初心者さんのネコちゃんの飼い方!準備や費用・心構えを解説
「ネコちゃんを飼うためにはどんな準備をすればいい?」
「日々のお世話の具体的なやり方は?」
「留守番で注意すべきことは?」
ネコちゃんのお迎えを検討している方には、このような疑問があるのではないでしょうか。お迎えの際はネコちゃんが安心して過ごせる環境を整え、最低限必要なグッズを準備しましょう。
この記事では、お迎え前の心構えから具体的な準備、日々のお世話のポイントなど、ネコちゃんの飼い方を解説します。また、気になる費用面や留守番の際の注意点にも触れています。
この記事を読めば、ネコちゃんの飼い方に関する不安が解消され、自信を持って愛猫との新しい生活を踏み出せるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
目次
- ネコちゃんを飼う前に知っておきたい5つのこと
- ネコちゃんを飼うための準備
- ネコちゃんをお迎えしたら最初にすること
- ネコちゃんとの暮らしを豊かにする毎日のお世話
- 留守番でストレスを溜めないための注意点
- ネコちゃんの飼い方を知って楽しい新生活を迎えよう
ネコちゃんを飼う前に知っておきたい5つのこと
ネコちゃんのお迎えを検討する前に、実際の暮らしで重要になる以下の5つのポイントを知っておきましょう。
- 生涯にかかる費用
- 日々のお世話
- しつけ
- 自宅の環境
- 病気やケガ、迷子などのトラブル
ここからは、それぞれのポイントを解説します。
1. 生涯にかかる費用
| 項目 | 内訳 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 初期費用 | ネコちゃんをお迎えする費用 | 20万円~30万円程度 |
| 各種飼育グッズ代 | 5万円程度 | |
| 初期費用 合計 | 25万円~35万円程度 | |
| 月々の費用 | フード代 | 4,000円~1万円程度 |
| おやつ代 | 1,000円程度 | |
| おもちゃ | 1,000円~2,000円程度 | |
| その他日用品・消耗品 (猫砂、爪とぎなど) |
1,000円~2,000円程度 | |
| ケガや病気などの治療費 | 4,000円程度 | |
| ペット保険 | 500円~4,000円程度 | |
| 月々の費用 合計 | 11,500円~23,000円程度 |
ネコちゃんを家族として迎えるには、生涯にわたる費用計画が欠かせません。ネコちゃんの寿命は平均で16年程度、長生きすると20年近くになるため、長期的な視点での経済的な計画が必要です。
お迎え時に必要となる初期費用は、合計で25万円~35万円程度です。ペット価格に加えて、ケージやトイレ、食器などの飼育グッズ代で平均5万円ほどを見込んでおくとよいでしょう。
ネコちゃんとの暮らしが始まると、月々の費用として11,500円~23,000円程度が発生します。主な内訳は日々のフード代やおやつ、猫砂などの消耗品費です。それに加えて、ワクチン接種や定期的な健康診断、予期せぬ病気やケガの治療費も考慮しなければなりません。
長期的な視点を持ち、経済的に責任が持てるか事前によく検討しておきましょう。
2. 日々のお世話
ネコちゃんは比較的自立した動物ですが、健やかで幸せな毎日を送るためには、飼い主の日々のお世話が欠かせません。
ブラッシングは、美しい被毛と皮膚の健康を保つために定期的に必要なお世話です。特に、換毛期には注意が必要です。また、ブラッシングはネコちゃんとのスキンシップをはかる大切な時間にもなります。
トイレのお掃除も日々欠かせないお世話です。ネコちゃんはきれい好きな動物なので、トイレが汚れているとストレスを感じます。粗相の原因にもなるため、こまめにきれいにしましょう。
ほかにも、遊びの時間をつくることは、飼い主との信頼関係を築くうえでも大切です。遊ぶことで、ネコちゃんの運動不足解消やストレス軽減にもつながりますので、毎日少しでも猫じゃらしなどで遊んであげてください。
3. しつけ
必要ないと思っていらっしゃる方も多いかもしれませんが、ネコちゃんにも実はしつけが必要です。
しつけで大切なのは、ネコちゃんの習性を理解し、自然な行動を受け入れることです。そして、ネコちゃんの多くの行動が本能に基づくため、ワンちゃんのようなトレーニングとは異なるアプローチが求められるということは理解しておくとよいでしょう。
しつけの具体例としては、爪とぎの仕方やキャリーケースに慣れさせるといったことが挙げられます。こうした工夫を通じて、ネコちゃんとの信頼関係を築き、安全で快適な暮らしを支えることができるようになります。
