ワンちゃんの気になる『口臭』病気のサインかも

知識・お役立ち 2023.06.20

目次

  1. はじめに
  2. 口臭の原因①お口の中の病気
  3. 口臭の原因②お口の中の乾燥
  4. 口臭の原因③内臓の病気
  5. 口臭の原因④ペットフードの劣化
  6. さいごに

1. はじめに

突然ですが、ワンちゃんのお口のニオイが気になったことはありませんか?

お口のニオイはワンちゃんの体調に異変がある可能性があるので、注意が必要です。ワンちゃんは自分で食べるものを選ぶことはできませんし、自分で歯磨きもできません。ワンちゃんのお口が匂ってきたとしたら、それは残念ながら飼い主さまが引き起こしてしまっているという可能性もあります。以下ではワンちゃんの口臭が発生する原因をお伝えします。

2. 口臭の原因①お口の中の病気

ワンちゃんの口臭の原因で最も多いのは、歯周病です。

歯周病になると、歯垢や歯石から発生するニオイや、炎症によって生じる膿などで「腐敗臭」のような口臭が発する場合があります。

またその他のお口の中の病気として、口腔内腫瘍があります。口腔内腫瘍には良性のものと、悪性のものがありますが、悪性のものではお口の中の粘膜や歯肉だけでなく周囲の骨を激しく破壊します。口腔内腫瘍も歯周病と同じく「腐敗臭」が生じますが、口のニオイだけでなく、ワンちゃん自身が口の周りの痛みや違和感を感じてご飯を食べられなくなったり、食べこぼしが増えるなどの症状も一緒に現れることが多いです。

3. 口臭の原因②お口の中の乾燥

ワンちゃんのお口の中は通常だ液で潤っていますが、水分が不足するとだ液がねばねばと濃縮されて口臭の原因となります。

水を飲む量が少なかったり、鼻炎などで常にお口を開けている状態ではお口の中が乾燥して「生臭さ」「魚臭さ」が発生することがあります。

健康なワンちゃんでも夏場など暑い時期では体温を下げるために口を開けて呼吸するので、お口の中が乾きやすくなります。夏場にお口のニオイが気になった場合には、飲水量が足りているか、室温が高すぎないかなどをチェックしてみてくださいね。

4. 口臭の原因③内臓の病気

胃や腸といった消化器、肝臓や腎臓の具合が悪い時も口臭がおこることがあります。

甘ったるいニオイ

口から甘いにおいがある時は、血管や肝臓に病気を抱えている可能性があります。肝臓での栄養素の吸収や毒素の分解が正常にできなくなるために、特有の甘ったるいにおいを発しているといわれています。

腐ったようなニオイ

生ごみが腐ったような腐敗臭がある時は、メラノーマと呼ばれる悪性腫瘍ができている可能性があります。メラノーマはしばしば唇や歯茎、下や上あごなどの粘膜に発生します。口腔内メラノーマに関連する症状では強烈な腐敗臭のほか、口からの出血、ヨダレの増加などが見られます。

酸っぱいニオイ

酸っぱいにおいがある時は胃腸の不調の可能性があります。特に胃炎の場合、胃酸の分泌が多くなり胃酸がこみあげてきて、酸っぱいニオイになります。

アンモニアのようなニオイ

腎臓や肝臓の働きが悪いと通常は体の外に排出される物質が体の中にとどまり、アンモニア臭がする場合があります。

便臭

口臭が便のようなにおいの場合、お口の中に問題があったり、ひどい便秘が起きていることがあります。

このほかにも腸がねじれているなど重篤な症状を起こしている場合があり、腸の内容物が正常に流れていかないために便臭だけでなく、便のようなものを吐くこともあります。この場合ワンちゃんはひどい腹痛に襲われて、元気がなくぐったりしたり、下痢をするなど深刻な症状を伴っていることが多く、治療が遅れると生死にかかわります。

5.口臭の原因④ペットフードの劣化

ペットフードは開封すると空気に触れて酸化していきます。ウェットタイプのものはもちろんですが、保存に強いとされているドライフードも時間がたてば酸化して劣化していきます。劣化したドライフードを食べることで、食べかすが口臭につながることがあります。

また腐敗したフードや酸化したフードは下痢や嘔吐、腹痛の原因にもなります。ペットフードを購入するときは、食べきるまでの期間を考えてサイズを選び、また保管する際はなるべく空気に触れないように封をしっかりしましょう。

6.さいごに

いかがでしたか。
健康なワンちゃんでも、食べかすが残っていたり歯石の付着により、ある程度の臭い、というものはすることが多いです。ただし注意したいのは、口臭が口の中からだけではなく、内臓など全身の病気が原因で発しているケースも多くあるという点です。

デンタルケアをきちんと行っているにもかかわらず、急に口臭が気になるようになった、や、フードを変えているわけではないのに、口臭が変わった、という場合は何か病気を疑った方が良いかもしれません。 いずれにせよ、少しでも不安があるときは迷わず動物病院を受診し専門家の判断を仰ぐことが重要です。


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