり、野菜中心の食生活を続けてきた日本人のほうが欧米人に比べて腸が長いことは有名ですね。
そのため「野菜はワンちゃんの体に合わない」「食べてはいけない」ということではないのです。
また、野菜にはビタミンや食物繊維が多く含まれることが多く、皮膚の健康維持や便秘解消などの効果が期待できますので、栄養の補完として利用することはできます。 あまりお水を飲みたがらないワンちゃんの水分補給の手段としてや、普段のおやつ代わりに旬の野菜にチャレンジしてみるのもよいかもしれません。
人間用に味付けがされたお料理をお裾分けする、というのは絶対にNGですが、旬の野菜を調理前にワンちゃん用に少しとっておいて、人間がみんなで食卓を囲む際に、大切な家族であるワンちゃんにも一緒に味わってもらう、というのは素敵な時間なのではないかなと思うのです。
普段の日常に季節のものを取り入れることで、ぜひワンちゃんと一緒に秋を楽しんでみてください。
3. この時期おすすめ!ワンちゃんが食べられる秋野菜9つ
1.サツマイモ
サツマイモには腸の動きを活発にする働きがあるので、便秘気味のワンちゃんには最適です。また、ビタミンCが豊富で健康な皮膚や骨づくりに役立ちます。あげる量としては、5kg:30g、体重10kg:50gを目安にしてください。
与える際は、茹でる、ふかすなどしてをして、必ず加熱して与えます。
食物繊維が豊富なため、食べ過ぎると消化不良を起こす可能性もありますので、注意してください!加えて、野菜の中ではカロリーが高いので、もともとぽっちゃり体形の子はほんの少量にとどめるようにしましょう。
※微量ですがたんぱく質が含まれているため、ごくまれにアレルギーを引き起こす可能性があります
2. カボチャ
食物繊維やカロテン、ビタミン、鉄分などの栄養素が豊富です。皮膚や目の状態を健康に保ち白内障予防、疲労回復効果のほか、皮膚や被毛の健康を維持してくれる効果があります。あげる量としては、体重5kg:20g、体重10kg:40gが目安です。
サツマイモ同様、必ず加熱して与えましょう。そして、種はしっかり取り除いてください。
食物繊維が豊富なため、食べる量によってはウンチもかなり軟らかくなります。サツマイモほどではありませんが、カロリーも高いので与え過ぎには注意が必要です。 身の部分だけではなく、皮部分にも栄養が豊富なため、柔らかくなるまで茹でてすりつぶしてあげるとよいでしょう。
※ウリ科の食材のため、ごくまれにアレルギーを引き起こす可能性があります。
3.レンコン
ビタミンCが豊富で、粘膜の健康を維持したり、疲れをとってくれる役割があります。そのほか、血液を作る手助けをするビタミンB6やB12も豊富に含まれています。繊維質も豊富で、便秘予防などに効果的です。あげる量としては、体重5kg:30g、体重10kg:60gを目安にしてください。
レンコンは生と加熱どちらも食べられますが、消化に負担がかからないよう、加熱してから与えるようことをお勧めします。 硬さもあるため、細かく刻むか、薄くスライスしたもの、すりおろしたものなどを与えましょう。 そして、与える前には5~10分くらい水にさらし、しっかりあく抜きをするようにしてくださいね!