4. 自宅の環境
ネコちゃんとの暮らしを始める前に、ネコちゃんの目線で自宅の環境を安全に整えておくことが大切です。
誤って口にしてしまう小物や、脱走や事故につながる危険な場所は、事前に片づけたり対策したりしましょう。こうした準備をおこなうことで、ネコちゃんが安心して過ごせる住環境が整います。
また、ネコちゃんは環境の変化に敏感なため、新しい家に慣れるまでは少しずつネコちゃんの様子にあわせて安全な空間をつくっていきましょう。
詳しい部屋づくりについては、「【環境】ネコちゃんが安心して過ごせる部屋をつくる」で詳しく解説します。
5. 病気やケガ、迷子などのトラブル
どれだけ気を付けていても、予期せぬ病気やケガ、トラブルは起こります。これらのリスクを最小限に抑え、万が一の事態に備えておくことが大切です。
交通事故やほかのネコちゃんとの接触による感染症を防ぐために、室内飼育をすることをおすすめします。室内飼いであっても、さまざまな感染症を予防するために、年に一度の混合ワクチンの接種が推奨されています。
ブリーディングを望まない場合は、避妊・去勢手術を検討しましょう。避妊・去勢手術は、生殖器系の病気を予防し、寿命を延ばす効果も期待できます。
災害時や万が一の脱走に備え、マイクロチップ情報の登録内容の確認に加えて、迷子札も装着しておくと安心です。万が一、離れ離れになっても、身元確認の手がかりとなり、再会の可能性が高まります。
ネコちゃんを飼うための準備
ネコちゃんが新しい環境で安心して快適に過ごせるように、万全の準備を整えましょう。ここでは、「環境」「グッズ」の2つの観点から、ポイントを解説します。
なお、詳しい準備については以下の記事で解説しています。こちらもあわせてお読みください。
【環境】ネコちゃんが安心して過ごせる部屋をつくる
| 対策 | 具体例 |
|---|---|
| 専用の高所を用意する | キャットタワーの設置 |
| 危険物を片付ける | 小さなおもちゃ、糸、輪ゴム、ビニール袋 ユリ科の植物、ポインセチア、アロエ |
| 脱走対策を徹底する | 窓にストッパーを付ける 玄関にゲートを設置する |
| 危険な場所への立ち入りを禁止する | お風呂場、キッチン |
ネコちゃんが安全で快適に暮らすためには、ネコちゃんの習性を理解した部屋づくりが不可欠です。
ネコちゃんは本能的に高い場所を好みます。これは、周囲を見渡して危険を察知し、安心してくつろぐための習性です。この習性を満たすために、キャットタワーなどの自由に登れる場所を用意してあげましょう。キャットタワーがあると、家具などを傷つけられるリスクも減らせます。
室内の危険なものは、あらかじめ片付けましょう。たとえば、小さなおもちゃや糸、輪ゴム、ビニール袋などは、誤飲や窒息の危険があります。また、ユリ科の植物やアロエなど、ネコちゃんにとって有毒な観葉植物は室内に置かないようにしましょう。
窓やドアの隙間は、飼い主が思う以上に簡単にするりと抜け出る場合があります。脱走防止の対策を徹底し、電気コードにはカバーを付けるなどの配慮も重要です。
お風呂場はネコちゃんにとって危険な場所のひとつです。床が滑りやすく、転倒してしまうおそれがあります。また、浴槽に水を張ったままにしておくと溺れる危険があるため、使わないときは水を抜く、お風呂場のドアはしっかり閉めておくことを徹底しましょう。
【グッズ】最低限揃えておきたいものを確認する
お迎え当日から安心して生活をスタートできるよう、以下の必須アイテムは事前に揃えておきましょう。
- ケージ
- ベッド
- トイレ・猫砂
- 爪とぎ
- フード・おやつ
- 食器(ごはん+お水)
- おもちゃ
- キャットタワー
- キャリーケース、クレート
- お手入れグッズ
ケージはネコちゃんが安心して休める自分の部屋として大切な場所です。留守番や来客時にも役立つため、上下運動ができる2〜3段の高さがあるものがおすすめです。
毎日のフードは、環境の変化によるストレスを少しでも和らげるため、お迎え前に食べていたものと同じものを用意しましょう。年齢に合った総合栄養食を選ぶのが基本です。
食器は、ヒゲが縁に当たらない形を選ぶことが大切です。お顔より一回り大きく、浅めで広いタイプのお皿なら、ストレスを感じにくく、ネコちゃんが快適に食事ができるようになるでしょう。
そのほか、壁や家具を守るための爪とぎや、動物病院への通院や災害時の避難に不可欠なキャリーケースも忘れずに準備しましょう。爪とぎはさまざまな素材や形のものがあるので、愛猫の好みを見つけてあげてください。
