ワンちゃんのヨダレ 異常なサインって?

知識・お役立ち 2023.06.27

目次

  1. はじめに
  2. ワンちゃんがヨダレを垂らす原因は?
  3. 異常なヨダレで疑うべき病気
  4. さいごに

1. はじめに

突然ですが、ワンちゃんのヨダレって気になったことはありますか?

ワンちゃんは基本的には、私たち人間よりもヨダレが多い動物です。ヨダレの有無やその量については犬種の違いも大きく、特にパグやフレブルちゃんのようないわゆる鼻ぺちゃ系と呼ばれる短頭種(口先の短い犬種)については、ヨダレが多い傾向があります。

2. ワンちゃんがヨダレを垂らす原因は?

興奮して出るヨダレは生理現象です。ワンちゃんが食べ物の臭いを嗅いだり、口に入っているときにヨダレが出るのはあたりまえのことです。

ワンちゃんは食べ物を前にすると、口から胃へ食べ物を送りやすくするために、唾液の分泌が増えます。 そのため、マテをしている際に、お口からヨダレを垂らしてしまうワンちゃんがいても異常ではありません。

また、気温が高い時もヨダレが増える傾向があります。

ワンちゃんは私たち人間のように、汗をかくことで体温調節ができないので、体の熱を放熱させるために口を開けて舌を出して呼吸をします。気温が高いと口が開けっ放しになることから、自然とよだれは出やすくなるのです。ただし、気温が高い日にあまりにも異常な量のよだれがあり、元気が無かったり苦しそうな様子であれば熱中症の可能性もありますのでお気を付けください。

以上のように、食べ物を前にした興奮や、気温が暑い日に、いつもより少しヨダレが多い、ということならば特に気にする必要はありませんが、常に床に水たまりができるほどのヨダレが出たり、ヨダレに泡が混ざっているなどは要注意です。思わぬ病気が隠れている可能性があります。

3. 異常なヨダレで疑うべき病気

誤飲誤食

誤食や誤飲が原因でよだれの量が増えることがあります。詰まっている異物を吐き出そうとしても吐き出せないので、よだれだけが出てしまうという状態です。今まで普通にしていたのに突然大量のよだれを垂らし始めた、頭を振ったり落ち着かない様子があるようだったら真っ先に誤飲を疑いましょう。

中毒

例えばチョコレートやネギ類などを食べてしまった場合も、中毒症状に伴いヨダレやけいれんが現れます。 ワンちゃんが食べてはいけない食べ物はたくさんありますが、特にチョコレートに含まれるカカオは誤食してしまった場合に過剰な興奮作用によりよだれや痙攣が現れます。

お口のトラブル(口内炎や歯周病)

歯周病や口内炎など口の中の病気がきっかけでよだれが増えることがあります。そのほか、口の中に悪性腫瘍ができた場合も、異物感や痛みによって、唾液が過剰に分泌されます。また口が閉じづらくなるため、よだれが口の外に溢れてしまうことがあります。

消化器系の疾患

胃腸炎や胃捻転、膵炎など、胃腸に異常があると、唾液の分泌量の増加や嘔吐などの症状が見られます。激しいよだれの他、嘔吐、元気がない、食欲がない、などの症状が見られたら、胃腸の病気の可能性もあります。

その他にも、門脈シャントや巨大食道症などの症状でも唾液過多の症状が見られ、食欲不振になったり、涎を垂らしたりという症状も見られます。

4. さいごに

いかがでしたか。 よだれが出ることは正常なことですが、あまりにも量が大量だったり、泡が混ざっていたりなど、いつもと状況が違う感じが見られたら病気を疑ってください。なかには誤飲や中毒、急性膵炎など、早急に対処しなければ命にかかわる可能性もあります。

大切なことは、普段から「いつもの状態」を把握しておくことです。
そして少しでも異変を感じたら自己判断をせず、迷わず専門家である獣医の診察を受けることです。 大切な愛犬の命を、飼い主さまが守ってあげてくださいね。


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