山や川など自然豊かな地域へ行くときに注意すべきこと

ペットと暮らす 2023.06.20

ようやくコロナによる各種制限から解き放たれ、ペットを連れて実家に帰省したり、自然がいっぱいの地域にワンちゃんと一緒に旅行に行くなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。

普段はどうしてもお留守番も多くなってしまいがちなワンちゃん、休みの日に家族みんなでお出かけしてあげると大喜びだと思います。

今回は愛犬と一緒に自然いっぱいな場所に遠出をする!という方向けに、お出かけ前に準備しておきたいことや気をつけたい虫対策についてお伝えします!

目次

  1. はじめに
  2. 必要な持ち物
  3. お出かけする際の注意点
  4. 地方の場合は虫対策がなにより重要!
  5. 事前に近隣の病院をチェックしておくことをお忘れなく

1. はじめに

住み慣れたお家から遠出をし、愛犬と楽しく過ごすためには、事前の準備が最も重要です。普段と違う環境ですから、人間の持ち物同様、愛犬の持ち物もしっかり準備することが必要です。

2. 必要な持ち物

  1. ドッグフード、おやつ
  2. 水飲みボウル、食器
  3. 首輪、リード、ハーネスなどの愛犬を繋いでおく道具
  4. ケージ
  5. ベッド、クレート、犬用寝袋
  6. トイレシート、排泄物処理袋
  7. マナーベルト
  8. 足ふきタオル、ウェットティッシュ
  9. バスタオル(捨ててもよいものがなお良い)
  10. 着替え
  11. おもちゃ
  12. 迷子札、鑑札
  13. 狂犬病予防注射済票、混合ワクチン接種証明書
ペット用品は、道の駅などでは調達できないものが多いです。たまたまホームセンターを見つけたとしても、高速から外れて買いに行くのは一苦労…上に記載の物はできるだけ持っていくと安心です。

また、自然たっぷりの場所へ行くのに、「体が汚れるからそこは行っちゃダメ!」なんて言われていてはワンちゃんも楽しめません。身体を汚して思いっきり遊びまわれるように、身体を拭くタオルや着替えなどは持っておいた方が良いでしょう。

3. お出かけする際の注意点

まずはどこに行くにしても、以下の3点はワンちゃんを連れている方の超基本マナーです。 特に、吠えとトイレに関しては最低限のマナーです。これらがまだどちらも難しいようでは、まだお出かけデビューは早いとお考え下さい。

まずは基本のトレーニングを身に着けてから、ワンちゃんも飼い主さんもストレスなく、お出かけを楽しみましょう。

吠えさせないことが超基本

ワンちゃんとお出かけをするとなると、当然の流れで「ペット可」という場所を選ぶこととなるでしょう。そうなると、ほかにもワンちゃんが沢山います。特にドッグランなどの設備があるキャンプ場ならば、かなりの高確率で他のワンちゃんに出会う機会があるでしょうし、アウトレットや休憩で立ち寄ったカフェなどでも、他のワンちゃんに会う確率が高いでしょう。

もし敢えて時間をずらして鉢合わせないようにしても、吠える声は聞こえてくるはず。他のワンちゃんの鳴き声にいちいち反応して執拗に吠え続けてしまう場合や、興奮収まらず緊張してしまう場合などは、 ワンちゃん自身にストレスが溜まりますので、急に泊りでお出かけすることはお勧めできません。まずはしつけ教室などで落ち着いて行動できるようにトレーニングしていきましょう。

トイレのしつけは万全ですか?

出先では普段と違う場所でトイレをすることになります。 ワンちゃん、環境が変わってもおトイレは問題なくできそうでしょうか?

自然たっぷりの郊外にお出かけした場合、お外でトイレをさせればいいや、と思っている方もいるかもしれませんが、基本的にはトイレシートを持参し、そのうえでおトイレをさせましょう。こまめに取り替えられるよう多めに持参しておくと安心です。

もちろん、施設によってワンちゃんのトイレのルールは決まっています。例えばドッグラン内ではトイレOKという施設や、ワンちゃんのおトイレのエリアが決まっている施設もあります。必ず施設のルールを守り、もしトイレシート意外の箇所でおしっこをしてしまった場合でも、必ず水をかける、うんちの場合はきちんと広い、片付けましょう。

またいくらワンちゃん連れを歓迎している施設でも、基本的にはカフェや居酒屋などの業種を問わず店舗付近でのおトイレはNGです。 愛犬と楽しめる施設をあたりまえだと思わずに、飼い主として最大限のマナーを守る努力が必要です。

クレートやキャリーで休むことはできますか?:

旅行先でも、どうしてもワンちゃんを一時的に置いていかないといけない場面はあるかもしれません。そんな時に、クレートやキャリーで休むことが出来なければ、困ってしまうことも。

クレートやキャリーは、愛犬にとっては自分だけの専用の部屋。無理やり押し込むのではなく、自ら進んで喜んで入ってもらえるように事前にトレーニングを重ねておきましょう。

間違っても、慣れないクレートに無理に入れることはNGです。ワンちゃんに多大なストレスが掛かり、パニックを起こして暴れまわって怪我をしたり、最悪のケースはストレスによる心筋症を発症する恐れさえあります。それほどまでに、ストレスはワンちゃんの命と直結しており、決して軽んじることができないのです。

4.地方の場合は虫対策がなにより重要!