ネコちゃんをお迎えしたら最初にすること
愛猫との生活がスタートしたら、健康で安全な暮らしの基盤を築くため、以下の4つのステップを最初におこないましょう。
- 動物病院の健康診断を予約する
- マイクロチップの情報を登録する
- ワクチン接種の計画を立てる
- 避妊・去勢手術を検討する
ここからは、それぞれのステップについて解説します。
ステップ1. 動物病院の健康診断を予約する
おうちに迎えたら、まずは動物病院の健康診断を予約しましょう。見た目は元気そうでも、寄生虫がいたり、先天的な病気が隠れていたりする可能性もあります。
新しい環境に来たばかりのネコちゃんは、ストレスで体調を崩しやすい状態です。お迎えしてから1週間ほど経ち、少し環境に慣れてきた頃に受診するのが一般的です。早めに健康状態をチェックしてもらうと、安心して新しい生活をスタートできます。
今後のワクチン接種や避妊・去勢手術の相談もできるよう、信頼できるかかりつけ医を見つけましょう。
ステップ2. マイクロチップの情報を登録する
続いて、お迎えした日から30日以内にマイクロチップの情報の変更登録をおこないます。
現在では法律により、ブリーダーやペットショップで提供されるネコちゃんにはマイクロチップの装着が義務付けられています。お店からお迎えする場合、ネコちゃんにはすでにマイクロチップが装着されている場合がほとんどです。
完全室内飼育でも、玄関のドアを開けた瞬間や、災害時などにパニックになって脱走する可能性はゼロではありません。迷子札が外れても、マイクロチップは体内に装着されているため、確実な身分証明となります。
万が一の事態に備え、お迎えしたら必ずご自身の情報に変更する手続きをおこないましょう。
ステップ3. ワクチン接種の計画を立てる
ワクチン接種は、さまざまな感染症から愛猫を守るために重要です。完全室内飼育であっても、飼い主が外からウイルスを持ち込む可能性があります。
子猫の場合、母猫からの免疫が切れる生後2カ月頃に1回目の接種をおこない、その後1カ月ごとに2〜3回の接種をするのが一般的です。
どの種類のワクチンを、どのようなスケジュールで接種するかは、ネコちゃんの健康状態や生活環境によって異なります。必ず動物病院で獣医師と相談し、愛猫に最適なワクチン接種計画を立てましょう。
ステップ4. 避妊・去勢手術を検討する
望まないブリーディングを防ぎ、ネコちゃんの健康にとっても多くのメリットがあるため、避妊・去勢手術が推奨されています。最初の発情期を迎える前の生後6カ月頃に手術するケースが一般的です。
手術によって、女の子は子宮の疾患や乳腺腫瘍などの病気のリスク、男の子は精巣の病気や前立腺の問題を防げます。また、男の子は発情期特有の大きな鳴き声やマーキングなど、飼い主のストレスにつながる行動を抑制する効果も期待できます。
手術の適切なタイミングや方法については、かかりつけの獣医師とよく相談して決めましょう。
ネコちゃんとの暮らしを豊かにする毎日のお世話
日々のこまやかなお世話は、愛猫との絆を強め、健康を守るうえで何よりも大切です。ここでは、毎日のお世話の基本をわかりやすく解説します。
【食事】フードの選び方・与え方
主食には、ネコちゃんに必要な栄養素がバランスよく含まれた「総合栄養食」と記載のあるキャットフードを選びましょう。
そのうえで、ネコちゃんの年齢に合わせてフードを選ぶことが大切です。成長期の子猫、活動的な成猫、そして代謝が落ちてくる高齢のネコちゃんでは、それぞれ必要とする栄養バランスが異なります。
食事の回数は、成長段階に合わせて調整します。子猫の場合、生後6カ月を過ぎたら1日3〜4回程度に落ち着かせていくとよいでしょう。成猫の場合は、1日2〜4回に分けて与えるのが一般的です。
カリカリのドライフードだけでなく、ウェットフードを併用すると、水分補給にも役立ちます。
【トイレ】しつけのコツ・掃除方法
ネコちゃんはワンちゃんよりもトイレを覚えやすいといわれていますが、飼うにあたってはトイレの教え方を知っておくとスムーズです。ここでは簡単なコツと、トイレを清潔に保つための掃除の方法について触れます。
まず、トイレはネコちゃんが落ち着いて排泄できるよう、人通りが少なく静かな場所に設置しましょう。ネコちゃんが床の匂いを嗅いだり、ソワソワしたりといったトイレのサインを見せたら、トイレに連れて行ってあげるのがコツです。
