【防災のすすめ】いつでも逃げられるように、クレートトレーニングをはじめよう!
目次
はじめに
もしもの大災害、家から避難しなければならないとき、どうやって避難しますか? 避難所に身を寄せた時、ペットたちはどのように過ごすと思いますか?災害時のペット同行避難の必須項目は「クレートトレーニング」です。
クレートトレーニングとは、移動用のクレート(キャリー)に自分から入り、中で落ち着いて待つことができるようにするトレーニングです。
同行避難の移動時、車等に乗って避難する際には、クレートに入って移動することが必要です。 さらに、避難所に同伴避難した場合、飼い主のそばでペットを出しっぱなしで過ごせるかと言えばそうではありません。多くの避難所では、ワンちゃん、ネコちゃんの飼育スペースと、人の避難スペースは異なり、ペットは専用の飼育スペースでクレートに入って待機しなければなりません。 もちろん、避難所によってルールはまちまちですが、クレートに入れなければ、避難所に避難することもできないかもしれないという事実を理解しておく必要が有ります。
クレートは自分の部屋
クレートトレーニングがしっかりとできたワンちゃん、ネコちゃんは、クレート=自分の部屋と認識します。「狭い場所に閉じ込められてかわいそう」 と感じる人もいるかもしれません。確かに、クレートが嫌いな子をムリヤリ閉じ込めるのはNGです。非常に強いストレスを受けるでしょう。
一方、クレートが好きでリラックスできる場になっているこの場合はどうでしょうか?
クレートは無理やり閉じ込められる場所ではなく、休むために入る場所になります。 クレートが好きな子は、家でも、クレートの中に自分で入って行って寝るという行動をします。それだけ、安心できる快適な場所という事ですね。
災害時にクレートは強い味方
災害時、飼い主も不安な中、避難生活を強いられます。当然事情の分からないペットたちにも強いストレスがかかります。 この時、クレートが安心できる場所になっていれば、愛犬、愛猫のストレスは大きく緩和されます。クレートは移動式の自分の部屋です。人間でいえば、自家用車やキャンピングカーのイメージになります。 人間も慣れない場所で寝るよりも、短期間なら車中泊の方が安心するという人も多いと思います。ペットたちも、普段から寝床として使っているクレートがあれば、いつもと同じとはいかなくても、安心して休むことができるでしょう。
クレートトレーニングを始めよう!
「うちの子、嫌がっちゃって、クレートはいらないのよ…」という方も多いはず。 嫌がるようになる理由の大半は「無理やり入れた経験」です。 クレートトレーニングの前提は「無理やり入れない」事です。クレートトレーニングの手順
- クレートを扉を外した状態で、生活空間に置き、いつでも入れるようにする。できれば寝床として使うようにする
- クレートの中にフードを投げ入れ、取りに行かせる。フードを入れる時に「ハウス」と声かけを行う
- ②を繰り返すと、徐々に、フードを持ち「ハウス」というだけで、フードを投げ入れる前からハウスに向かうようになる
- ペットがクレートに入り、くるっと向きを変えて、出入口から顔を出した状態(身体はクレートの中の状態)でフードを手から与える。前足がクレートの中に入っている時は連続でフードを与え、前足がクレートから出たらフードを与えるのを止める
- ④を繰り返すと、クレートに入ったペットが、クレートの中で留まり出てこないようになってくる
- クレートに扉をつける
- 「ハウス」で犬がクレートに入った後、5秒だけ扉を閉じる。すぐに開けて、フードを与える。これを繰り返し、徐々に扉を閉める時間をながくしていく
クレートを用意し、いつでも避難できるように
災害時に絶対安全はありません。ハザードマップで安全な地域であっても、電気・水道・ガスなどライフラインの寸断や、生活物資の不足により避難せざるを得ない状況になることも考えられます。大切なのは、いざという時に、いつでも避難できる準備をととのえておくこと。 普段から入れた事がなければ、災害時に入れるはずがありません。 クレートを日常的に生活の中で寝床として利用することが一番の対策になります。また、お出かけの際にも利用しておきたいですね。
クレートが安心できる自分の居場所と思っていたら、いざ避難となった時にも、普段と変わらない気持ちで、クレートの中で落ち着いていられるでしょう。