ペット不可物件でペットを飼い続けたらどうなるのか

ペットと暮らす 2023.05.12

目次

  1. はじめに
  2. ペット不可物件で、内緒でペットを飼い続けることは可能なのか
  3. こっそり飼っていることがばれる3大理由
  4. ばれたらどうなるか
  5. まとめ

はじめに

近年のペットブームもあり、ペットを飼う方が増えています。

一人暮らしや学生さんから高齢の方まで、居住形態や年齢層関わらず、多くの人がペットを新たな家族として迎えています。ペットをお迎えすることのハードルが下がってきているということかもしれません。

とはいえまだまだペット可の賃貸住宅は数が少なく、全物件の12%程度といわれています。「ペット可」の賃貸住宅が少ない理由として、ペットの臭いや鳴き声などが住民同士のトラブル発生になることや、壁紙の破損や床の傷などで退去時の修繕費用がかさむこと、当然動物嫌いな人はいることから、次の入居者が入りづらくなることなどが主な理由のようです。

一目ぼれ的にペットをお迎えした場合、現在もペット不可物件に住んでいる状況という方もなかにはいるかもしれませんが、それではペット不可物件に内緒で住み続けることは可能なのかという点についてお話しさせていただきます。

ペット不可物件で、内緒でペットを飼い続けることは可能なのか

一目ぼれでついつい連れて帰ってきてしまった、というケースが大半だと思いますが、なかには、ばれなきゃ大丈夫ではないか、引っ越すのは面倒だし予算が掛かるという理由から、ペット不可物件でペットをお迎えし、その後も飼育を敢行してしまう方もいるかもしれませんが、結論として長期間内緒でペットを飼い続けることはほとんど不可能です。

ばれる経路として最も多いのは近隣住民から管理会社への通報です。特に動物アレルギーの方などは、かなりこの部分に神経をとがらせています。見てみぬふり、ではなく、少しでも疑惑があれば真っ先に管理会社に通告されます。

こっそり飼っていることがばれる3大理由

特にワンちゃんの場合、こっそり飼い続けることは非常に困難を極めることといえます。

基本的に完全室内、というネコちゃんと異なり、健康維持のためには定期的にお散歩に行く必要がありますが、誰にもばれないように夜中こっそり散歩に出かけたりしても、偶然他の住民に見つかってしまう可能性も高いです。

また今はどんなマンションにもたいがいエントランスには防犯カメラが設置されています。

カバンの中に顔まで入れてこっそり出入りをする方法をとるしかないでしょうが、急に顔をのぞかせたり、尻尾が出てしまったり、もぞもぞ動いてしまったり、なんていうこともよくあるでしょう。そのような生活を何年も続ける方が大変だといえます。

吠え・鳴き声

その他、ペット不可物件でペットを飼っていることがばれる理由としては、第一にやはり「吠え」です。ワンちゃんの鳴き声から周囲にばれ、管理会社に通報されるケースがほとんどです。もちろん、なかにはあまり吠えないという子もいますが、来客時や周囲の騒音に影響されて、日中飼い主さんが留守にしている間などに、吠えてしまうこともあります。

また、マンションの場合は必ず定期的に点検が実施されています。水道点検やエアコン点検などの場合は室内に立ち入りが必要です。2,3日頑張って一生懸命に清掃したところで、一緒に暮らしていたペットの臭いは部屋にしみついています。立ち入った時点でばれることがほとんどのようです。

このご時世ですから、水道点検や消防点検など室内に立ち入る点検は不在を理由にしてパスすることはできるでしょうが、ベランダの梯子点検などは居住者が在宅か否かに関わらず必ず業者が立ち入ることとなります。

外部の業者が室内のペットに気が付き、管理会社に通告する、なんていうことは考えられにくいのですが、滅多に外に出たことがない、他の人にもあったことがない、というペットは仮に窓越しやレースカーテン越しだとしても、突如現れた見知らぬ人の存在に、恐怖を感じ、パニックから吠えてしまう、走り回ってしまうことはたやすく考えられるでしょう。

騒音

また、ネコちゃんの場合などは夜間にいわゆる「大運動会」といわれるように走り回るケースもあります。高齢のネコちゃんはゆったりと寝ている時間が多いのですが、若齢のネコちゃんは想像以上にアクティブですし、運動量が多いです。どたどたと走り回る足音から、下の階の方などにばれてしまうケースも多々あります。

さらには、犬にしても猫にしても独特の動物臭は必ずあります。なんとなくこの階は動物臭がする、などと同じ建物の住民に気づかれて、管理会社に通報されるケースも多くあります。

ゴミ

その他、毎日出すゴミから管理人さんにばれるケースもあります。現在は全国的にも透明もしくは半透明のごみ袋の使用が義務付けられていることから、ペットフードのゴミやペットのためのおもちゃなどを普通にごみで出していてはすぐにばれます。ペットを飼っているのが一目瞭然です。外から見てもわからないように労力をかけてゴミ捨てをしなければ、すぐにバレてしまいます。

とはいえ、ワンちゃんの場合はトイレシートを、ネコちゃんの場合も猫砂を使用していますから、こまめなごみ捨ては必須です。特にトイレ関連のゴミは特に臭いがありますので、最低でも2,3日に1度は処分しなければ部屋のなかもオシッコ臭でいっぱいになってしまいます。

