【防災のすすめ】断水に備える

ペットと暮らす 2023.05.16

目次

  1. はじめに
  2. 断水で困る事
  3. 災害時の断水の期間
  4. まずは飲料水の確保
  5. 次に生活用水の確保
  6. 水が豊かな日本だからこそ…

はじめに

2022年9月23日、台風15号の接近により、静岡県での線状降水帯の発生、複数の地域で洪水が発生しました。5000棟以上の浸水被害があり、広い範囲での被害が出ました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。 今回の災害を受け、静岡市清水地区では、6万棟を超える大規模な断水が発生し、水の確保の重要性が改めて浮き彫りになりました。

最短で給水が復活した地域でも、災害発生から4日間という時間を要しており、10日以上たっても、濁りや断水が続くエリアもあり、給水所に通い続ける方も多くいました。

人間の身一つでも、今回のように非常に困難を極める災害。 ペットとともに暮らしている方の場合は、自分の命を守ることに加えて、ペットの命と安全もしっかりと守らなければなりません。

今回のような断水時、飼い主さんとペットはどんな境遇に置かれるのか、そして大切なペットを守るためにどのような準備を行うべきなのか、ということについてお伝えします。

断水で困る事

ヒトの生活

  • 飲料水を確保できない
  • 食事をつくれない
  • トイレを流せない
  • お風呂に入れない
  • 洗濯ができない
  • お皿を洗えない

ペットの生活

  • 飲料水を確保できない
  • 体を洗えない
  • 体を拭けない(水ぶきできない)
  • 食器を洗えない
このように、断水になると、水を使っているありとあらゆる日常生活に支障をきたします。
飲料水や食事をつくる際には、ペットボトルの飲料水を用いることをイメージすると思いますので、ペットボトルで備蓄している人も少なくないでしょう。

しかし、その他の部分の生活用水まで確保されている人は少ないのではないでしょうか。今回の災害を機に、ぜひ生活用水についても準備を始めてみてください。

災害時の断水の期間

災害時のライフラインの復旧は、一般的に、電気の回復が最も早く、次いで水道、最後にガスという順番になります。

断水の期間は、災害の規模によってまちまちですが、地震災害では、阪神淡路大震災や熊本地震では3か月程度、東日本大震災では5か月を要する地域もありました。

豪雨災害では、数日で回復する地域もありますが、長い場合は1か月以上断水が続くことがあります。 その他、水道管の老朽化や凍結による断水も発生することがあります。

まずは飲料水の確保

第一に備えるべきは「飲料水」です。
どんな生き物も、水がなければ生活できません。人用だけでなく、ペット用も十分に用意しておきましょう。

人間用の飲料水としては、ペットボトル入りのミネラルウォーターを備蓄しているご家庭が多いかと思いますが、ペットが飲む水については硬水を避け、マグネシウムやカルシウムの含有量ができるだけ少ない軟水を選ぶようにしましょう。ミネラル分を多く含む硬水は、尿路結石を引き起こす可能性があるなど腎臓に負担をかけることが分かっています。

日本の水道水は軟水に分類されておりますので、ワンちゃんの飲み水としては、水道水でもまったく問題ありません。汲み置きの水道水は冷暗所で約3日間保存できます。確保しておくべき量の目安は、最低7日分です。
1日当たりに必要な水の量はおおよそ以下となります。

  • ヒト:1日あたり3L
  • ワンちゃん:体重1キロあたり、1日50-60ml
  • ネコちゃん:体重1キロあたり、1日40-50ml
現在のペットの身体の大きさから、必要とされる水の量を計算し、準備しておいてください。

次に生活用水の確保

第二に準備すべきは、生活用水の確保です。トイレも流せないということで死活問題になります。 被災生活で最も困ったことが生活用水の確保だったという報告もあります。 飲料水は、支援物資などで支給されますが、生活用水は支給することができません。被災者が自分で確保するしかないのです。

生活用水の確保の方法は以下のようなものがあります。 各家庭の状況に合わせて、いざという時の確保の方法をイメージしておくと良いでしょう。

  • お風呂の水はすぐに抜かず、次にお風呂に入るまで残しておく
  • 雨水をためる大容量タンクを設置する
  • ポリタンクに水道水を入れて保存する
  • 近くの川、農業用水、井戸から確保する

水が豊かな日本だからこそ…

日本は水に恵まれた国です。普段から水に困ることはありません。 だからこそ、災害時に断水した時には、生活に大きな支障をきたします。

人もペットも衛生的で安心した生活には水は不可欠です。 水に恵まれた日本だからこそ、普段から、いざという時に備えて、準備を進めるようにしましょう。


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