ネコちゃんはきれい好きな動物なので、トイレ環境は常に清潔に保つ必要があります。排泄物はできるだけ毎日取り除き、トイレ本体は1〜2週間に1回を目安に、猫砂をすべて交換して丸洗いしましょう。清潔なトイレは、ネコちゃんの満足度を高め、粗相の予防にもつながります。
【お手入れ】ブラッシング・爪切りの基本
ブラッシングは、抜け毛を取り除いて毛球症を予防するだけでなく、皮膚の健康状態をチェックするよい機会にもなります。特に換毛期は、長毛種の場合は毎日、短毛種でも2〜3日に1回程度(週に2〜3回程度)を目安におこないましょう。
爪切りも重要なお手入れのひとつです。爪が伸びすぎると、カーペットなどに引っかかってケガをしたり、飼い主や家具を傷つけたりする原因になります。
ネコちゃんがリラックスしているときに、一本ずつ優しく声をかけながらおこないましょう。子猫の頃から慣れさせておくと、成猫になってもスムーズにケアができます。
【健康管理】体調チェックのポイント
定期的に体重を測定し、急激な増減がないかを確認しましょう。特にネコちゃんは高齢になってくると代謝が変化しやすいため、痩せすぎに注意が必要です。
毎日おこないたい観察のポイントは、以下の通りです。
- 食欲はいつも通りか
- お水を飲む量は変わらないか
- おしっこやウンチの状態はいつも通りか
- 元気がない、遊びたがらないなど、普段と違う様子はないか
これらの日々のチェックに加えて、年に1回は動物病院で健康診断を受けると、病気の早期発見につながります。高齢猫期に入ったら、半年に1回の受診が推奨されます。
留守番でストレスを溜めないための注意点
ネコちゃんは比較的単独行動を好む動物ですが、長時間の留守番は不安やストレスの原因になるケースもあります。あらかじめ、以下の注意点を知っておきましょう。
- 留守番できる時間の目安を知る
- ごはん、お水、トイレの準備を万全にする
- 長期の留守番の預け先を検討する
ここでは、3つの注意点を解説します。
注意点1. 留守番できる時間の目安を知る
ネコちゃんが留守番できる時間は、年齢や性格、健康状態によって大きく異なります。
一般的に健康な成猫の場合、食住環境がきちんと整っていれば、12時間程度の留守番は問題ないとされています。環境を整えることで1泊2日程度の留守番も可能ですが、それ以上になる場合は慎重な検討が必要です。
一方で、こまめな食事が必要な子猫や、高齢のネコちゃん、持病のあるネコちゃんの場合は、長時間の留守番は避けるべきです。
また、新しい環境に慣れていないネコちゃんや、留守番の経験がないネコちゃんの場合は、短い時間から少しずつ慣らしていきましょう。
注意点2. ごはん、お水、トイレの準備を万全にする
ごはんは、傷みにくいドライフードを十分な量用意しておきましょう。長時間家を空ける場合は、設定した時間に自動でフードが出てくる自動給餌器の活用も便利です。
お水は、ネコちゃんがいつでも新鮮な水を飲めるように、複数の場所に用意しておくのがおすすめです。万が一、1つをこぼしてもほかの場所で水を飲めます。容器は、倒れにくい重さのあるものを選ぶとよいでしょう。
トイレは、出かける直前にきれいな状態にしてあげてください。ネコちゃんは汚れたトイレを嫌うため、可能であれば普段使っている数より1つ多くトイレを設置しておくと、ネコちゃんはより快適に過ごせます。
注意点3. 長期の留守番の預け先を検討する
1泊2日以上の長期間、家を空けなければならない場合は、ネコちゃんだけで留守番させるのはおすすめできません。選択肢としては、ペットシッターやペットホテルがあります。
ペットシッターは、自宅に専門スタッフが訪問してお世話をしてくれるサービスです。環境の変化に敏感なネコちゃんのストレスを最小限に抑えられるでしょう。
一方、ペットホテルは、専門の施設で24時間体制で預かってもらえる安心感があります。
どちらを選ぶかは、ネコちゃんの性格や飼い主の考え方によって異なります。事前に施設の見学をしたり、シッターと面談したりして、信頼できる預け先を見つけておくことが大切です。
ネコちゃんの飼い方を知って楽しい新生活を迎えよう
ネコちゃんをお迎えした直後には、動物病院での健康診断やマイクロチップの情報登録が必要です。また、愛猫の健康と安全のためには、ワクチン接種や避妊・去勢手術の検討なども欠かせません。
日々の暮らしにおいては、ネコちゃんの年齢に合わせて食事を管理します。トイレを清潔に保ち、ブラッシングや爪切りなどのお手入れをこまめにおこなうのも基本です。
これらのポイントを理解して準備すれば、安心してネコちゃんとの新生活をスタートできるでしょう。これからお迎えする方は、ぜひこの記事で紹介した内容を参考にしてください。



