【防災のすすめ】豪雨災害に備える

ペットと暮らす 2023.05.16

目次

  1. 豪雨災害に備える
  2. 同行避難が原則
  3. ハザードマップで自宅の危険性をチェックしよう
  4. クレートを用意し、いつでも避難できるように
  5. ペットの防災グッズ
  6. できることから準備をはじめよう!

豪雨災害に備える

『豪雨災害』への準備どれくらいできていますか?

昨年発生した西日本豪雨や熱海の土砂災害は記憶にある方も多いのではないでしょうか。ここ日本に住んでいる限り、地震はもちろん豪雨の危険とは常に隣り合わせです。

災害時、皆さんは、ペットと一緒に避難できますか?もしもの災害時、大切な家族を守るために、今できることからはじめましょう。

同行避難が原則

「吠えちゃうから難しいかな…」 「キャリーに入ったことないから…」 「お外が苦手だから…」 なんて思っていませんか?

ペットは家族。ペットを置いて自分たちだけ避難なんてできませんよね。かといって、「ペットがいるから避難しない」という選択はNGです。 災害時に、自宅に危険が迫っているなら、できるだけ早めに、「同行避難」する事が原則です。

豪雨災害の場合、事前に天気予報で災害の予測ができます。 大きな台風が近づいている、前線が活発に成る予想があるということなら、早めに避難の準備をしておきましょう。

ハザードマップで自宅の危険性をチェックしよう

避難とは、難を避けること、つまり、危険が予測される場所から、安全な場所に移動することを指します。豪雨災害の場合、地形によって危険度の高い場所と、危険度の低い場所があらかじめわかります。

それを知るためのツールが「ハザードマップ」です。

ハザードマップには、想定される浸水の程度や、土砂災害が起こる危険性等が記載されています。 ハザードマップを見たことがないという方もいらっしゃるかもしれませんが、災害の時に、自宅はどれくらい浸水の危険性があるのか、浸水の深さはどの程度なのか把握しておくことは大切です。 もし、自宅に危険が及ぶ可能性があるのなら、早めに避難できるように準備をしておきましょう。

逆に自宅が安全な場所にあるのなら、危険な地域に住む親族や友人の避難先になれるかもしれません。 ペットと同行避難する場合、必ずしも学校などの指定避難所に入れるわけではありません。飼い主同士が支え合って、互いの家に避難し合える関係を、日常的に構築しておくことも大切なことです。

クレートを用意し、いつでも避難できるように

災害時に絶対安全はありません。

ハザードマップで安全な地域であっても、電気・水道・ガスなどライフラインの寸断や、生活物資の不足により避難せざるを得ない状況になることも考えられます。

大切なのは、いざという時に、いつでも避難できる準備をととのえておくこと。
そのためには、クレート(キャリー)を用意し、その中に落ち着いて入れるようにしておくことが大切です。

普段から入れた事がなければ、災害時に入れるはずがありません。ワンちゃんの場合、クレートを日常的に生活の中で寝床として利用することが一番の対策になります。また、お出かけの際にも利用しておきたいですね。クレートが安心できる自分の居場所と思っていたら、いざ避難となった時にも、普段と変わらない気持ちで、クレートの中で落ち着いていられるでしょう。

また、ネコちゃんをクレートに入れる際は、洗濯ネットを使うのがよいでしょう。安価でサイズや形状も豊富ですので、ネコちゃんが特にお気に入りの洗濯ネットを準備しておきましょう。狭い空間が好きなネコちゃんは、大概洗濯ネットの口を空けておくと入ってくれるのですが、災害はパニックを起こしシャーシャー暴れまわっているかもしれません。そんなネコちゃんを、追いかけまわして確保するのは非常に大変です。

自分から入りたがらないときは、洗濯ネットの口を開け、ネコちゃんの好きなおやつなどを入れておきます。ネコちゃんが興味を持って入り込んだところでそっとファスナーを閉めてください。クレート同様に、普段から洗濯ネットを出しておき、慣らしてあげておくとよいでしょう。

ペットの防災グッズ

キャリー/クレート

避難時や避難所での、ワンちゃん、ネコちゃんの居住空間となります。普段から入ることに慣れさせておくことが重要です。

同行避難は「避難所で一緒に過ごす」こととは限りません。避難所外にある専用スペースに、クレートに入れたペットを避難させ、そこへ飼い主が世話をしにくる形の避難所もあれば、ペット連れの方専用の同伴避難スペースとして一室を確保している避難所もあります。
いずれにしても、いつも通り室内を自由にさせられる、という環境ではなく、基本的にはキャリー/クレート内で過ごさせることとなります。

フード/おやつ

過去の例によると、発災からペット用の援助物資が届くまで、早くて5日、平均して1週間ほどはかかります。そのためおおよそ1週間分のフードは用意しておきましょう。おやつについても、日持ちすることが多いので、常にストックをしておいてもよいですね。

お水

お水については災害発生から比較的早く給水が開始されることが多いのですが、一人当たりおよそ3リットルまで、と一日にもらえる量は決まっています。おおよそ3日間程度は自分たち人間の数以上の給水量は確保できないと考えておきましょう。ワンちゃんは体重1kgあたり50-60mlのお水を、ネコちゃんは体重1kgあたり40mlのお水を一日に摂取します。愛犬・愛猫の体重を考慮して、500mlのペットボトルを数本、避難用バッグに入れておきましょう。

食器

折り畳み式の携帯用フードボウルを最低2つ(お水用とフード用)、用意しておきましょう。慣れない食器だと、最初は嫌がって食べないこともあります。普段から時折使うことで慣れさせましょう。

首輪/ハーネス/リード

避難所での迷子や逃げ出し防止のために、ハーネスやリードも必須です。

迷子札

避難中や避難所において迷子になるのを避けるため、飼い主さんの名前、住所、電話番号など迷子になったときに必要な情報をまとめた札を用意しておきましょう。マイクロチップが入っているから大丈夫、と思いがちですが、そうした被災時に動物病院や警察署においてマイクロチップ登録情報を読み取れる設備をすぐに使えるとは限りません。浸水して機器故障を起こしている、という可能性もあります。念には念をで、迷子札などのアナログな方式も準備しておいた方が安心でしょう。

排泄用処理道具

うんち袋やウエットティッシュなど、避難所での排せつ物を処理する道具を用意しましょう。

タオル/ブラシ

避難所でのトラブルを避けるため、汚れた体や脚を拭くためのタオルや、抜け毛を防ぐため定期的にブラッシングを行い、できる限りの清潔さを維持しましょう。

毛布・ブランケット

人間用の毛布の配給はありますが、ペットの分は用意がありません。睡眠時などに落ち着けるように、普段から使っているタオルなどを一緒に用意しておきましょう。

おもちゃ

ストレス発散、気分転換の遊びに、愛犬が好きなボールやぬいぐるみ、愛猫が好きな猫じゃらしなどのおもちゃを用意しておきましょう。

できることから準備をはじめよう!

いつ起こるとも知れない災害。
大切なことは、実際に準備をし始めることです。

ハザードマップの確認、備蓄品の調達、非常用持ち出し袋の作成、避難先の相談、クレートトレーニングなど、すぐにはじめられる準備はたくさんあります。 ペット連れのお出かけや旅行、しつけ教室でのマナートレーニングに取り組むのもお勧めです。 今日を境に何か一つでも始めてみる、一歩前進してみるのはいかがでしょうか?

飼い主さんがしっかり備えることが、いざという時に、大切な家族の命を守る事につながります。 人もペットも安心して避難できる社会にむけて、みんなで意識を高めていきましょう!


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