ペットの迷子対策

ペットと暮らす 2023.06.15

今回は、飼い主さまにとっては、大きな心配事の種。「迷子対策」についてお伝えします。

目次

  1. はじめに
  2. そもそもなぜ迷子になるの?
  3. 脱走を引き起こす3つのシーン
  4. 絶対にしておくべき!迷子対策4つ
  5. さいごに

1.はじめに

愛犬、愛猫がもし迷子になったら…考えただけでぞっとしてしまいますが、SNSで#迷子犬、#迷子猫のハッシュタグが非常に多く見られることからも、ワンちゃん、ネコちゃん関わらず、迷子になるペットが非常に多くいることが分かるでしょう。

うちの子は大丈夫、完全室内飼育だから大丈夫、なんて思ってしまいがちなのですが、迷子というのは本当に思いもかけないシーンで発生しています。

例えばワンちゃんの場合は、お散歩中に大きな音や他の犬に驚いて走り出し、ハーネスが抜けてしまったというケースも多いです。そのほか、自分が旅行などで実家や祖父母宅に預けた際に、扱いに慣れていない家族が目を離したすきに逃げてしまった、ということも多く聞かれます。

ネコちゃんについても、宅配業者様がやってきて、荷物を受け取る瞬間に出ていってしまった、や、引っ越し作業で荷物の搬出中に出て行ってしまった、などが多く聞かれます。そのほか最近多いのが、マンションでの迷子です。ベランダから隣の部屋のベランダに行ってしまっていた、や、自分で網戸を開けて出て行ってしまった、ということもあります。

このように、飼い主さまが想像していないような状況で、本当に一瞬目を離したすきに発生しうる迷子。
昔からペットには帰巣本能があるから大丈夫、なんて言われたものですが、ほとんどのペットが完全室内飼いとなっている今、ペットの迷子事情は以前とは全く異なります。

普段、飼い主さまとのお散歩や通院以外でお家から出たことがないワンちゃん、ネコちゃんが、一歩外に出ると、どうしてよいかわからず頭が真っ白になってしまうのです。家への道をしっかり覚えていて帰りのルート検索をしている…なんてめっそうもない。頭の中は大混乱でそんな余裕はありません。見たことのない風景やにおいに恐怖と不安を感じ、じーっと暗くて狭い場所に身を隠していることが多いのです。

春や秋などはまだ過ごしやすいのでよいのですが、真夏や真冬などは時間が経つにつれて、刻一刻と体力を奪われ、弱っていきます。また、そのエリアを縄張りにしているほかのネコとケンカをして怪我をしたり道路を渡ろうとして車にはねられたりなどの危険が高まります。

このように、室内飼いのペットにとって外の世界はとっても危険です。動物の知恵と記憶力を過信せず、大切な家族が迷子にならないように事前に対策を行いましょう。

2.そもそもなぜ迷子になるの?

迷子にならない為の予防策を知っておくのはもちろんのこと、迷子になる原因を知っておくことは重要です。

普段完全室内飼いのペットが、外に出てしまう状況としては、発情期に異性を探し求めて、飼い主さまの隙をついて家を抜け出したり、他のワンちゃんやネコちゃんが外を歩いているのを見て、興奮して追いかけようとしたり、もしくは来客に驚いてドアを開けた瞬間に、玄関から逃げ出してしまったりなどが多く報告されています。

発情や縄張りに関係した行動は、性ホルモンの影響を受けますので、避妊/去勢手術を受けさせることで迷子のリスクを減らすことができます。特に男の子の去勢は効果が大きいことが知られています。
避妊去勢手術は、発情期の鳴き声やケンカを予防する事もできますし、発情期に関連したストレスを緩和することができるので、子供を作る予定がない場合は、積極的に実施するようにしましょう。

3.脱走を引き起こす3つのシーン

また、ペットが脱走する具体的な方法として多いのは、

  1. ドアやガレージの隙間から逃げ出す
  2. 窓やベランダからジャンプする
  3. 壊れた窓や網戸から逃げ出す
というものです。 こうしたパターンは、普段からベランダに出さない、窓を開けすぎない、玄関にはゲートを設置する、ペットガードなど頑丈な網戸を設置することで予防できます。

しかし、どんなに気を付けていたとしても、迷子のリスクをゼロにすることはできません。実際迷子になってしまったとしても、きちんと見つけられるように、対策を取ることが重要です