生活環境の維持のため、できるだけこまめに捨てておきたいトイレ関連ゴミに、毎回絶対にばれないように…とそれほどまでの神経をとがらせ続けなければならないのは、飼い主のストレスも大きいでしょう。

ずばり、ばれたらどうなるか

ついに、近隣住民の通報によって、管理会社にペットを飼っているらしい、という情報が入ったとします。その後はどのような流れになるのでしょうか。

まずは管理会社から部屋の契約主に「ペットを飼っているのではないか」という確認の電話が入るケースが多いようです。

その際に素直に認めるか、飼っていないと言い張るかの2択になると思いますが、飼っていないと言い張った場合には早ければ当日、遅くとも数日以内に管理会社が部屋に立ち入り、検査をすることが多いです。

入室を拒否することはできません。一歩立ち入られたならば、その時だけペットホテルや友人の家に預けて姿を隠したとしても、しらばっくれるのはほとんど不可能です。におい、抜け毛、壁などの傷、床の汚れなど、ペットの痕跡がないか、管理会社は目を光らせています。

1. 退去を促される

ペットを飼っていたことがばれた場合は当然規約違反に当たるので、できるだけ早急に退去し、ペット可物件への引っ越しを行うように促されます。

すぐに強制的に追い出されることはないでしょうが、ペット飼育を許可してもらおうと交渉することは不可能です。

一日も早く新居を見つけて出ていくように促されることと併せて、引っ越しまでの日数は、ペットを友人知人もしくはペットホテルなど、よその場所に移しておくように、と指示されることが多いです。

2. ペットを手放すように促される

もしペット禁止物件に住み続けたいならば、当然ペットの飼育をやめるように指示されます。

動物愛護法でペットの放棄は禁止されていることから、管理会社も「今すぐペットを捨てるように」とは言いません。ただ、「誰かに引き取ってもらってくれ」「里親を見つけるように」という言葉で手放すように勧告します。それができないならば退去してくれ、という流れになることが多いようです。

大切なペットを手放すという選択肢をとる方は少ないことを祈りたいですが、代わりに飼ってもらえる人を探すのは当然大変です。なかにはこのような判断を迫られて、やむをえず保健所に引き取ってもらうケースもあります。いうまでもありませんが、保健所に連れて行った場合は、最悪の場合は殺処分になることもあります。

多くの人は一日も早く退去できるよう、ペット可の物件を探すこととなりますが、ペット可の部屋は不可物件に比べて家賃も高く、そもそも物件自体少ないので、なかなか見つかりません。また、引っ越しに伴い数十万円まとまったお金が必要となることから、今すぐの引っ越しが難しい、ということもあるかもしれません。

結果的にペット可の新居が見つかるまで、家族や友人たちに一時的に預かってもらったりと、迷惑をかけてしまうことになるでしょう。預かってもらえる人がいない方は、ペットホテルなどの利用も検討することになります。

3. 高額な退去費用の請求がくる

無事ペット可物件が見つかり、ペットとともに引っ越しのめどが立ったとしても、それで終わりという訳にはいきません。

当然ながら内緒でペットを飼っていたので、退室時に割増のクリーニング費を請求されます。現状回復費に加えて、違約金や迷惑料を請求されるケースもあり、通常の退去時の数倍以上の多額の支払いをしなければなりません。柱や床に傷がついている場合は、それだけでリフォーム費用として数十万円請求されるかもしれません。

4. 民事訴訟を起こされる可能性も

また、もし近隣住民がアレルギーを発症した場合は、個人的に治療費や慰謝料を請求される可能性もあります。特に猫アレルギーを持っている方は非常に多く、だからこそペット不可物件に居住しているわけです。換気扇から入ってくる空気やベランダ越しに風で流されてきた猫のフケや毛からアレルギーを発症してしまう可能性は大いにあります。

一度ペットを飼ってしまったら、隠し通すことはほとんど不可能です。 臭いも含めて飼っていた痕跡はまず消せないと考えてください。

まとめ

いかがでしたか。大事なことは1日であってもペット不可物件でペットを飼わないということです。 たった1日でも、部屋を傷つけられたり、毛や臭いがあると、飼っていた期間はあまり関係ありません。ほぼ100%の確率でばれます。

もし”運よく”ばれずに過ごせたとしても、毎日のお散歩も十分に行けずに、ペットに不自由な思いをさせることとなります。平常時ならばまだしも、病気や事故で命に係わるような緊急事態で動物病院に向かうときでさえも、周りの目を気にしながらコソコソと外出する。そのような過ごし方がペットを大切にしている、とは言えないのではないでしょうか。

一目ぼれや運命を感じてペットを飼う人は多く、お迎え後もきちんと責任をもって飼養してくれる方はたくさんいらっしゃいます。それが悪いわけではなく、もし飼育環境が整っていないならば、お店の人やブリーダー様に相談して、転居が完了するまで預かってもらう、契約を済ませたのちにも一定期間預かってもらえるように交渉するなど、ペットも飼い主さまもハッピーになるような選択をしてあげてください。


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