リスクを解説 ペット保険の告知義務とは
目次
- ペット保険の告知義務とは
- ペット保険の告知書に記載する内容
- ペット保険の審査に落ちるケース
- 審査に落ちたくない…ペット保険の告知義務に違反したらどうなるか
- ペット保険、契約解除にならないためには
- 健康な今だからこそ、考えよう
ペット保険の告知義務とは
ペット保険においても、人間の保険申し込み同様に、ペットの現在および過去の健康状態について嘘偽らずに告知しなければなりません。これを告知義務と呼びます。もし、きちんと申告をしなかったり、うそ偽りの申請をした場合は、「告知義務違反」となり、保険金が支払われないどころか、契約を解除になる可能性があります。 ペット保険はそもそも「健康である状態」のときに、万が一の時に備えて加入するものです。
そのため、実は病気であったり、気になる症状があるなどの状態になってから、新たに加入するペットが増えると、保険制度自体が成り立たなくなってしまいます。 そのため、ペット保険にも告知義務や免責期間が設けられています。
ペット保険の告知書に記載する内容
告知書に記載する内容は保険会社や保険の種類によって様々ですが、主に次のような質問に回答します。- 生年月日
- 体重
- 品種
- 現在の健康状態
- 過去の傷病歴
- 経過観察中の病気やケガの有無
- 過去6ヶ月以内の予防以外の通院歴
- ほかのペット保険への加入状況
ペット保険で審査に落ちるケース
申し込みおよび告知書の提出まで終わった後、保険会社による審査が行われます。当然、誰もが入れるわけではなく残念ながら落ちるケースもあるのですが、審査が通らなかった理由については、通常保険会社には明言してもらえないケースがほとんどです。
とはいえ、落ちる理由としてはそのほとんどが既往歴、つまり過去の疾病歴となります。過去と言っても通常、申込時から半年前までの既往歴が見られる場合はほとんどです。 たとえば審査の1か月前に何らかの感染症を発症していたケースなどは、現時点で管理していようが、ハイリスクとみなされ落ちる傾向があります。また、健康診断を受診し、その結果で異常値があったケースなども、その項目によりますがなかなか通りにくいでしょう。
これらの疾病歴については、専門の調査員が、過去の治療歴や現在の健康状態といった情報を、通院中の動物病院に連絡し、事実がどうか厳重に確認します。過去に通院した動物病院にはカルテの記録がありますので、調査段階でほぼ99%の確率でばれます。
中には、動物病院を変えればばれないのではないかと思う方もいるかもしれませんが、いくら健康な子とはいえ、一度も動物病院にかかったことがない、というペットはいないでしょう。逆に一切の記録がないことが怪しまれる材料となります。
もし一度目の審査で落ちてしまっても、完治後から半年以上たっての再申請ならば通る場合や、現在の持病以外の病気は保証するなど、保険会社、プランによっても様々ですので、もしペット保険の審査に落ちてしまっても、あきらめずに相談してみることをお勧めします。
審査に落ちたくない…ペット保険の告知義務に違反したらどうなるか
もちろん、告知書に虚偽の内容を記入することは絶対NGではありますが、もし事実を記載せずに異なる申告をしてしまったらどうなるのでしょうか。保険金が支払われない
当然ですが、告知義務違反があった場合は、補償対象の治療や手術に対しても保険金が支払われません。もし既に何らかの疾病に対して補償が下りていた場合、自己負担分との差額を要求されることがあります。調査は加入時だけではなく、治療費請求段階でも実施されていますので、加入してから数年たったタイミングで、告知義務違反がばれることもあります。取り消し
告知義務違反があった場合は、保険会社は保険契約を解除することができます。ペット保険は掛け捨てのため、当然解約返戻金などはありません。今まで毎月支払っていた分が全て無駄になってしまうのです。契約解除にならないためには
たとえ悪意がない場合でもうっかり記入を忘れてしまうということもあると思います。告知書の設問は保険会社や商品によって異なりますが、まずは、過去の治療歴を正確に把握すること、そしてありのままに書く、という点がなにより重要です。ペットのためにも、動物病院にかかった日、内容などはメモ帳に記載しておいて、正確に告知をおこないましょう。
そして、あいまいな表現にしない、自己判断をしない、という点も重要です。よくある例として、「もしかしたら○○かもしれないな」と言われてとりあえず経過観察をしていたようなケース。飼い主さまからすると、診断されたのか、今後なりうる可能性がある、と言われただけなのかわからずに、告知書には特に記載しなかった場合でも、後々保険会社の調査で「過去に診断されていた」とみなされ、告知義務違反および補償が下りない、というケースです。
告知書を記入する段階でよくわからない、判断しづらい点がでてきた場合は、通院歴がある動物病院を訪ねて、カルテを確認してもらいましょう。
繰り返しになりますが、告知義務違反をして、保険に加入したとしても、早かれ遅かればれるケースがほとんどです。
ペットの健康維持、飼い主さま自身の安心のために加入すべきペット保険で、虚偽申告をして、いつばれるかとひやひやしながら過ごしたり、結果的に案の定ばれてしまい補償が下りなかったり、違約金として多額な請求をされてしまっては、最終的には何も得るものはないのではないでしょうか。
そんなことをいったら、持病があるうちの子はペット保険に入れないじゃないか、となんだか見放されたような気持ちになる方もいるかもしれませんが、どうか早まらないでください。持病があっても入れる保険もあります!持病や現在治療中の病気やケガがあったとしても、その病気は補償対象から除外されるなど何らかの制限がありつつも、保険自体には加入できるケースもありますので、ペットの年齢や状態に合わせて適切な保険プランを選ぶようにしましょう。
健康な今だからこそ、考えよう
ペット保険も人間と同様に、年齢が上がり病気の治療が必要になるリスクが高くなるほど加入が難しくなります。加入する保険会社の条件によって違いはありますが、病歴があっても加入が可能な場合と加入が難しい病気があります。また、ケガや病気の内容によっては加入に条件が加えられることもあります。ペット保険はペットが若く健康なうちに加入することを検討しましょう。