ワンちゃん、ネコちゃんの花粉症

ペットと暮らす 2023.06.26

目次

  1. はじめに
  2. ワンちゃん、ネコちゃんの花粉症って?
  3. 主な花粉症の症状
  4. ペットのためにも花粉対策を
  5. さいごに

1. はじめに

花粉症とは、花粉の飛ぶ季節にだけ症状が現れる季節性のアレルギーで、 植物の花粉に反応して春や秋など決まった季節にくしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出る病気です。

私たち人間にとってはもう長い付き合いでこの季節特有の風物詩のような存在となってきた花粉症ですが、実は近年、私たち人間だけではなく、ワンちゃんやネコちゃんにも花粉症のような症状が出ることが知られるようになってきました。

ここ日本に住んでいる限り、多くの人を悩ませる花粉…

  • ワンちゃん、ネコちゃんの花粉症ってどんな症状が出るの?
  • 花粉症にならないためにはどうすればいいの?
など、今回は、辛い花粉症の症状や予防について、知って得する内容をお届けします。

2. ワンちゃん、ネコちゃんの花粉症って?

花粉症というとなんとなく春と秋、というイメージがあるかもしれませんが、実は1年のうち半分ほどは花粉が飛来しており、スギ花粉が2~4月、ヒノキ花粉が3~5月、イネ科の花粉が5~10月、ブタクサが8~11月と、花粉症のリスクにさらされている時期はほぼ半年にわたります。

そもそも花粉症というのは、植物の花粉が粘膜や皮膚に接触することによって引き起こされる過剰な免疫反応(アレルギー反応)のこと。

「花粉症」というと、鼻水ズルズルでくしゃみがとまらなくなる姿を想像してしまいそうですが、人間とワンちゃん、ネコちゃんとでは花粉症の症状が異なります。

人間の花粉症はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が多く出ますが、ワンちゃんの場合は主に皮膚に症状が出る事がほとんどで、くしゃみや鼻水はどちらかというと少ない傾向があります。最も多いのが、脚やおなか、口、目の周り、耳などにかゆみを伴う皮膚炎症状です。

一方、ネコちゃんの花粉症の症状は、人の花粉症のような鼻水、くしゃみ、目のかゆみだけではありません。皮膚のかゆみや嘔吐など、多岐に渡ります。

ワンちゃんが、お散歩から帰ってきたあとなどに、やたら後ろ足でカイカイと身体を掻いていたり、目頭が少し赤くなっている様子、や、目元をかゆがっている様子を見たことはありませんか? ネコちゃんが、飼い主さんが帰宅した後や、窓を開けて換気を行ったあとなどに、「くしゅん!」と、くしゃみをしている姿は見たことがないでしょうか?

そんな症状が見られたら、もしかしたら愛犬、愛猫は花粉症かもしれません。

花粉症と聞くとついつい軽く考えてしまいがちですが、うっかり放置すると、身体のあちこちを舐めることで炎症が起こって皮膚がただれたり、掻きすぎて、一部の毛が抜けて血がにじんでしまうなんてこともあります。 また、くしゃみや鼻水といった鼻炎症状が悪化することにより、せきなどのぜんそく症状もみられることもあります。

3. 主な花粉症の症状※上から主要な順

ワンちゃんの花粉症の症状

  • 身体をかゆがる
  • 皮膚が赤くなる
  • 涙が出る
  • 目の周りなどの皮膚が赤くなる、目をかくなど
  • 目やにが増える
  • 咳をする
  • くしゃみ、鼻水

ネコちゃんの花粉症の症状

  • くしゃみ、鼻水
  • 涙が出る
  • 目が腫れる、充血している
  • 目の周りなどの皮膚が赤くなる、目をか
  • 身体をかゆがる
  • 皮膚が赤くなるなど

4. ペットのためにも花粉対策を

もし、これらの症状が出ている場合は、愛犬、愛猫は花粉症かもしれません。

動物病院を受診してアレルギー検査を行うことで、果たして花粉症なのか、ということや、どの花粉に対してアレルギーを起こしているのかを特定することができます。 検査を受けて、花粉に対するアレルギー症状として診断された場合には、目のかゆみや皮膚のかゆみなどの症状を抑えるための飲み薬や塗り薬が処方されます。

