ワンちゃんにとって危険な夏の虫

知識・お役立ち 2023.06.26

目次

  1. はじめに
  2. ワンちゃんにとって危険な夏の虫TOP9
  3. さいごに

1. はじめに

湿度と温度が高まりやすい夏の時期は、蚊やハエ、ゴキブリ、ノミやダニなど様々な種類の虫が増えます。 じめじめした環境を好む虫たちにとってはまさに快適な環境。活動が活発になり、寄生虫を媒介したり毒性を持っている虫も大量発生してしまいます。

今回はワンちゃんにとって危険な虫についてお伝えします。

2. 危険な夏の虫 TOP9

いうまでもなく、蚊はワンちゃんの大敵です。この時期は蚊に刺されたことによるフィラリアの発症を予防するために、月に一度の投薬が必須です。

フィラリアは白い糸のような虫で、そうめんのような形をしています。主に肺の中の血管や心臓の中に寄生するため、フィラリアが成長するにつれて心臓に負担がかかり、食欲や元気がなくなったり、進行すると咳が出る、腹水が溜まるなど様々な症状が出て、最終的には死に至る恐ろしい病気です。

ヒル

犬の体に付着し吸血します。ワンちゃんが吸血されると、しばらく出血が止まらなくなり、かゆみの発症や傷口が化膿することがあります。

もしワンちゃんがヒルに吸われているのを発見したら、無理に引きはがすのは危険です。くれぐれも慌ててとらないようにしてください。 まずは手元にある水を吸いついているヒルにかけてください。塩や砂糖があれば塩水や砂糖水を、もしくはお酢の方が浸透圧の関係で早くとれやすいです。

ヒルが取れたら、傷口を流水でしっかり洗い流しましょう。ヒルは、血が固まりづらくなる「ヒルジン」という成分を、噛み口に注入しています。この「ヒルジン」が残っているとなかなか出血が止まらないので、十分な時間をかけて水で洗い流してください。

ハチ

野山のほか、庭木や家の屋根などにも様々な場所に潜んでいます。ワンちゃんがハチに刺されると、人間同様痛みや腫れを引き起こします。

ミツバチやスズメバチの針には毒がありますので、刺された箇所は針を抜いた後、しっかり水で洗い流すことが重要です。万が一、舌や口の中、喉などを刺された場合、患部が腫れあがって気道をふさいでしまう可能性があります。また、大量に刺された場合も意識障害や呼吸困難を起こすアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。一刻の猶予もないので、急いで近隣の動物病院に連れていきましょう。

ムカデ

雑木林や落ち葉、石の下などに潜んでいます。ムカデに刺された場合、傷口の腫れや激しい痛みという症状を引き起こします。

ワンちゃん自身が患部を気にするそぶりを見せるため、飼い主さまも気が付きやすいでしょう。刺された毒の種類によってはハチと同様に呼吸困難などのアナフィラキシーショックを起こすこともあります。万が一、ムカデに咬まれた場合は、患部を流水でしっかりと洗い流します。患部を洗い流したらなるべく早く動物病院へ行きましょう。また、二度目以降の場合は、重症化する確率が高まります。

アリ

1匹のアリに噛まれたり、毒針で刺されたりしても、命の危険はないのですが、患部の腫れや痛み、かゆみを伴う場合もあります。 大量のアリの行列の上に足を突っ込んでしまい、多数噛まれた場合は、ピリピリと持続的な痛みを感じていることがあります。

あまり気にしていないようならば病院に連れていく必要はありませんが、念入りに体を洗い、特に肉球と被毛の間などにアリが入り込んだままではないか、見てあげてください。大量のアリに噛まれた場合、や、いつまでも患部を気にしている場合などは動物病院を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

ヒアリ

特定外来生物であるヒアリ。ワンちゃんにとっても大変危険な虫です。国内では港湾地域を中心に発見されていますが、内陸にも侵入している可能性がありますので、居住エリアに関わらず注意が必要です。

毒針で刺されると火傷のような強い痛みが出るため、キャンキャン鳴いたり急に走り出すような行動が見られます。そして噛まれてから30分程度はアナフィラキシーショックを起こさないか注意が必要です。ショック状態に陥ると、呼吸困難やふらつきなどがみられ、命に係わる状態になります。いずれにせよ、ヒアリに刺された場合は一刻も早い処置が必要となりますので、速やかに動物病院へ直行してください。

ハエ

家のなかや台所でも見かけるハエ。ワンちゃんの傷口や皮膚の弱い部分に卵を産み付け、皮膚の下などにウジ虫が寄生する病気を引き起こします。

傷に産みつけられた卵が孵化すると、幼虫であるウジ虫は、皮膚に入り込むため、強い痛みや不快感を引き起こします。 一度発症すると、フィラリア同様根治まで非常に時間が掛かる病気です。

ゴキブリ

ワンちゃんはゴキブリを丸呑みしても健康上問題がない、なんていう声も多く聞かれますが、絶対に食べさせないようにしてください。

確かにゴキブリ自体には中毒性がなく、ゴキブリがワンちゃんを噛むこともありません。 とはいえ、ゴキブリには殺虫剤がついていることも多くあります。市販の殺虫剤については、基本的には私たち人間やワンちゃんが誤飲しても致死量に繋がるほどの猛毒は含まれてはいないのですが、毒性があることは間違いがないので、嘔吐や下痢、震えなどの症状がないかどうか、しばらく様子を見てください。そのほか、細菌やネズミの寄生虫で、ワンちゃんにも感染する縮小条虫を運搬していることもあります。 いずれにせよ、愛犬をゴキブリには近づけないように気を付けましょう。

アブ

雑木林のほか、谷などの水辺にも潜んでいます。毒を持っているわけではないのですが、刃物のような鋭い口を持っていて、皮膚を切り裂いて吸血するため、噛まれると幹部から出血したり、強い痛みが発生します。刺されたこと自体により、一気に症状が悪化することはありませんが、ワンちゃんの皮膚は人間より薄いため、刺された跡が炎症を起こすことがよくあります。不快な痛みが気になり、傷を気にしてガブガブ噛むことから、化膿してしまったり、傷がなかなか治らないこともよくあります。

3. さいごに

いかがでしたか。ワンちゃんをお迎えし、色々な場所へのお出かけを楽しみにされている飼い主さまも多いでしょうが、ワンちゃんにとって危険な虫も沢山います。動物病院で処方されている予防薬を飲むことは大前提ですが、そのほかワンちゃんの防虫グッズも様々な商品がでています。

スプレーやアロマなどの虫が嫌がるにおい成分を含んでいる防虫グッズや、虫よけ効果のある首輪をしたりなど、防虫グッズを利用して、大切な愛犬を危険な虫から守ってあげてください。


子犬・子猫一覧