社会化期を逃してしまったら、もう取り戻せないの?

飼い方・しつけ 2023.06.20

目次

  1. ワンちゃんの社会化期って?
  2. 社会化期の重要性
  3. 社会化期が過ぎても、少しずつ慣れさせることはできる終わっても
  4. まずは苦手なことを明確にすること
  5. 根気強くワンちゃんと向き合いましょう
  6. フードやおやつを上手くつかいましょう
  7. どうしても難しい時は専門家に任せることも考えて
  8. さいごに

1. ワンちゃんの社会化期って?

ワンちゃんの社会化期は1カ月齢~4カ月半くらいまでといわれています。

社会化期にどれだけ外界と接触したか、ほかのワンちゃんと接触したかが、ワンちゃんの精神的な成長に大きくかかわっていくと考えられ、しつけもこの時期が最もしやすいとされています。

では、1歳以上になってしまったら、もう社会化は不可能なのでしょうか。そしてしつけは難しいのでしょうか?

今回は社会化期が過ぎてしまったワンちゃんの成長についてお送りします。

2. 社会化期の重要性

先ほどお伝えしましたとおり、子犬の社会化期は1カ月齢~4カ月くらいまでとされています。

この時期にワンちゃんたちは母犬や兄弟犬とたくさん遊んだり、ケンカの加減を覚えるなど、犬同士の関係性を学んでいきます。 そのほか、たくさんの人に会ったり、動く車や電車の音、インターフォンの音を聞いたりなど、外の世界のこともたくさん見て、聞いて、知っていきます。

きちんと社会化ができなかったワンちゃんは、とても臆病で物音に敏感に反応します。 人やよその犬に対して執拗に吠え続けたり、はたまた恐怖心から人やものに噛みつく攻撃的な性格になったりなどと問題行動を起こすばかりではなく、ワンちゃん自身の心身の健康を害しかねません。

3. 社会化期を逃したらもう無理なのか?

こういったことを避けるために、この社会化期には、今後経験するであろう様々なことに慣れさせることが必要なのです。 そうはいっても、当時はそんなことを知らなかった、もう大きくなっちゃったよ、という方もいらっしゃるかもしれません。

それでは、社会化期を逃してしまったらもう手遅れなのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。
年齢を重ねるにつれ難しくなるとはされていますが、たとえ社会化期を逃してしまったとしても、少しずつワンちゃんを慣れさせてあげることはできると考えられています。 実際、ワンちゃんの社会化期はワクチンの時期とかぶっていて、本格的なお散歩デビューのころには社会化期が終わっていたということはよくあることです。

もうすでに社会化期はすぎてしまっており、社会化期にしておきたかったことでやり残したことがあれば、より慎重に、ゆっくりとすすめていってあげましょう。

4.まずは苦手なことを明確にすること

苦手なことは何なのか、その原因は何なのかを整理しましょう。

ほかのワンちゃんが苦手なワンちゃん、車やインターホンの音が怖いワンちゃん、飼い主さま以外の人間が苦手なワンちゃん。 子犬の頃からたくさんお散歩をして頑張ってしつけをしてきたつもりでも、苦手なことがあるワンちゃんはたくさんいます。

飼い主さまにはなんてことがない経験でも、ワンちゃんは「怖い経験」として覚えていることはあります。 怖がったワンちゃんは身体が固まって動けなくなってしまったり、吠えてしまったり、噛みついてしまったり、時にはおもらししてしまう子もいます。

ワンちゃんが怖がっている時は、ワンちゃんが本当に苦手なものは何なのか、原因は何なのかをもう一度整理することからはじめてみるとよいでしょう。

5.根気強くワンちゃんと向き合いましょう

社会化期をすぎたワンちゃんの社会化やしつけで最も重要なことは、飼い主さまの根気強さです。

たとえば、ほかのワンちゃんが苦手なワンちゃんになってしまったからといって、焦ってたくさんの犬がいるところに入れたりすると、びっくりして余計に犬嫌いがひどくなってしまうかもしれません。

また社会化期ができていないワンちゃんの場合は興奮しやすいという傾向があります。 1対1であっても、怖がって嫌がっているのに無理に相手のワンちゃんに近づけたりすると、噛みついてしまうなど思わぬ事故につながることもあります。

まずはワンちゃんをパニックにさせないことが重要です。

急にドッグランに連れていくなど、ワンちゃんが苦手なことをいきなり無理にやらせてもうまくいかず、ワンちゃんはパニックになってしまいます。たとえばまずは他のワンちゃんが少ない時間にお散歩をして、遠くから他のワンちゃんを見るくらいでも十分だと思います。また、飼い主さまは、ワンちゃんがもしパニックになっても必ず冷静にいることが重要です。

ワンちゃんがパニックになってしまったら原因からすぐに離れて落ち着かせてあげましょう。 ワンちゃんがしばらくして落ち着いたころに、あるいは別の日に再度挑戦して少しずつワンちゃんが苦手なことに取り組んでいきましょう。

6.フードやおやつを上手くつかいましょう

やはりトレーニングが上手くいきやすいのは、フードやおやつを上手く使うという方法です。

他のワンちゃんを怖がる場合は、散歩中に他のワンちゃんに遭遇したタイミングでフードやおやつをあげて気をそらしてあげましょう。また車の音やサイレンの音が鳴ったら優しく声をかけてあげてフードやおやつをあげてみましょう。

ポイントはワンちゃんが怖がるかな?というタイミングで気をそらしてあげることです。
たとえば他のワンちゃんと目があってしまったり、しゃがみこんでしまったタイミング、車の多い通りを通る時やサイレンの音が聞こえ始めたタイミングなどでしょうか。
間に合わない時もあるかもしれませんし、飼い主さまにとっては難しい面もあるかと思いますが、怖いかも?という場面をおいしい!に変換してあげることが大切です。 また、徐々にワンちゃんが慣れてきて我慢ができるようになってきたら、たくさんほめてあげてくださいね。

7.どうしても難しい時は専門家に任せることも考えて

どうしてもほかのワンちゃんに唸ってとびかかってしまうなど飼い主さまの手におえないような状況の場合もあるかと思います。

そういった場合はドッグトレーナーやしつけ教室に相談してみるのがよいでしょう。 また、雷の音でおもらししてしまうなど極端に犬が怖がってどうしようもない場合も獣医師の先生に相談し、抗不安薬を処方してもらうという手もあります。飼い主さまも頑張ってワンちゃんと向き合っていると思います。抱え込まずに外部の人に相談する、助けを求めることも検討してみてくださいね。

8.さいごに…

いかがでしたか。今回は社会化期をすぎたワンちゃんの成長についてお伝えいたしました。

社会化期をすぎたとしても社会化やしつけを行うことは可能です。 ワンちゃんとの生活について何か改善したいことがあれば、時間は少しかかるかもしれませんがゆっくり取り組んでみてくださいね。


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