辛いこのシーズン、数か月の我慢だから…と耐え忍ぶしかないような気もしますが、そもそも鼻に花粉(アレルゲン)が入らなければアレルギー反応はおきず、当然、身体のかゆみなど花粉症の症状はあらわれません。

そのため、人間の場合はこの時期になるとマスクやゴーグルをつけたり、病院で処方された薬を飲んだりと色々と対策ができますが、ワンちゃんやネコちゃんとなるとなかなかそうはいきませんよね。等にワンちゃんの場合は、お散歩に行かないで一切外に出さない、なんてわけにもいきません。

以下では、有効とされる花粉症対策についてお伝えします。

1. お出かけ(ワンちゃんのお散歩)は“花粉が多く飛散する時間帯”を避ける

花粉の飛ぶ量は一日のうちで変化します。 一般的に、お昼の12時~14時と17時~19時前後に花粉が最も多く飛びます。ワンちゃんはこの時間帯を避けてお散歩に連れて行ってあげたほうが良いでしょう。ネコちゃんについても、動物病院や急な帰省などでどうしても一緒に出掛けなければならない時があると思いますが、その際はお出かけする時間帯に気を付けましょう。

また、晴れて気温の高い日や、風が強く、空気が乾燥した日、雨上がりの翌日(二日分まとめて飛ぶ)や、気温の高い日が2~3日間続いたあとも花粉が多く飛ぶ傾向がありますので、注意が必要です。

2. 花粉を室内に持ち込まない

衣服についた花粉を室内に持ち込むと、家の中でも症状がつらくなってしまいます。家の中に入る前に、衣類に付着した花粉をしっかりと払い落すようにしましょう。もちろん、洋服だけではなく、顔や髪の毛にも花粉は付着しておりますので、外出から帰って来たらうがい・洗顔、シャワーを浴びるなどをして花粉を除去しましょう。 また、花粉は人間の衣服に付着するだけではなく、室内の換気扇を通して入り込んでくるケースもありますので、換気扇にカバーなどをして、できる限り家の中へ入るのを防ぐことが大切です。

お散歩の後は、飼い主さんの上着やコートをきちんと払ってからお家の中に入るのはもちろんのこと、ワンちゃんの身体についた花粉も、しっかりと拭き取ってあげましょう。 普段からお散歩後は足を拭いてあげている方も多いと思いますが、これにプラスして、少し温めてあげたタオルで身体を拭いてあげましょう。顔や脚には特に花粉が付きやすいので、念入りに拭いてあげてください。

3. ドッグウエアも花粉対策に有効!玄関先で脱がせて、こまめなお洗濯を!

また、人間の花粉対策と同様で、なるべく皮膚を隠すことも花粉の付着量を減らすこととなり、有効です。お散歩に行くときはお洋服を着せてあげて、脱がせてあげましょう

4. こまめに掃除をする

掃除の際は、掃除機の使用だけでなく、ぬれ雑巾やモップで拭くのも効果的です。昨今は特に、コロナ禍ということもあり、意識的に喚起をする方も多いと思いますが、風に乗ってたくさんの花粉が部屋の中に入ってきています。花粉は、床やカーテン・玄関などに多数残存しているので、これらの場所は念入りに掃除をしてあげましょう。

5. さいごに

いかがでしたか。 人でもつらい花粉症。 ワンちゃんやネコちゃんにとってもつらさは一緒ですが、このつらさの原因を理解できていない分、私たち人間以上に辛い花粉症シーズンを過ごしているとお考え下さい。 少しでも疑わしい時にはすぐに動物病院に相談するようにしましょう。

ワンちゃん、ネコちゃんのために花粉症対策を行うことは、結果的に身の回りや心身を清潔に保つこととなり、自分の身を守ることに繋がります。 本来ならばポカポカ暖かくてとても良いこの季節。きちんと対策をとりながら、愛犬、愛猫と楽しく過ごしてくださいね。


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