山や川、滝など雄大な自然を楽しめるエリア。広い空と美味しい空気と引き換えに、都市部では無縁だった虫さんたちとのお付き合いをしなければなりません。

ノミ・マダニ・蚊などの、ペットにとって天敵となる寄生虫が、自然の中にはわんさかいます。さらにはネズミなどの害虫にも注意しなければなりません。

ノミ、マダニ

自然の中にお出かけする場合はこの厄介な虫や感染症のリスクにも注意が必要です。出かける数日前にはシャンプーやノミダニ駆除用のお薬を済ませておきましょう。

ホームセンターなどで販売されているスポットタイプの駆除薬やノミ取り首輪もありますが、効き目が緩やかで十分な効果を発揮できないことや、水濡れに弱いことからお薦めできません。必ず動物病院で処方してもらえる駆除薬を使うことが大切です。

また、夏場のアウトドアは蚊がつきものです。フィラリアを予防するためには、おおよそ5月から12月まで動物病院で処方される駆除薬による月に一度の投薬が必須です。

動物病院で処方されたお薬を飲ませていればまず心配は要りませんが、周りを蚊がブンブン飛んでいるのはやっぱり不快ですよね。念のため防蚊加工のウェアを着せてあげることをおすすめします。

併せてペット用の「虫除けスプレー」も持参しましょう。大抵天然アロマなどの虫が嫌いな香りを利用してつくられているため、虫を寄せ付けにくいうえになめても問題がないなど、ワンちゃんへの安全性が高いのが特徴です。

蚊対策で蚊取り線香を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、ワンちゃんによっては線香の煙は器官やのどに負担をかけます。 煙を直接吸い込むことで、ズコズコと逆くしゃみのような呼吸を起こすこともありますし、煙が充満している場所にいると調子が悪くなるのはペットでも人間でも変わりはありません。誤飲の可能性もあるため、蚊取り線香の仕様はできるだけ避けたほうが良いと思います。

ヒル

ワンちゃんの体に付着し吸血します。吸血されると、しばらく出血が止まらなくなり、かゆみの発症や傷口が化膿することがあります。 もしワンちゃんがヒルに吸われているのを発見したら、無理に引きはがすのは危険です。くれぐれも慌ててとらないようにしてください。

まずは手元にある水を吸いついているヒルにかけてください。塩や砂糖があれば塩水や砂糖水を、もしくはお酢の方が浸透圧の関係で早くとれやすいです。

ヒルが取れたら、傷口を流水でしっかり洗い流しましょう。ヒルは、血が固まりづらくなる「ヒルジン」という成分を、噛み口に注入しています。この「ヒルジン」が残っているとなかなか出血が止まらないので、十分な時間をかけて水で洗い流してください。 その後、傷口部分を市販の消毒薬で消毒します。消毒薬同様、人間用で構わないので絆創膏や傷テープなどで傷口をふさいでおきましょう。

通常1時間から3時間程度で出血は止まるのですが、もし止まらない場合は、近隣の動物病院で止血処置をしてもらってください。 見た目は約3㎝でしゃくとりむしのような動きをすることが特徴です。生息地は主に山奥ですが、イノシシなどの野生動物に付着し移動するため、登山道や林道などにもいます。湿気を好むため、雨上がりには気をつけましょう。

ハチ

ハチに刺される箇所は足が最も多いといわれています。

これは歩いている際に草むらに足を踏み入れうっかり踏んでしまうことが原因と考えられています。この場合は、患部を洗い流し、もし針が刺さっている箇所が分かるようならば、しっかりと抜いてあげましょう。

ミツバチやスズメバチの針には毒がありますので、刺された箇所は針を抜いた後、しっかり水で洗い流すことが重要です。その後、動物病院に急いで向かいましょう。

万が一、舌や口の中、喉などを刺された場合、患部が腫れあがって気道をふさいでしまう可能性があります。また、大量に刺された場合も意識障害や呼吸困難を起こすアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。一刻の猶予もないので、急いで近隣の動物病院に連れていきましょう。

ムカデ

ムカデに刺された場合、傷口の腫れや激しい痛みという症状を引き起こします。ワンちゃん自身が患部を気にするそぶりを見せるため、飼い主さんも気づきやすいでしょう。

愛犬がムカデに咬まれた場合は、患部を流水でしっかりと洗い流します。患部を洗い流したらなるべく早く動物病院へ行きましょう。

刺された毒の種類によっては、ハチと同様に呼吸困難などのアナフィラキシーショックを起こすこともあります。また、二度目以降の場合は、重症化する確率が高まります。いずれにせよ、放置は厳禁です。急いで動物病院に直行しましょう。

ネズミなど

ワンちゃんと泊まれる施設では、狂犬病やワクチン接種の証明書を求められることがほとんどですが、アウトドアにお出かけする際は、できれば6種混合ワクチンよりも7種以上含まれた混合ワクチンを打っておくのがおすすめです。7種混合ワクチン以上だと、ノンコアワクチンであるレプトスピラ病対応ワクチンが含まれています。

レプトスピラ感染症はおもにネズミなどの野生動物によって媒介され、田んぼや沼、湖などで感染のリスクがあります。そうした野生動物が生息する地域、特に山や川などのアウトドアで遊びに行くような場合には、レプトスピラ症が含まれているワクチン(7, 8, 10種)がすすめられます。

5.事前に近隣の病院をチェックしておこう

万が一体調を崩した際や、怪我をした際に備えて、事前にお出かけ先周辺の動物病院を調べておきましょう。

ワンちゃんの急なケガや体調不良の際に、予め知っておくと心強いです。病院によって、診察時間や休診日、夜間の救急診療の対応の有無などの違いがあるため、出来れば複数件の動物病院を調べておきましょう。


子犬・子猫一覧