※微量ですがたんぱく質が含まれているため、ごくまれにアレルギーを引き起こす可能性があります
4.ゴボウ
食物繊維が豊富なことで知られるごぼうは、腸内の活性化や便秘の解消に役立ちます。ごぼうに含まれる「イヌリン」と「リグニン」という2種類の食物繊維には、血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを体外に排出する作用もあります。あげる量としては、体重5kg:30g、体重10kg:60gを目安にしてください。
生は絶対にNGです。必ず茹でるか蒸すかなどの処理を行い、加熱してから与えるようにしましょう。 のどに詰まらせないように、できるだけ少し手がかかりますが、フードプロセッサーなどですり潰してから与えるのがもっともワンちゃんにとっては負担が少ないです。 食物繊維が豊富なため、与え過ぎると、消化不良を起こす可能性がありますのでご注意ください。
※キク科の植物なので、ごくまれにアレルギーを引き起こす可能性があります
5.ニンジン
βカロテンがとっても豊富な野菜で、視力、皮膚、粘膜などを健康に保つ働きがあります。そのほか、カリウムが含まれていることから、体内の余分な塩分を尿と一緒に排出し、血圧を下げる作用も!あげる量としては、体重5kg:15g、体重10kg:30gを目安にしてください。
与える際は、必ず加熱するようにしましょう。「生」のにんじんには、ビタミンCを壊してしまう酵素が含まれています。
水分量が多く、低カロリーな野菜なのでダイエット中のワンちゃんにもおすすめですが、一方で、豊富に含まれるカリウムは腎臓疾患があるワンちゃんにとってはNGです。過剰摂取により、「高カリウム血症」になる可能性があります。
6.カブ
ビタミンCや食物繊維が豊富に含まれており、高い抗酸化作用が期待できます。また、辛みの成分「イソチオシアネート」も含まれており、免疫力を高める効果や抗ガン作用も期待できます。あげる量としては、体重5kg:20g、体重10kg:40gを目安にしてください。
生の状態で食べることもできますが、生のカブは非常に硬さがあります。安全のためにも、柔らかく加熱したものを与えましょう。 皮は消化に悪いため、剥いてから与えるようにしてくださいね。葉は栄養成分が豊富なため、与えても構いません。
7.ナス
水分量が豊富なほか、「ナスニン」という強い抗酸化作用を持つポリフェノールが含まれています。抗がん作用やアンチエイジングのほか、血液がサラサラになる働きがあり高血圧や動脈硬化の防止につながると言われています。あげる量としては、体重5kg:20g、体重10kg:40gを目安にしてください。
生でも食べても害はないのですが、胃腸の負担がかかるため、加熱して柔らかくしたものを与えるようにしましょう。 食物繊維が豊富なため便秘改善や整腸作用に優れているのですが、与え過ぎるとお腹を壊す可能性がありますので注意が必要です。
※同じナス科のトマト、ジャガイモ、ピーマンにアレルギーがある場合、ナスでもアレルギー症状が出る可能性がありますので注意してください
8.大根
大根は、根や葉にも栄養満点!ビタミン類やミネラルも多く含んだ優秀な野菜です。大根に含まれるイソチオシアナートという成分は、血栓を予防し、血液をサラサラにしてくれる効果もあります。あげる量としては、体重5kg:20g、体重10kg:40gを目安にしてください。
生と過熱どちらでも食べさせられます。
生のまま与えると、消化酵素がでんぷんの分解を助け、胃もたれや胸やけを防ぎます。まだ35度近い日もありますので、気温が高い日の水分補給の場合は、生のまま大根おろしを与えるのもよいかもしれませんね。
一方で注意点としては、大根の辛味成分でもあるイソチオシアネートが胃腸を刺激して下痢や嘔吐につながる可能性があります。与える量には気を付けましょう。 また、カリウムが豊富に含まれるため、腎臓に不安のある子は注意が必要です。
4. 旬の野菜で食欲の秋を楽しもう
いかがでしたでしょうか。普段あげている市販のおやつに替わるものとして、や、カリカリフードのトッピングとして、旬のお野菜を取り入れてみてもよいかもしれませんね!今回ご紹介した秋の野菜については、比較的アレルギーを起こしにくい食材と言われていますが、どんな食材でもアレルゲンとなる可能性はあります。もともとアレルギー体質の子については、避けるようにしてください。
また、そうでなくとも、与え方や量によっては有害になってしまう食べ物も数多くあります。はじめての食材を与える場合は、少量ずつ始めることが大切です。
そして、食いつきが良いからと沢山あげてしまうことや、毎日の習慣として与えてしまうことはやめましょう。カロリー調整のために主食のフードを減らす、などでは、栄養バランスが崩れてしまい元も子もありません。
何事も過ぎたるは及ばざるがごとしです!適量を守って、ワンちゃんと旬の食材を一緒に楽しんでくださいね。