「いま」知ってほしい!ペットのウェルネスコラムvol.1:ペットの熱中症

知識・お役立ち 2024.7.1

「Pets always come first」を理念に掲げるペッツファーストでは、お迎えいただいた後も末永くペットの健康をサポートしています。
今月から、「いま」だからこそ知っていただきたいペットのウェルネスに役立つ情報を、毎月お届けしていきます。ぜひご覧ください。
(※当社がお送りしているメールマガジン「『いま』知ってほしい!ペットのウェルネスコラム」を一部編集して掲載しています)

目次

  1. 今月のテーマは「熱中症」
  2. 熱中症とは
  3. どんな症状?
  4. 熱中症になってしまったら
  5. 熱中症にならないために

1. 今月のテーマは「熱中症」

まずはじめにクイズです!
ワンちゃん、ネコちゃんの「熱中症」が多くなるのは何月かご存じでしょうか?
 
正解は……「7月」です。
そして、気温の高い昨今では7月をピークにして、なんと12月まで熱中症にかかるケースもありますので、これからしばらくは熱中症に十分注意が必要な時期となります。
そこで今回は、暑くなる「今」だからこそ知りたい「熱中症」についてお話します。

   
アニコム損保調査データより(図は当社作成)

2. 熱中症とは

熱中症とは気温や湿度や高い環境下で、体温調節機能がうまく働かなくなり、体の中に熱がこもった状態です。特に全身が毛で覆われたワンちゃん、ネコちゃんは体の一部しか汗をかくことができないので、「ハァハァ」という荒くて速い呼吸をすることで熱を外に逃がそうとしますが、この換気がうまくできないことがあり、熱中症の引き金となります。

特に短頭種(パグ、フレンチブルドッグ、エキゾチックショートヘアなど)と呼ばれる鼻ぺちゃのワンちゃんやネコちゃんたちはこの換気自体が苦手なため、熱中症になりやすく、特に注意が必要です。

また、体温調節機能の未熟な子犬・子猫、体力の低下しているシニア犬・猫、そして肥満傾向にあるワンちゃん・ネコちゃんも気を付けなければなりません。


3. どんな症状?

熱中症になった際に現れる症状としては、以下を参考にしてください。(※下記は一例です。複数の症状が見られることもあります。)

チェックポイント

  • 呼吸がいつもより明らかに速い
  • 心拍数が早い
  • 体を触ると熱い
  • よだれが多い
  • 嘔吐や下痢をしている(★)
  • 元気がなくなる(★)
  • 舌や歯ぐきが青白くなる(★)
  • 呼びかけに反応しない(★)

特に★をつけた項目に該当する場合は、早急な処置が必要な場合もあります。すぐにお近くの動物病院へ行っていただくことをおすすめします。

 
自宅の近くで体調を崩した場合は、かかりつけの動物病院へ行っていただくのが一番ですが、外出先の場合、すぐに行ける動物病院をあらかじめ見つけておくことも重要です。

ペッツファースト動物病院は都内、関西をはじめとして9病院を開院しております。外出先での体調不良の際にはお気軽にご相談くださいね。

ペッツファースト動物病院

4. 熱中症になってしまったら

では、上記のような症状が認められた場合、どうしたらいいのでしょうか?

応急処置で重要なことは「涼しいところへ移動」そして「体を冷やす」の2点です。

〈1〉まずは気温の低いところへ!

日陰や涼しいところへ移動し、クーラーがある屋内施設や車内へ移動しましょう。そのうえで、お水が飲めそうであれば飲ませてあげてください。ただし、無理に飲ませることは避けてください。

〈2〉体を冷やす!

首、脇の下、太ももの付け根の部分のような太い血管が走っている部分に、保冷剤や氷のうを当ててください。また、体に常温の水(※)をかけるか、水で濡らしたタオルをかけて、扇風機などで風をあてるのも効果的です。

※冷たい水をかけたり、体を冷やしすぎると、逆効果となりますので注意しましょう。


こういった応急処置をして、もしも体調が回復したとしても体はダメージを受けています。時間が経過してから、何らかの症状が出ることもありますので、なるべく早く動物病院へ行きましょう。


5. 熱中症にならないために

熱中症は予防をすることができます! 以下を参考にお散歩や外出を楽しみましょう♪

〈1〉お散歩は涼しい時間に

お散歩に行くのは朝晩の日差しの少ない、涼しい時間帯にしましょう。アスファルトを触ってみて熱いと感じる場合には、目線の低いペットではさらに熱く感じますので、お散歩は時間を置いてからにしましょう。「犬のおさんぽ予報」という路面温度の予測から、ペットの散歩に適した時間がわかるサイトもあります。こういった情報も有効活用しましょう♪

〈2〉お出かけは十分に対策をして

車で外出の場合はクーラーをしっかり活用し、水分補給もこまめに行いましょう。また、熱中症対策グッズとして、ペット向けのクールリングやひんやりマット、イオンバランス粉末飲料もありますので、こういったものを常備しておくと安心ですね。

〈3〉クーラーのない車内や室内への放置はNG

室内でも熱中症になることもありますので、室温が25℃程度になるようにクーラーを設定しましょう。また、クーラーのついていない車内はサウナと同じくらい温度が上がりますので、少しの時間でも絶対にワンちゃん、ネコちゃんだけ置いていくことのないようにしてください。

 
いかがでしたか?

飼い主さまもワンちゃん・ネコちゃんも十分に気を付けて、素敵な夏の思い出を作ってくださいね♪



執筆

 
ペッツファースト所属獣医師 小野絢子
日本大学を卒業。子犬・子猫の健康診断やワクチン接種、ペットショップへの往診業務の経験から、すべてのペットと飼い主さまがより幸せに、そして健康に過ごすことができるような情報発信を行なっています。

今回ご紹介した熱中症対策グッズ

gelato pique COOLネックカバー

内側のポケットにお手持ちの保冷剤を入れ、上下のゴムでサイズ調整することができるネックカバー。

アクアグリー

水分・電解質・ブドウ糖を補うイオンバランス粉末飲料。暑い日の水分補給に活躍。

ペッツファーストオンラインストア

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ペットショップ併設の病院から高度医療機器を備えた高度医療センターまで、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県に9医院を展開。
各医院が連携することで、総合病院のような幅広いサービスを提供しています。

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