4.絶対にしておくべき!迷子対策4つ

以下では、ワンちゃん、ネコちゃんが、万が一脱走したときのための対策や便利なグッズをご紹介します。

迷子札を付ける

最も基本的な対策としては、ペットに迷子札を付けておく方法です。

簡単に取れてしまわない首輪に巻きつけることができる迷子札を付けておけば、いざというときも安心。 チャーム型のものやタグ型のものなど種類も様々ですが、重さがあるものは、ワンちゃん、ネコちゃんにとってストレスとなります。 素材には金属製のものやプラスティック製のものがありますが、いずれにしても小さく、軽いものがおすすめです。

マイクロチップの情報を最新に

ペッツファーストで取り扱うワンちゃん、ネコちゃんはすべての子にマイクロチップが挿入されています。
マイクロチップには、ワンちゃん、ネコちゃんの情報、飼い主さまの住所、氏名、電話番号などが登録されています。

もし、マイクロチップを装着したワンちゃん、ネコちゃんが動物病院や警察署、動物愛護センターなどで保護された場合、マイクロチップに記録された数字を読み取ってデータを照会することで、すぐに飼い主さまに連絡することができるのです。

しかし最近よくあるのが、情報変更の手続きをされておらず、マイクロチップに記録されたデータが現在の情報と一致しないケースです。マイクロチップへの情報登録は、基本的にペットショップでお迎えしたタイミングで実施しています。

お迎えから数年が経ち、お引越しをして住所が変更になったり、電話番号が変わった場合は、必ず日本獣医師会に連絡を取り、変更手続きを行ってください。

最近はマイクロチップ内の情報を読み取るためのリーダーを備えている動物病院や自治体が増えているので、警察署や動物愛護センターで保護された場合は、必ずといってよいほど連絡がもらえます。

もしペッツファースト以外でお迎えしたワンちゃん、ネコちゃんを飼っていて、マイクロチップが挿入されていない場合は、動物病院で装着してもらうことができるので、かかりつけの獣医さんに相談してください。

費用は動物病院によって異なり、一般的には数千円~1万円程度。情報の登録には別途1,000円の費用がかかりますが、マイクロチップ推進事業として費用の一部助成を行っている自治体もあるので、お住まいの自治体にお問い合わせください。

名入りの首輪

前述のマイクロチップの場合、動物愛護センターや警察署、動物病院などで保護された場合はデータ照会が可能なのですが、一般家庭に保護された場合で「もしかしたらこのワンちゃん(ネコちゃん)、マイクロチップが入ってるかもしれないから専門機関で診てもらおう!」と思いだして行動に移してくれる方はまだまだ少ないと思います。特に高齢の方に保護された場合などは、マイクロチップ自体にあまりなじみがないかもしれません。

そんなケースに備えて、マイクロチップに加えて、誰が見てもすぐにわかるように名入りの首輪をつけさせる方法も一般的です。

最近はおしゃれでデザイン性が高い首輪が多いのですが、革の首輪に、ネコちゃんのお名前、飼い主さまの氏名、住所、電話番号などが刺繍されていたり、彫刻されているものが多いです。

首輪の場合は、迷子札と違って落とす可能性がなく、また、プリントではないことから、時間の経過や水にぬれることによって印刷が薄くなったり読み取れなくなってしまう、ということもありません。

BluetoothやGPS機能を利用したつきの迷子探しグッズ

最近はBluetoothやGPS機能付きの迷子タグや首輪が続々登場しています。

Bluetoothを使用した製品は、BLE(Bluetooth Low Energy)を搭載した発信機を首輪やタグに装着しており専用のアプリを使うことによってペットを探すことができる仕組みとなっております。スマートフォンにつなぐことですぐにペットの位置を確認できる点がメリットではありますが、比較的近距離でないと信号を受信できず、数キロメートル先まで離れてしまった場合などは正確な位置が把握できないという弱点があります。

対して、GPSを利用した製品はまだ数が少なく、1万円~2万円程度と高額になることが多いのですが、位置がGPSの座標で記録されるので、数キロ~数100キロメートル先でもかなり詳細な位置が地図アプリ上で確認できます。しかし、GPSを取り付けても本体のバッテリーが切れてしまっては位置情報を把握できなかったり、一定時間水にぬれることで機能しなくなるなどの弱点もあります。

また、GPS自体に重さがあるため、ワンちゃんやネコちゃん自身がストレスを感じてしまうのではと不安視する声もあります。

5.さいごに

いかがでしたか。 もちろん、愛犬、愛猫が迷子にならないことが一番大切ですが、日ごろいくら気を付けていても、ふとした瞬間に脱走してしまうということも起こらないとは言い切れません。

ペットが脱走する原因や状況をきちんと把握して、事前にそのような環境を作らないように常日頃から気を付けることと、もし不運なことに脱走してしまい迷子となってしまってもすぐに探しに行けて、必ず見つけられるような対策グッズを用意しておきましょう。


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