危険な嘔吐の特徴

ペットと暮らす 2023.06.23

目次

  1. はじめに
  2. 危険な嘔吐5つの特徴
  3. 吐いたものを確認しよう

1. はじめに

ワンちゃんは私たち人間と比べると吐きやすい動物です。

これは、ワンちゃんが見ての通り四足歩行で胃が横向きになっていることや、胃や食道、口が地面と平行に近いため、内容物が流れやすいためであるといわれています。 吐いてもケロッとしていたり、比較的元気なことも多いのですが、吐いたものの内容や愛犬の様子によっては急いで動物病院への受診が必要なこともあります。

以下には、危険な嘔吐についてご説明します。
ワンちゃんが吐くのはよくあること、と甘く考えずに、都度状況をきちんと確認して、緊急性を判断するようにしてください。

2. 危険な嘔吐5つの特徴

以下に当てはまる症状が見られた場合は、急いで動物病院を受診するようにしましょう。

基本的には、吐いた後も、元気で食欲がある場合や、変わらず動き回っている場合は、半日程度は様子を見てもかまいませんが、明らかにぐったりしていて元気がない場合は、とにかく病院へ急ぎましょう。

また、元気で食欲があっても嘔吐が続く場合も、何らかの病気を抱えているサインです。まずは以下の症状がないかを確認し、危険な嘔吐にあたるか否かを見極めてあげてください。

激しく吐いている

何度も腰を突き上げるポーズをとり、苦しそうにしている、ウッウッと肩を上下させながらお腹に力を入れながら勢いよく吐いているケースなどは体調に何らかの異常が起こっているサインです。

何度も繰り返し吐く

1日2回以上吐いているケースはすぐに動物病院に連れていきましょう。
胃の内容物がなくなっても黄色の液体を吐いたり、食べてもまた吐いてしまうケースは緊急度が高いです。

数時間経過しても、食欲がない

吐いた後一定期間をおいても、変わらずに食欲がなくご飯を食べたがらない場合も、何かしらの不調のサインです。
水も口にしない場合は、脱水に陥る可能性もあるためより緊急度が高いです。

ぐったりして動きたがらない

ずっと尻尾が下がっている、ぐったりして立ち上がれないなどは体調に明らかな異変が起こっている証拠です。
単なる不調ではなく、急性の胃捻転や膵炎などの可能性もあり、そのまま様子を見ているうちにショック状態に陥る可能性さえあります。 すぐに動物病院に連絡をしましょう。

下痢をしている

嘔吐とともに下痢の症状がみられる場合は、胃腸炎や膵炎などの可能性が高いです。
そのほか、誤飲誤食や何らかの感染症の可能性もあります。嘔吐と下痢がともに1回のみの場合や、下痢をしたあとも元気で食欲がある場合は、半日ほど様子をみても構いませんが、その他の症状がある場合は早めに病院で処置をしてもらいましょう。

3. 吐いたものを確認しよう

また、吐いたものの内容から危険度が分かることがあります。以下に注意してみてください。

色が赤い

全体が赤い色だったり、赤黒い場合は血が混ざっている可能性があります。
真っ赤な鮮血だけでなく、黒っぽい血の塊のようなものがみられることもあります。いずれにせよ、誤飲誤食や中毒、免疫疾患などの重篤な病気が疑われます。

色が黄緑がかっている

すい臓や肝臓に異常があり、胆汁が混ざっていると吐いたものが黄色みがかった緑色になります。
単純に黄色みがかった「液体」だけ吐き出している場合は、空腹が原因で胃液を吐き出しているとも考えられますが、どろどろとした嘔吐物があり、それが黄色や緑色をしているときは何らかの異常を疑う必要があります。

何か混ざっている

布やプラスチック片などが混ざっている場合は明らかに誤飲です。誤飲誤食したものを消化できずに、フードと一緒に吐くことがあります。吐き出してくれたから安心、という判断は危険です。胃腸内にはまだ残存物が存在する、と考えるのが正しいです。いずれにせよ動物病院を受診する必要があります。

そのほか、寄生虫が嘔吐物に混ざる場合があります。吐いたもののなかに糸状のミミズのようなものが混ざっている場合は、子犬がなりやすい「回虫症」の可能性が高いです。回虫症とは、人畜共通感染症の一種で、無症状でいきなり下痢や嘔吐などの消化器症状が現れる特徴があります。見つけた場合は急いで動物病院に行き、駆虫薬の投与を行いましょう。




子犬・子猫一覧