シニア犬の変化と飼い主の心構え
目次
1. 10歳ころから目立ち始めるペットの「老化」
最近はワンちゃんも人と同様に高齢化傾向があります。以前と異なり飼育環境やフードの栄養状態が改善されたことにより、15年以上生きるケースも少なくありません。 一般的には10歳超えたくらいからぐんと見た目にも「年を取ってきたなぁ」なんて感じることが多いといわれていますが、その外見からわかる老化は個体差があります。
とはいえ、身体の中の老化は時の経過とともに確実に進んでいるものです。
だいたい6-7歳齢で、目、歯、足などに現れます。白内障や歯周病などは早期発見、早期治療で対処しましょう。
2. 加齢による体の代表的な変化
白髪
毛に色を与えているメラニン色素が欠乏してくることにより、ワンちゃんにも白髪が生じます。人間のように白髪が生えてくる、というのではなく、もともと茶色や黒かった毛が徐々に色が抜けて白く変化していきます。白髪が増え始める時期はその子によって様々ですが、だんだん目の周りや口周りなどの顔回りが白っぽくなります。
頻尿
年齢とともに膀胱が硬化したり、筋力が低下することによって、膀胱に溜められるオシッコの量が減っていきます。そのため、おしっこの回数が増えます。老化が進むにつれて、トイレシートに行くまで間に合わなくなり途中で粗相をしてしまうようになります。
白内障
年齢を重ねるにつれて水晶体が白濁し、白内障にかかりやすくなります。水晶体が濁ることで、物が見えにくくなったりなど視力が低下します。早期の処置で白内障の進行を遅らせることができるので、兆候が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。
認知症
加齢により脳の一部の認知機能が低下し、人間同様に「認知症」になることがあります。これは柴犬などの日本犬に多く見られることが分かっています。食欲が過度に旺盛になったり、昼夜逆転して夜鳴きをするようになったりなど、様々な症状となって現れてきます。
3. さいごに
いかがでしたか。まだ、ワンちゃんをお迎えしたばかりの方からすると想像もつかないことかもしれませんが、年を取るにつれて性格が変化することもあります。耳や目が衰えたことによる防衛反応で噛みつくこともありますし、痛いところや調子が悪い箇所に触られることを嫌がって、以前より怒りっぽくなることもあります。
ワンちゃんの老化に伴う現象は避けられない問題ですが、長い間家族の一員として過ごしてくれた愛犬への愛情と感謝を胸に、心のこもった対処方法を考えてあげてください。